世界一のクリスマスツリーが「あすなろの木」じゃなかった件
2017-12-08
今話題沸騰中の神戸メリケンパークに建てられた、「(めざせ!高さじゃなくてオーナメントの数)世界一のクリスマスツリー」は、落ちこぼれの木といわれる「あすなろの木」が、世界一の木になる!ということで始まりました。
でもね、もし、この樹が「あすなろの木」じゃなかったら、大前提が崩壊したことになりませんか?
Contents
はじめに
追記:2017.12.20
アスナロとヒノキアスナロは変種で同種だ。という意見がたくさん寄せられてます。今現在、別種である証拠のほうが多いのでそれを違うと否定するなら、文献に書かれているから以外の証拠、例えば交雑種があるってことを証明してください。 #世界一のクリスマスツリー
— いいな (@iina_kobe) December 20, 2017
アスナロとヒノキアスナロの交雑種(変種同士ならば交雑可能である)が存在する。などの証拠がありましたら、ぜひ、教えていただけるとありがたいです。
もし、そのような事例があるのであれば、記事内容を訂正いたします。
現在は、このようなものが確認されています。https://t.co/LRPujf8rKB
によると、「群馬県水上集団では2変種の遺伝組成を共有しており、交雑が発生している可能性が示された。」ということですがどうでしょう? https://t.co/tjwFAgIHHp— Novlude (@novlude) December 20, 2017
https://t.co/iX8yw7thUy
によると、アスナロとヒノキアスナロは花粉形成時期がかなり異なるらしいので、自然な交雑は少ないのかも。— Novlude (@novlude) December 20, 2017
アスナロ属2変種の分布重複域における空間的遺伝構造解析
これまでの研究から、アスナロ属21集団を対象に系統地理的な遺伝構造解析を行った結果、
(1)ヒバとアスナロがそれぞれ単系統に分かれること、
(2)群馬県水上集団では2変種の遺伝組成を共有しており、交雑が発生している可能性が示された。一般的に用いられている「単系統群」は、「ある祖先とその子孫すべてを含む種の集合体」と定義されます (ワイリー ほか, 1992)。またそのような系統を「単系統」といいます。
http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/phylogeny/monophyly.html よりなお、これらは現在検証中です。
専門家さんの見解が欲しいです。
落ちこぼれの木といわれる「あすなろの木」が、世界一の木になるのです
世界一のクリスマスツリープロジェクトは、たくさんのメディアが、
開港150年の神戸港で、「あすなろの巨木」 が復興と再生の象徴として光かがやく!
と紹介しております。
「めざせ!世界一のクリスマスツリープロジェクト」始動。開港150年の神戸港で、「あすなろの巨木」 が復興と再生の象徴として光かがやく!プラントハンター 西畠清順が史上最大の樹木輸送に挑む
(略)
今回のプロジェクトは、落ちこぼれの木といわれる「あすなろの木」が、世界一の木になるのです。
(略)
みんなで日本に世界一のクリスマスツリーを! 「めざせ!世界一のクリスマスツリープロジェクト」 クリスマスオーナメント参加キット販売スタート。
来場者さんは、ツリーの下の広場でオーナメントに、自分の夢や希望のメッセージなどを自由に書くことができます。
インターネットでご購入いただいた方は、メッセージを書き込み郵送していただくとツリーに届けられます。
そして、届いたメッセージ付きのクリスマスオーナメントはワイヤーロープにつながれ、毎週末、そら植物園 代表の西畠清順が、いのちを懸けてアスナロの樹にのぼり、必ず飾られるという仕組みです。つまり、みなさんの夢と希望など想いが集まれば集まるほど、ツリーの輝きが増していくというプロジェクトなのです!
今回クリスマスツリーとして選ばれたのは、富山県氷見市で見つかったアスナロの樹。
アスナロは、「あす」はヒノキに「なろ」うの樹といわれ、木材としてもヒノキより格下、いわば落ちこぼれの樹として扱われています。
そんなアスナロの樹が、ひとつのきっかけでみんなの想いが集まり、やがて世界一に輝く。
そんな世界初の試みに、ぜひ参加してみませんか?このプロジェクトのテーマは、「輝け、いのちの樹。」
アスナロは、“風”に花粉をのせ、いのちを未来へつなぎます。
この世紀のプロジェクトに参加し、みなさんにとっても未来や、いのちについて考えるきっかけになれば嬉しいです。
アスナロの樹とは?
このプロジェクトの公式サイト、「めざせ!世界一のクリスマスプロジェクト」のあすなろプロフィールには
あすなろプロフィール
全長 : 30m(根鉢高を含む)
重量 : 24t
樹齢 : 推定150年
出生 富山県氷見市一刎地区一般情報(いいな注:当初は一般情報ではなく、「樹種」と書いてあった模様)
アスナロ(翌檜) ヒノキ科アスナロ属
葉は厚く長さ4~6mmの鱗片状になり鈍頭。小枝や細い枝に十字対生する。小枝につく葉の面は濃緑で光沢がある、裏は白色の幅広い気孔線がある。 葉は卵状披針形あるいは舟形になり、ヒノキ科の中では最も大形の葉になる。自生地は本州、四国、九州。出典:三上常夫・川原田邦彦・吉澤信之(2009) 『日本の樹木』 柏書房
として、今回の「世界一のクリスマスツリーをめざす樹」の紹介が載っております。
某植物園のガイドマップをみると、アスナロの樹があります。
そして、アスナロ紹介の看板には
アスナロ
Thujopsis dolabrata Sieb.et Zucc.
ヒノキ科
日本固有の針葉樹で、一属一種一変種あります。
北方系の変種をヒノキアスナロとよび、特に林業的に材質がよく、青森県のものはヒバと呼ばれ、日本三大美林(木曽のヒノキ、秋田のスギ、青森のヒバ)の一つです。
「明日は桧」から、ヒノキより劣るというのは誤解で、材質はヒノキに勝るとも劣りません。
「厚葉桧」から転じたという説もあります。
能登ではヒノキアスナロのことをアテと呼びます。
と書かれています。
ヒノキアスナロの樹とは?
ヒノキアスナロは、檜翌檜と書きます。
学名は、Thujopsis dolabrata var. hondae で、
アスナロとヒノキの交雑種かもしれません(検証中)。
植物園の職員さんもそういっていました。
追記2017.12.22
個人的には、南方系のアスナロが、寒耐性遺伝子等を獲得して北方にも進出可能になったものがヒノキアスナロで、地理的に隔離されたため、交雑することはなく、独自にその勢力を拡大していったと考えます。
仮にアスナロとヒノキアスナロが変種であると仮定するとその混成林では、アスナロとヒノキアスナロの交雑種だらけになっていると推測できます。
そのような場所がないのであれば、変種というよりは、亜種に近いものだと推測します。
プードルとチワワの交雑種であるチワプーだと思っていただいたら想像できると思います。
なので、プードルとチワワ、チワプーがそれぞれ違うように、
ヒノキとアスナロとヒノキアスナロは違います。
アスナロをヒノキアスナロだというのは、プードルを、チワプーというのと同じくらいおかしいことです。
こんな間違い、素人しかしません。
ちなみに、某植物園において、メリケンパークに立つ「世界一のクリスマスツリー(仮)」を見て、「あれがアスナロなの?」と疑問に思い、本物のアスナロを確認しに来る「専門家」がいたらしいです。
私も、
世界一のクリスマスツリープロジェクトの時系列年表の
2017年12月4日
・アスナロの木が、ヒノキアスナロである可能性が高いことが判明。スクープ: あー、これ、ヒノキアスナロ確定だわ。#世界一のクリスマスツリー pic.twitter.com/EesnLRexK7
— いいな (@iina_kobe) December 4, 2017
に書いたように、
この世界一のクリスマスツリーと言われている樹は
ヒノキアスナロじゃね?
ってず~っと思っていました。
専門家も、植生から、ヒノキアスナロの可能性を指摘しています。
東京朝刊・特報部 11/25 ◇神戸「世界一のXマスツリー」 アスナロ巨木利用いいいの? 撤去後 記念品販売「伐採するのか」批判も
より。
アスナロとヒノキアスナロの違い
というわけで、某植物園でアスナロとヒノキアスナロの違いを確かめてきました!
某植物園のアスナロは、専門家お墨付きの完全なる「アスナロ」です。
葉の表
アスナロとヒノキアスナロは、葉の形はほぼ一緒です。
しいて言えば、アスナロのほうが少し葉が肉厚で大きいんですが、それも成長によって違うらしいです。
これが某植物園の下に落ちてたアスナロの葉の表です。
そして、これが、「世界一のクリスマスツリープロジェクト」の会場に昨日落ちていた葉の表です。(ちょっと枯れてる)
全く違いが分からない!
葉の裏
アスナロもヒノキアスナロも、葉の裏は気孔線という白いのがついてます。
これが某植物園の下に落ちてたアスナロの葉の裏です。
そして、これが、「世界一のクリスマスツリープロジェクト」の会場に昨日落ちていた葉の裏です。(ちょっと枯れてる)
全く違いが分からない!
若干「アスナロ」のほうが葉が大きいようにも見えますが、どうやら、葉の形などでは「世界一のクリスマスツリーになる予定の樹」がアスナロなのか違うのか?は判らないみたいです。
球果
アスナロと、ヒノキアスナロの違いは、球果の違いにあるらしいです。
アスナロは、突起物のある球果をしていて、ヒノキは、まん丸の球果です。
ヒノキアスナロの球果は、その中間くらいの球果をしています。
上の図では、左がアスナロ。右側がヒノキアスナロ。(青森市森林博物館提供。ありがとうございます!)
これが、ヒノキの球果。まん丸。
↓
これが某植物園の下に落ちてたアスナロの球果です。
とんがってますね。上の写真の通りです。
そして、これが、「世界一のクリスマスツリープロジェクト」の会場に昨日落ちていた球果です。
とんがってないです。ヒノキみたいにまん丸でもないですね。
並べてみました。
互い違いに並べてみました。
結果
もうおわかりでしょうが、
「世界一のクリスマスツリープロジェクトにおいて、アスナロだといって持ってこられた樹は、アスナロではありません。「ヒノキアスナロ」です。
さて、大前提が崩れたこのプロジェクト、これからどうなっていくのでしょうか。。。
ちなみに、青森県の県木は、ヒノキアスナロです。有名な青森ヒバですね。
石川県の県木もヒノキアスナロです。こちらは、能登のアテです。
どちらも落ちこぼれではなく、めっちゃ優秀な樹です。
そうなんよ。プラントハンターさんは、実は植物学や生物学には通じてなくて、そこらへんが素人なんだけども、親の会社がすごいから、いろんな人から依頼が来て、「見た目だけで」植物選んで見た目だけの展示をして稼いでるんですよね。だから業界では評判が悪いっぽい。 #世界一のクリスマスツリー
— いいな (@iina_kobe) December 3, 2017
grassfield @5Lh3p さんの情報によると、ヒノキアスナロのなかのスズアテという種類らしいです。
氷見で掘り起こす前の画像入りツイートをRTされてましたが、地面付近の根元が鳥足のように浮き上がっていたのでクサアテ消去。幹が捻れてないのでマアテ消去。全体の枝のフォルムや樹皮の様子でスズアテ確定となります。もっともカナアテは地元でも幻です。
— grassfield (@5Lh3p) December 9, 2017
なぜ、ヒノキアスナロをアスナロとヒノキの交雑種だといったのかの私の見解
まあそうですね。
ところで論文を検索していたところ、ヒノキと、アスナロやヒノキアスナロでは染色体の形態が異なるという報告がありました。そのことからヒノキアスナロはアスナロの変種ではないかと思います。— Novlude (@novlude) December 9, 2017
その、変種ってのがミソなんですよ。植物って、どうやって変種ができると思いますか? https://t.co/iMi2sGSHC6
— いいな (@iina_kobe) December 9, 2017
専門ではないですが、変異が蓄積し、固定されることによってではないでしょうか。
変異は塩基レベルでの突然変異、乗り換えや倍数化などの染色体変異、ウイルス等による遺伝子導入などがあると思います。 https://t.co/UJxRQFIxCb— Novlude (@novlude) December 9, 2017
その場合、その変異が蓄積された個体が、その他の個体を差し置いて、ガンガン増えないと、種として固定しないんですよね。
もっとも簡単な変異の蓄積が、交雑なわけです。球果の形を見るに、ヒノキとアスナロの中間の球果がヒノキアスナロ。これは、森林植物園の人もそう言ってました。 https://t.co/CDQsNIfFSF— いいな (@iina_kobe) December 9, 2017
正直なところ僕はデータの見方もあやしいのでリンクを貼っておきます。詳しい人教えてください。https://t.co/v9joGvBfu9https://t.co/f7FH7vrURp https://t.co/xSxL9xDkv1
— Novlude (@novlude) December 9, 2017
日本語なのですぐわかりました、おそらく、アスナロの染色体の一部に、ヒノキ(もしくは杉?)の染色体の一部が入り(これはウイルスによるものかもしれない)、球果の形と寒耐性が変化し、寒さ耐性のないアスナロに代わり、北方にも進出できるようになったものがヒノキアスナロとして固定された。と。 https://t.co/aPuMcAM9zR
— いいな (@iina_kobe) December 9, 2017
あと、染色体の形態ってのは、二次狭窄の部分が、アスナロとヒノキアスナロでは似ている。ってことですね。理解しました。 https://t.co/aPuMcAM9zR
— いいな (@iina_kobe) December 9, 2017
アスナロとヒノキアスナロの核型は同じで、ヒノキはそれらとは異なるようですが、交雑による場合は核型はヘテロになったり折衷的になるのでは…と思ったのですがF2以降ではそういうわけでもないですね。交雑説ありうると思います。すみません。 https://t.co/hbN7kxrCmD pic.twitter.com/2V11QYbMSI
— Novlude (@novlude) December 9, 2017
そうすると、一般に表記されている、認識されている『亜種』という分類は適当ではなくなりますか?
— 樹木医みずほ (@mizuhoTreeDr) December 9, 2017
おそらく別種じゃないですかね。。。交雑するならまだ亜種かもですが。。。 https://t.co/ijDktJS7mi
— いいな (@iina_kobe) December 9, 2017
元々神戸市民が望んだものでもないので、その後どうなるのか、追う気持も起こらないです。ただ早く、あの木がクリスマスツリーとしての役割を終えてほしいのと、氷見市の人が悲しまないようにという、それだけですかね。
— bambuq (@beast8230) December 20, 2017
理路整然と記しても、読む力や捉え方も様々なのが現実です。しかし、彼らの言動に、疑問や怒りや苦しみや悲しみを感じた人たちが木の周りに集まったことも事実です。集団暴徒化することなく、事実確認や問題点の確認を大切にしながら。
— 猫山奈央 (@nekoyamanao) December 20, 2017
参考文献:
ヒノキ科樹木の核形態学的研究
ヒノキ科樹木の染色体に関する研究(XI)-ヒノキアスナロの核型についてー
関連エントリ
世界一のクリスマスツリーがヤバい
世界一のクリスマスツリーprojectについていろいろ聞いてきた
なんの罪もないアスナロの樹のためにできる事を考えよう。
世界一のクリスマスツリープロジェクトの時系列年表
糸井重里 × 西畠清順 対談トークイベント テーマ:「わぁ、なんて!」文字おこし
当エントリ
コメント
清右衛門
はじめまして。この件に関する丁寧な取材、敬服いたしております。樹木医をしております。ヒノキアスナロは、アスナロの変種(地域的に変化しているもの)で、分類の上で広義では両者は同一です。ただ、ヒノキアスナロは「ヒバ」とか「アオモリヒバ」とか「アテ」と呼んで別物に認知されているので、西畠氏の欺瞞であることには変わりありません。
それからアスナロ(&ヒノキアスナロ)は日本固有属で、ヒノキとはかなり違うので、交雑はしないはずです。単に名前が合いの子なだけなのです(^^;;
iina-kobe
ありがとうございます。植物園さんに直接聞き、交雑種だといわれました。私も生物学を専攻していましたが、ヒノキ科の植物なので、交雑するという認識です。ただし、交雑した年代などは不明です。
092
清右衛門さんの言うとおりヒノキアスナロはヒノキとアスナロの交雑種ではありません。単なる生息域の違いによる変種です。ヒノキ科の植物同士なので交雑するというのであれば、バラとサクラが種間交雑することになりますね。植物園の人が間違っているんです。
iina-kobe
ありがとうございます。ソースをお願いします。
092
http://www.theplantlist.org/tpl1.1/search?q=Thujopsis+dolabrata
↑はPlant Listのリンクですがヒノキアスナロはアスナロの変種と記載されています。どの図鑑を見てもそうです。
また、記事でリンクされている論文中でも染色体レベルでは両種の間に決定的な違いは無いと結論づけていますね。
逆に、ヒノキアスナロがヒノキとアスナロの交雑種というソースはどこでしょうか?全く初耳なもので。
美月綾乃
なんかアスナロとヒノキアスナロの違いがややこしくなってきたような・・・
分類的には同じ、でも木材として考えると別物だし、価値も違う?
何某はそのどちらをもってあの木を「アスナロの木」と言い続けてるのか。そこが不明瞭なので、どうとでも言い逃れできるような・・・。
「分類上は同種のものだからあれは「アスナロ」であってます」で終わる気もする。
なんかもう言葉遊びの世界ですね。
092
ツイの方でおっしゃってることが全く理解できないので質問させてください。
>今現在、別種である証拠のほうが多いので
申し訳ありませんが今までのすべてのやり取りを見ても、2種が別種である証拠は見いだせません。
何を持って別種である証拠としているのかご指摘ください。
>それを違うと否定するなら、文献に書かれているから以外の証拠、例えば交雑種があるってことを証明してください。
博士号をお持ちの科学者様が文献を否定されるとは驚きです。
何百年の日本の植物学の研究の蓄積を冒涜するような発言です。
ちなみにアスナロとヒノキアスナロは同種ですので当然交雑します。
例えばこれ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsc/127/0/127_274/_article/-char/ja/
文献は証拠にならないんでしたっけ?
交雑種の実物を見せろと言うことでしょうか?
それは手元にないので無理です。
林木育種センターあたりならば持っているかもしれませんが、私のような一般人には提供してくれませんね。
科学者のいいなさんなら提供してもらえるかもしれませんね。
誰だって間違いはしますし意地を張るところではないですよ。
ヒノキアスナロがヒノキとアスナロの交雑種であるソースも引き続きお待ちしております。
iina-kobe
こんにちは。今、コメントを見ました。
>何を持って別種である証拠としているのかご指摘ください。
自然交雑しない。という種の定義をもってです。
>博士号をお持ちの科学者様が文献を否定されるとは驚きです。
この文献を見る以前に書いたものです。これについては追記しております。
>文献は証拠にならないんでしたっけ?
こんなことは一度も言っておりません。
>ヒノキアスナロがヒノキとアスナロの交雑種であるソース
某植物園の方が言っておられました。マジですか?って聞いたのですが、そうです。とおっしゃっていました。そしてその後、ヒノキとヒノキアスナロとアスナロの球果の形状から、それを追認しておられました。
また、生息域が違う点、生殖隔離されている点などから、一般的な種の定義から、異種(もしくは人工的に交配させると交配できる亜種)だと考えました。
092
植物園とは○○植物園のことでしょうか?公園緑地協会が管理しているので公園緑地協会の職員と思いますが、学術関係者でしょうか?
論文として形になっていない以上、鵜呑みにするのは危険と思います。
https://i.imgur.com/2dXhVaj.jpg
↑は朝倉書店の図説 実用樹木学からの抜粋です。
球果の形状は中間様を呈するものもあり、決定的な証拠にはなりません。
iina-kobe
鵜呑みになんかしてません。何度も書きますが、種の定義による、「生育地の隔離」及び、「生殖の隔離」、そして、あなたの示した学会発表妙禄の「ヒバとアスナロがそれぞれ単系統に分かれること」により判断しております。
092
植物園の名前はNGワードだったのですね失礼しました。
アスナロとヒノキアスナロが分布が重複する箇所においては、
交雑が発生している可能性が示唆されたとあるので、生殖的隔離が起こっているとは考えにくいですね。
自分で研究しているわけではないので、経過報告を待つ他ありませんが。
また、ヒノキ(ヒノキ属)とアスナロ(アスナロ属)は別属別種ですので中間雑種がヒノキアスナロと言うのはありえません。
ヒノキとサワラ(ヒノキ属)ですら交雑しませんよ。
iina-kobe
>可能性が示唆されたとあるので、生殖的隔離が起こっているとは考えにくいですね。
これはなぜですか?可能性の問題であって、いくらでもその他の理由はあると思いますが。
また、亜種においても交雑可能ですし、変種なのでしたらなおのことほぼすべての木々において交雑が認められると思います。
ごく一部の交雑なのでしたら、むしろ変種とは言えない可能性のほうが高いのではないでしょうか。
>ヒノキ(ヒノキ属)とアスナロ(アスナロ属)は別属別種ですので
これは、遺伝子解析の結果得られた情報でしょうか?もしそうであるならば、ソースをいただけますでしょうか?
092
地理的隔離が起こっている2つ集団においては分布が重複する場所でしか遺伝子の交流は起こらないでしょう。植物は動物のように移動することが出来ないので。
そして、分布が重複する場所では遺伝子の交流がおそらく起こっている。この状況から生殖隔離は起こっていないと判断します。
話題にしている論文でもヒノキアスナロはアスナロの変種として扱っていますが、別種とする論文をご提示していただけますか?
見たことがないので。
また、ヒノキとアスナロはAPG体系において別属です。
http://www.alpine-plants-jp.com/botanical_name/APG3_Family_Genus_2.html
説明不要と思いますがAPG体系はゲノム解析による被子植物の分類体系です。
iina-kobe
しつこいようですが、貴方の博士号の種類を教えてください。
そうでなければ、議論にもならないし、私にも貴方にもなんの知識ももたらしません。。。
>地理的隔離が起こっている2つ集団においては分布が重複する場所でしか遺伝子の交流は起こらないでしょう。
そもそも、なぜ地理的隔離が起こったのか?から考えてみてはいかがでしょうか?
092
おはようございます。
私の学位については昨日↓で回答したとおりです。
改めまして、アスナロとヒノキアスナロを別種として扱っている文献をご提示できますでしょうか。
もしかしてご自身で執筆中の論文ですか?
だとしたら世に出るまで事実として扱うのは問題があると思いますが。
ヒノキとアスナロが別属であることはご納得いただけましたでしょうか?
その上でお尋ねしますが、ヒノキアスナロはヒノキとアスナロの交雑種ですか?
iina-kobe
おはようございます。
昨日のコメント、見落としておりました。
修士さんですね。
私の学位は博士(理学)で、専門は分子遺伝学とか逆遺伝学とか発生生物学などのいわゆるバイオ系です。
>アスナロとヒノキアスナロを別種として扱っている文献をご提示できますでしょうか。
ないので、私も探しています。
>ヒノキとアスナロが別属であることはご納得いただけましたでしょうか?
元々知っております。
>その上でお尋ねしますが、ヒノキアスナロはヒノキとアスナロの交雑種ですか?
それはわかりません。
そもそも、ヒノキアスナロとアスナロが出現した時期を私は知りません。
私は、南方型と北方型に分かれた(地理的に隔離された)のはなぜか?が知りたいだけですので。
もし、ご存じであれば教えていただきたいです。
私は、アスナロが寒耐性に関する遺伝子を「どこからかもらってきて」北方へ展開可能になったのではないか?と推測しておりますので、ヒノキの寒耐性遺伝子を獲得したのではないか?(獲得のしかたは様々な方法がある)と考えているだけです。
その一番の方法が交雑による遺伝子の一部獲得ではないかと推測しているわけです。
もちろん、ウイルスによる獲得なども考えられるでしょう。
092
ご回答ありがとうございます。
まだ可能性の段階ということですね。
アスナロとヒノキアスナロを別種と同定できればそれこそ大発見と思いますので、研究の進捗を心待ちにしております。
長々とありがとうございました。
iina-kobe
あ、私は研究してませんので。あしからず。
092
私をプラントハンターのサポーターか何かと勘違いされているのかもしれませんが、それは誤解です。
植物を愛するものとして、こういった植物を食い物にする詐欺師は大嫌いです。
ですが、誤った情報が拡散されるのはもっと嫌いです。
iina-kobe
はい。私も、誤った情報が拡散されることは嫌いです。
092
返信はいただけていませんが、記事が更新されていますね。
クレードが異なるので別種であるということでしょうか?
クレードが違うというのは祖先が異なり系統が違うということですから、別種であることの証左にはなりません。
http://www.fgtb.jp/pdf/2013/4m/FGTB_V2N2_commentary2.pdf
↑はブナの例ですが日本のブナだけを取っても3つのクレードに分かれます。
アスナロの例は見つかりませんでした。あまり研究対象になってこなかった木なので、論文が少ないんです。今後の研究に期待しましょう。
重ね重ねお尋ねしますが、ヒノキアスナロがヒノキとアスナロの交雑種で、アスナロとは別種であるというソースはどこでしょうか?私でも探していますが全く見つからないので。
あまりしつこいのも嫌なので、これで返信いただけなければ諦めます。
iina-kobe
記事を更新したのは、昨日の夜ですので、あなたのコメント以前のものです。
その学会発表の妙禄には、(1)ヒバとアスナロがそれぞれ単系統に分かれること と書かれております。
それぞれが単系統っていうことは、別種であることを示唆しているというのがごく普通の見解だと思われます。
そして、ヒノキアスナロとアスナロでは、受粉時期が異なるかも?という見解もありますので、生殖的にも隔離されている可能性があります。(これはまだ未検証です。)
誤解を招くといけませんので、あなたの学位を教えていただけますでしょうか?
092
系統地理学でのクレードの違いは異なる祖先をもつというだけです。ここではヒノキアスナロとアスナロがそれぞれ別々に集団を形成してきたというだけです。
急に学位の話が出てきて困惑しているのですが、私は修士です。専攻は森林生態学、分子生態学でした。上のブナのレビューは私の恩師が書いたものです。
いいなさんは博士号をお持ちとのことですが専攻はなんでしたでしょうか?