PCR検査の感度や精度は30~50%や70%だというデマの出所の論文を読んでみた
2020-03-12
追記2020.3.28
感度(=真陽性数/(真陽性数+偽陰性数))
と
特異度(=真陰性数/(真陰性数+偽陽性数))
と
陽性的中率(式略。上記二項目+母集団の有病率で表される)
を混同してませんか?みたいなコメントがたくさん来るのですが、まったく混同しておりませんので、悪しからず。
日本におけるPCRの精度が悪いのは、RNAが壊れているからだというのは、その運搬状況や保存状況からみても明らかです。
PCRの感度についての一般人の見解
孫正義さんが
新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備。#コロナ検査有志
とツイートしました。
Contents
これに対して、PCRの感度って50%くらいだから、検査やっても無意味!っていう人が続々と現れてきました。
日本では自宅待機できる人は少ない。簡易検査キットでは擬陽性が半分近く出るので、1万人押しかけたら指定医療機関はパンク。 https://t.co/coPWE6asVI
— 池田信夫 (@ikedanob) March 11, 2020
そもそも、PCRは、DNAがあれば100%かかってくるし、なければ100%かかってこないという性質のものなので、感度50%っていうのは、デマです。
PCR検査の感度が低いっていうデマは致命傷のデマやと思うぞ。
歴史に残るデマやわ。
犬の毛や遺体からすらも検出できとるわけやしなぁ。— いいな (@iina_kobe) March 10, 2020
PCR検査の感度や精度は30~50%や70%だと信じてやまない人たちがいるのはなぜ?
それでも、PCR検査の感度や精度は30~50%や70%だと信じてやまない人たちがいる(特に医者)ので、不思議に思い、そのデマの出所を探っていたところ、フォロワさんから一つのサイトを教えてもらいました。
新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの? 感染管理の専門家に聞きました
ざっと検索してみて一番影響あったものはこれっぽいですね。https://t.co/zRy2kRjC1Z
— かおす。@幻影ナイツ (@kaosu2525) March 11, 2020
このサイト、私の「いいなライブ」でも取り上げてたサイトでした。。。めっちゃ灯台下暗し。。。
ここで答えているのは、なんと、ただの修士さん。。。実験の経験もないでしょう。。。
この中に、
検査の精度はどれぐらいなの?という質問があり、
修士さんは、こう答えております。
検査の有用性を評価する指標に、「感度」「特異度」「的中率」があります。
感度とは、その検査が、陽性の人を正しく陽性と判定できる確率です。
新型コロナウイルスによる感染症 (COVID-19)を引き起こすウイルスである「SARS-CoV-2」のPCR検査の感度は、30~50%や70%だという報告がありますが、いずれにしても100%ではありません。
言っちゃってますね、この人。そして、その根拠となった論文も紹介されております。
なので、本当に、PCR検査の感度は、30~50%や70%だという報告なのかどうか?を検証します。
一本目のPCR検査の感度は30~50%だと報告しているらしい論文
タイトルは、
Inactivating porcine coronavirus before nuclei acid isolation with the temperature higher than 56 oC damages its genome integrity seriously
nuclei acid ではなく、nucleic acid なんですが、論文のタイトルを間違うとは。。。
まあ、そこは置いといて、日本語で直訳すると、
56°Cを超える温度で核酸(RNA)を単離する前にブタコロナウイルスを不活性化すると、そのゲノムの完全性が著しく損なわれる
というものです。
この論文の目的は、
RTPCRはウイルスがいるかどうかを調べるのに非常に有効な手段で、普通ならほとんど完璧にRNAを増幅できるんだけど、中国のとある研究室のやり方でやってみたら、なんでか30~50%の感度しか出ないのよね。だから、なんでそうなるのか理由を探ってみたよ!
です。
で、この中国の研究室のやり方を見てみると、ウイルスを不活性化させるために56°Cを超える温度でRNAを温めちゃってました。
だから、RNAを温めるとどうなるのか?を実験してます。
温めた結果、
56℃で30分放置すると、元のRNAの量が50.11%になっちゃった!
92℃で5分放置すると、元のRNAの量が3.36%になっちゃった!
ということがわかりました。
この論文の結論としては、
そりゃ、この壊れたRNAを元にRTPCRしたら、PCRの感度は30-50%になるよ!
メソッドの変更をお勧めするよ!!!!
です。
it is highly recommended to carry out systematic investigation on the impact of high temperature inactivation on the integrity of 2019-nCoV nucleic acids and develop a sample preservation solution to protect the detectable templates of 2019-nCoVnucleic acids from high temperature inactivation damage.
グーグル翻訳↓
2019-nCoVgenomeの完全性に対する高温不活性化の影響について体系的な調査を実施し、2019-nCoV核酸の検出可能なテンプレートを高温不活性化損傷から保護するためのサンプル保存ソリューションを開発することを強くお勧めします。
なので、この論文の結論は、やり方変えたほうがいいぜ?であって、決して、PCRの感度が30-50%である。というものではありません!!!
いや、しかし、この論文、以前どっかで見たような。。。
と思ったら、新型コロナウイルスに関するPCR検査のあれこれを書いてみたで書いてました。。。
今回の感染研のプロトコルではないのですが、
February 22, 2020
Inactivating porcine coronavirus before nuclei acid isolation with the temperature higher than 56 °C damages its genome integrity seriously
では、なんでか検体採取後のRNAを56℃や92℃にして、わざわざRNAを壊しちゃっているようです。
なんでこんなことをしているのかわかりません。
わかる人がいたら教えてください。新型コロナウイルスPCR検査のpositive rateが現状30-50%と低めな原因として、PCR前の加熱処理がウイルスの安定性に大きな影響を与えているとの研究がBioRxivにて発表。標準の保存液では56度30分間の加熱では約50%、92度5分間では約3%まで低下。試料保存液の改善が必要と提案。https://t.co/mfbWwlUXmM
— HattoriM@家にいましょう (@HattoriM) February 23, 2020
基本的に、検体の中にはRNAを壊すRNaseという非常に厄介なものがあります。
このRNaseはなかなかしぶとく、どんどんRNAを壊していきます。
RNaseがいる中で56℃とか92℃にしちゃうと、当然ながらRNaseがもりもり働くので、RNAはどんどんなくなっていきます。
常識ですね。。。
ってわけで、一本目の論文は、PCRの感度が30-50%ってものじゃないです。
二本目のPCR検査の感度は70%だと報告しているらしい論文
二本目は、
Sensitivity of Chest CT for COVID-19: Comparison to RT-PCR
タイトルを翻訳すると、
COVID-19の胸部CTの感度:RT-PCRとの比較
です。
この論文の目的は、胸部CTとRTPCRの感度の比較です。
本来、確定診断を下すには、RTPCRが必要です。
なぜなら、CTだけでは、本当にウイルスがいるのかどうかを判断できないからです。
RTPCRは、ウイルスのゲノムを増やしてくるため、いたら100%わかります。
ウイルスがいなければ、RTPCRは100%かかってきません。
RTPCRでコロナウイルスに感染していると確定した時、胸部CTとの関連はどうなっているのだろうか?を調べるために行った実験です。
どんな実験をしたかというと、胸部CTおよびRTPCR検査をした51人の患者を集め、日数経過ごとにRTPCR陽性と胸部CTスキャンでの所見とがどのように変化していくかを見るというものです。
結果、
初日のRTPCRは、51人中36人が陽性。15人が陰性。陽性率71%。
1~2日後のRTPCRでは、51人中48人が陽性。3人が陰性。陽性率94%。
2~5日後のRTPCRでは、51人中50人が陽性。1人が陰性。陽性率98%。
7日後のRTPCRでは、51人中51人全員が陽性。陽性率100%。
というものでした。
胸部CTでは、51人中50人が異常なCTになってました。一人は異常じゃなかったようです。98%が異常。
この実験の結果、
初日の胸部CTの感度は98%で、RT-PCRの感度(71%)よりも大きいことがわかりました。(それぞれ98%対71%、p <.001)
RTPCRの初日の効率が悪かった原因としては、
1)核酸検出技術の未熟な開発、
2)異なるメーカーの検出率のばらつき。
3)患者のウイルス量が少ない。
4)不適切な臨床サンプリング。
などがあると思う。
※以前のレポートと比較して、サンプルのRT-PCR検出率が比較的低い理由は不明です。
とのことです。
この論文の結論は、
RT-PCR検査が陰性である場合でも、後々陽性になる可能性があるから、胸部CTの併用使用をお勧めします。
です。
この論文では、初日のRTPCRでは51人中36人しか陽性がでず、陽性率は71%だった。としか言っておらず、最終的なPCRの感度は100%です。
なので、この論文も、PCR検査の感度が70%だと報告している論文ではありませんでした。。
感染者のウイルス量がインフルエンザの100分の1~1000分の1?
新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの? 感染管理の専門家に聞きましたの記事に戻ります。
この記事には、
新型コロナウイルス は、感染者のウイルス量がインフルエンザの100分の1~1000分の1と言われており、そもそも検出されにくいと考えられています。
また、のどから採取した検体より、鼻から採取した検体の方がウイルス量が多く、検出率が高くなることが考えられているのですが、この方法が必ずしも用いられるとは限りません。
とか言っちゃってますが、普通は、鼻と喉のサンプルxスペシフィックプライマー2セットx2チューブ=6検体ほどをRTPCRするので、ウイルスが10粒子もいればかかってきます。
かかってこないのは、下手くそがやった場合のみです。
PCRの特性を考慮したら、偽陰性は「検体採取が不適切」「保存中に壊れちゃた」「そもそも少なすぎた」で「PCRチューブ(プレートかもしれんけど)にウイルスRNAがたどり着かない」だろうし、偽陽性は「感染成立していないのにウイルスがそこにいた」とかそこらへんだろうねえ。
— Tarabagani (@tarabagani) March 11, 2020
よって、
ーーまとめると、せっかく検査をしても、あまり精度は高くないから、その結果を100%信じるわけにはいかない検査ということになりますね。
すべての感染例を拾うことには限界がある検査です。また、陽性の結果が得られても、そもそも日本国内の有病率(事前確率)が低いので、陽性的中率は低いと考えられます。
もデマです。
もし、RTPCRの感度がそんなに低いのであれば、今現在の日本で行われているRTPCRのほとんどが怪しい状態となり、とてもじゃないけど疫学的な調査などはできません。
現在、陽性の人はきちんと90%以上の確率で陽性と判断されております。
医者は、インフルなどの簡易キットの感度とPCRの感度を混同してるよ。インフルなどの簡易キットはそりゃ感度低いし、1人一回しかしないから偽陽性も偽陰性もでるよ。でもPCR検査は1人につき最低6サンプルは解析し、しかもPCRのプライマー特異度は100%なんだよ。混同したらあかん。
— いいな (@iina_kobe) March 10, 2020
なお、よくお医者さんが引用するこの図ですが、PCRの感度には全く使えません。
よくお医者さんはこれ出すけど、抗体検査とかの感度と特異度と、PCRからのシーケンスで確定の感度と特異度の違いを理解しているのかなぁ?と。
RTPCRは、有ればかかってくるから、有病率が0.01でも陽性的中率90%以上なんやけどなぁ。キットとかと混同しとるんちゃうか? pic.twitter.com/dTMVjFoU8o— いいな (@iina_kobe) March 10, 2020
以上、簡単に解説してみました。
20203.12追記
各国のRTPCRの感度について
RTPCRの感度はほぼ100%なんですが、検体の採取法やRNAの抽出法が違うと、取れてくるRNAの量が異なるので、RTPCRで検出されたりされなかったりする事案が発生します。
中国
各国のコロナウイルス検査によると、上記の中国のprotocolでは、中国国内で入手可能なキットでは陽性症例の30〜50%しか検出されないとのことです。
だから、PCR検査やめちゃって、CTに頼っちゃったのかもしれませんね。。。
まあ、それだと確定診断ができないので、陽性者が出ないってことになるんですけどね。
韓国
韓国のRTPCRの感度ですが、ソウル医療センターの医師であるホン・キホ氏曰く、「99%で世界最高」らしいです。
まあ、99%は言い過ぎかもですが、90%以上の感度はありそうです。
日本
日本のRNA抽出のprotocolは、新型コロナウイルスの病原体検出マニュアルをチェックしてみたでも書きましたが、無駄が多い為、結構RNAをロスしていると思われます。
まあ、現在実際に使用されているRNA抽出法がどんなものかは公開されていないのですが、積極的疫学調査ができるレベルであるとすると、90%以上の感度はあると考えられます。
50%の感度で疫学調査なんてできませんから。。。
アメリカ
アメリカは、急速な新型コロナウイルスの蔓延に怯えて、RTPCRの試薬の認可を急ぎました。
その結果、一つの試薬(ネガコン)に不備が見つかりました。
なので、RTPCRの始まりが遅かったのです。
CDC Tests for COVID-19
現在はちゃんと使えるようにしているはずです。
三本目のPCR検査の感度は30-60%だと報告しているらしい論文
このエントリを書く前に、医学生を名乗る人とのやり取りをTwitterでしてました。
彼が言うには、会員登録が必要な医学系の人しかし見れないサイトメディカルトリビューンで、こんな記事が掲載されているというのです。
ちなみに、これ、規約違反なので、彼は消してますけどね。。。
ちなみに、PCからキャッシュを使用すると誰でも見れます。
新型コロナ診断にはRT-PCRよりCTが有用 RT-PCRの感度の低さは感染拡大リスクに
これを元に彼は、
RT-PCRは感度が低い!
と言っているわけですね。
元の論文は、Correlation of Chest CT and RT-PCR Testing in Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in China: A Report of 1014 Cases ですね。
https://t.co/eSsXWKzVJJ
論文で言えばこれみたいですね。— May Easton (@81q4uMY9febe0Tz) March 11, 2020
この論文については、このエントリを書く前にすでに読んでまして、この論文も他の論文と同様、RTPCRの感度が60%なんて言っていませんでした。
この論文には、1014人の患者のうち、最初の検査では59%(601/1014)がRT-PCR陽性で、88%(888/1014)の人が胸部CTスキャンで肺炎っぽい画像が見られた。と書いてあります。
そして、RT-PCR陽性の新型コロナウイルス感染確定の601人のうち、580人が肺炎っぽい画像でしたので、胸部CTの感度は、陽性RT-PCR結果に基づいて97%(95%CI、95-98%、580/601患者)でした。 と書いてます。
要するに、
この1014人のうちの888人が肺炎になっており、最初の検査では59%が、新型コロナウイルスに感染していることが確認された。
ということをいっております。
まとめると、
888人(全体の88%)のうち、601人(59%)が新型コロナウイルスの感染で起こった肺炎。
残りの287人(28%)は、新型コロナウイルス以外での肺炎
ということになります。
Results Of 1014 patients, 59% (601/1014) had positive RT-PCR results, and 88% (888/1014) had positive chest CT scans.
ググル翻訳↓
1014人の患者のうち、59%(601/1014)がRT-PCR陽性であり、88%(888/1014)が胸部CTスキャンで陽性でした。
てなわけで、これもRTPCRの感度の話ではありませんし、
そもそも、このサイトにすら、
しかし、検体採取と検査施設への輸送能力の限界、検査キットの精度の問題から、咽頭スワブ検体の初回RT-PCR検査における陽性率は約30~60%にとどまる。
と、検体採取と検査施設への輸送能力の限界、検査キットの精度の問題からって書いてるんですよね。
ちなみに、これも武漢の検査結果ですから、一つ目の論文と同じ手法(RNAの量を3%~51%くらいに減らしてるやり方)で検体採取をしているやつです。
要するに、一本目で紹介した論文と同じやつなんですよね。。。
私のフォロワーのお医者さんも、きちんと論文を読んでないようで、
咽頭スワブ検体の初回RT-PCR検査における陽性率は約30~60%にとどまる。
という文言だけを見て、RTPCR=感度が低い!と結論付けているようでした。
Correlation of Chest CT and RT-PCR Testing in Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in China: A Report of 1014 Cases | Radiology https://t.co/kFFbVMNv5A
ぼちぼち中国からデータが出始めてるようですね。
— Calci (@Calcijp) March 12, 2020
ていうか、お医者さんの多くはこのメディカルトリビューン見てるので、騙されちゃってる可能性がありますね。。。
なんで元のソース論文を見ないんでしょうか。。。
完全に読めてないみたいや。。。CTとRTPCRの両方を受けた人に対して、RTPCRでコロナかどうかをチェックしたら、59% (601/1014) が陽性でした。ってだけ。つまり、残りの41%はコロナじゃない普通の肺炎って事やwww
— いいな (@iina_kobe) March 11, 2020
↑数字ミスってるから恥ずかしい。。。
コメント
はるか
村中璃子さんが空気感染しないと仰っていますが、あれはデマなのですか。彼女は子宮頸がんワクチンにおいては正論を仰っており信用していたのですが…。彼女は信用してはいけないのでしょうか。
iina-kobe
空気感染はしないと言われていますが、空気感染とほとんど同じようなエアロゾル感染はします。電車とかでは空調などにより半径5mほどは拡散されます。
はるか
たびたび申し訳ありません。
身内が塾をしているのですが、その本社から手の消毒として次亜塩素酸を50%の希釈したものが配送されたのですが、大丈夫でしょうか。次亜塩素酸って漂白剤ですよね。肌に悪いと思うのですが。いいなさん教えて頂きたいです。
iina-kobe
次亜塩素酸ですか?次亜塩素酸ナトリウムですか?次亜塩素酸ナトリウムなら、0.05%に薄めて、50%のものなら1000倍に薄めて使用してください。
次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)
はるか
返信ありがとうございます。
次亜塩素酸と書いてあります。それを50%希釈してあるようです。どちらにしても手の消毒には使えませんよね。
take
やっぱり客船やライブハウスなど暖房の空気循環でウイルス吸い込むのがやばかったんですね。
och
感度100%でも検査陽性時100%感染していることにはなりません。
もし検査陽性なら時ほぼ100%コロナかかっているっていう議論に落とし込みたいなら、感度じゃなくて特異度見ないと意味なくないですか?もちろん感度も検査後確率には関わりますが。
例えば、コロナ有病率1/100000(オッズ比1/99999)とすると、感度100%特異度99%の検査をしても陽性尤度比100なので、陽性的中率は約0.1%ですよね?
↑感度が高くても有病率の低い集団には検査価値が低い理由はコレです。
その辺の人に検査して陽性が出ても99.9%はコロナじゃないので労力と医療資源の無駄ということになります。
仮に有病率1/100000、感度100%特異度100%だとしても、10万人無作為にやって初めて1人見つかる検査を保険診療でやるのは非常にもったいなくないですか?
ただでさえ現状の様に有用性の高そうな人に絞り込んでPCRしても陽性率1/20なのに。
結局のところPCR検査は、かかってそうな人(感冒症状有りの人、肺炎患者、濃厚接触者)にコロナの確定診断をしたい場合にやるのが適切ではないですかね。
これが医師の方が再三仰っている『医師の判断に基づいて検査の必要性を判断する』ということなんですが。
iina-kobe
10万人無作為にやって初めて1人見つかる検査を保険診療でやるのは非常にもったいなくないですか?
↑
誰がそんなこと言っているんですか?
私は、医者が必要だと認めた人および、濃厚接触者、病院に薬を貰いに行かないといけないのに医者にうつしたら迷惑だし。。。とか考えている人への専用のコロナ外来での検査を推奨しているだけでして、数万人を保険でとかいうバカな考えは一度も言った事がありません。
あと、精度もほぼ90%以上あります。
検査キットとPCRは違うんですよ。根本的に。
ニトリエフェクト
今朝のヤフートップのPCR検査、なぜ受けられない?という記事でまたこのデマが拡散されてました・・・
なんとかできないんでしょうか
iina-kobe
著名人がきちんと発言しないと無理でしょうね。。。
jk
私も医科学博士としてiina-kobeさんと全く同じ意見です。
結局、今日のこの記事も「坂本修士」個人と私見を正論化してますね。
本当、だれか早く直さないと・・・山中先生とか・・・
疑問君
PCR検査だと、昔から日本に土着していたコロナウィルスも検出してしまうという話を聞きました。新型コロナウイルスと、普通のコロナウィルスのRNAが、そもそも似ているからだそうです。この2つのRNAの差を正確に検出しているのでしょうか?通常のコロナウィルスの遺伝子が増幅されているだけではないのでしょうか・・・・。
iina-kobe
きちんと新型のみに対応しております。
疑問君
ご返信ありがとうございます!
PCRを研究していた事が大学の教授(東大医学部の出身)の方が、
感度が高いけど、特異性に弱い・・・という意見があるようです。
https://youtu.be/OYk6nXAa1nM?t=462
いいな様のブログは非常に有益な情報が多く、
非常に勉強させて頂いているのですが、、
どちらが本当なのか分かりません…。
日本の死者数は100人位という事で、かなり少ないので、、
ちょっと騒ぎすぎのように感じています。
iina-kobe
特異度も高いです。ただし、感染研の作ったプライマーをチェックしてみると、おそらく素人が作っているようで、特異度はそれほど高くありませんでした。
素人
いきなりすみません。
ちょっと本文と関係ない質問なのかもしれませんが
コロナ検査キットの記事でときどき精度○○%と書いてるものがありますけど
この精度というのは何を指しているかご存知でしょうか。
https://internetcom.jp/205791/bosch-covid-19
>精度は95%以上
https://news.livedoor.com/article/detail/18119195/
>90%の精度
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200401-00000003-nna_kyodo-asia
>95%以上の精度
ちなみに島津製作所のプレスリリースとキヤノン・長崎大のキットの記事では精度ではなく「陽性一致率・陰性一致率」となっています。
https://www.shimadzu.co.jp/news/press/zfdyn69049lnnr8r.html
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33666.html
iina-kobe
上2つはPCRなので、きちんとポジコン、ネガコンが判定できる確率でしょう。
3つ目は、抗体キットなので、その製品のバラツキなどの精度でしょう。
最後のは、「感染研が出してる基準との比較」です。陽性を陽性と判断できる条件を満たしている。という意味です。
素人
ご返答ありがとうございます。
何で日本のキットは精度ではなく一致率で出しているのでしょうね…
iina-kobe
感染研の指示でそうさせているからです。
高校数学
偽陽性も偽陰性も10%ほど発生しうるということでしょうか
孫正義氏の簡易PCR検査(キット)でも精度は変わらないのでしょうか
iina-kobe
原理的には偽陽性も偽陰性も発生しません。が、検査をする人の技量によって変わってくると思います。
孫氏の簡易PCRキットの内容がわからないので何とも言えません。
こてい
PCRは原理的に言うと偽陽性は0%ですが、ウイルスがそこにいたのに感染が成立しなかった、人数は無視できるほど少ないものでしょうか?
iina-kobe
「感染」とは、ウイルスがそこに存在することではなく、生体内に侵入し、増殖する状態になった場合のことを言います。
PCRは原理的に、感染が成立していなくても、「ウイルスゲノム(活性のあるウイルスのことではない)」があるかないか?を見分ける手段です。
猫ネズミ
何かこの人情熱大陸で肯定的にとりあげられてるのは何かの思惑があるんですかね
https://www.mbs.jp/jounetsu/2020/04_19.shtml
iina-kobe
思惑があるかどうかは知りませんが、情熱大陸はお金積んだり、時の人であれば誰でも出演できますので。。。
佐藤裕
私は医療系ではなく社会科学の研究者(なので統計はある程度わかる)ですが、PCR検査をめぐる議論はなんかおかしいと思っていろいろ見ているうちにこのサイトに行き着きました。やっぱりそうですよね、という感じです。
そこで、もうひとつ気になっていることを質問させていただきます。
ここでも誰かがコメントで書いているように、有病率が低ければ陽性的中率が下がるという主張がありますが、これって、(実質的な)特異度が有病率に影響を受けないという前提の上での主張だと思うのですが、その前提は間違っていませんか。
PCR検査の性質上、擬陽性が出てしまうのは、どこからかウイルスが混入してしまうからでしか無いと思うのですが、それは有病率(市中感染率)に影響を受けるんじゃないですか。つまり、有病率が低ければ(擬陽性が出にくくなるので)特異度は上がる。そのため、有病率が低くても、陽性的中率は(それほどは/まったく?)下がらない、ということだと思います。この考え方、あってますか?
なんというか、そもそも「感染している」ことの定義ってなんだろうと考えると、それは
特定のウイルスが存在するかどうか、ということなので、それを直接確認するPCR検査が事実上「感染者」を定義することになるはずです。なのに、感度が70%って、何に対する70%なんだろうと、ずっと疑問に思っていました。もっと正確な検査があって、それと比較すると70%だってことではないはずですよね。この説明を見ると、それは結局最終的なPCR検査結果に対するパーセンテージだということですね。つまり感度を測る基準もやはりPCR検査。そりゃそうでしょ、と納得しました。
iina-kobe
>(実質的な)特異度が有病率に影響を受けないという前提の上での主張
その通りです。
特異度は、プライマー(プローブを使用するものであればプローブも)の配列で決まります。
>擬陽性が出てしまうのは、どこからかウイルスが混入してしまうからでしか無いと思うのですが、それは有病率(市中感染率)に影響を受けるんじゃないですか。
PCRの際には必ずポジティブコントロールを置きますので、そこからのコンタミなどが影響しているんだと思います。
どれだけ市中感染率が高くても、PCRで扱う試薬にはコンタミは許されません。
もし、コンタミしている場合は、ネガティブコントロールも陽性となりますのですぐにわかります。
PCRに詳しくない人はそもそもポジコンとネガコンの置き方がまずかったりします。
市中の有病率はほぼ関係ないと思います。
>「感染している」ことの定義
正確には、感染の定義は、ウイルスなどが生体内(細胞内)に侵入し、増殖した状態のことを言います。
ウイルスがただそこにいる状態、もしくは不活性のウイルスがいた場合は感染とは言いません。
PCRは、「ウイルスのゲノムがあるかないか?」を調べるものなので、感染したかどうか?はわかりません。
体内で増えたと思われる量のウイルスのゲノムがPCRによって検出された場合、たとえ無症状でも感染していると思われます。
佐藤裕
素早いリプライをありがとうございます。
特異度については分かりました。ちょっと言葉の意味を誤解していたようです。これはあくまでも検査の性質を表すものであって、検体の汚染などは考慮していないのですね。
感染の定義についてですが、なるほど厳密に言えばそういうことになるのですね。でも、感度とか特異度の計算においては、ウイルスが不活性かどうかとかは考慮してないですよね? つまり、ウイルスがいるんだけど不活性な人が多いので、PCR検査の特異度は小さい、なんてことはないですよね。
ちょっとややこしいことを書いてしまいましたが、要するに、(感染初期においての)PCR検査の感度を測定する場合も、その基準になるのはやはり(最終的な)PCR検査なのだ、という点は合っているのか、確認をお願いしたいのです。
iina-kobe
>ウイルスがいるんだけど不活性な人が多いので、PCR検査の特異度は小さい、なんてことはないですよね。
はい。特異度はあくまでも、ウイルスゲノムの配列に対応するプライマー(プローブがあればプローブも)によるものですので、プライマーによって異なりますが、同じプライマーを使う限りは常に一定です。
>(感染初期においての)PCR検査の感度を測定する場合も、その基準になるのはやはり(最終的な)PCR検査なのだ、という点は合っているのか
初期でも後期でも、PCRはウイルスゲノムがあるかないか?でのみ判断されます。
実際に行われているRTPCR検査の精度が70%だっていうのは、「検体の採取とRNAの抽出とその取扱いの精度」に依存します。
下手くそが採取して、そもそもウイルスをぬぐえていなければたとえ感染していてもPCR結果は陰性と出ます。
下手くそがRNA抽出をしてRNAが壊れていたら、例えウイルスをきちんと採取できていても、PCR結果は陰性と出ます。
RNAを取り扱う際には、髪の毛を触らない。眼鏡をくいっと上げない。息をできるだけ止める。しゃべらない。息は横に吐く。などなど、様々なtipsが必要なのです。
そもそも、精度70%なんていう検査を世界各地でやるわけないです。
韓国の最近の例では、6000件RTPCRを行い、8件が陽性だったようです。つまり、8/6000です。
RTPCR自体はきちんとRNA抽出まで行われていればそれぐらいの精度です。
ph
PCR検査の感度・特異度・陽性的中率について、大変勉強になりました。
PCRの感度が、原理的にはほぼ100%ということで安心しました。
教えていただきたいのですが、「検査の精度(感度・特異度)」という言葉には、検体採取者の技量(きちんと検体を取れるか)や、検査者の技量(適切に検体を処理できるか)の要素が含まれるのでしょうか。
そうであるとすると、日本が「感度70%」と言っているのは、「検体の取り方や検体の処理が下手」と言っていることになるのでしょうか。
もしそうだとすると、日本はどのようにPCR検査体制を改善すべきでしょうか。
適切なプロトコルに変えたり、人的ミスの内容に自動化したりすることは考えられると思いますが。
iina-kobe
http://iina-kobe.com/entry157/
こちらに書いてます。
詩稀
ここでコメントをさせていただくことでは無いかもしれませんが、時間の無さを言い訳にして何人かのエキスパートオピニオンを拾う形で情報収集をしていました。
元となる研究論文を読み進めることを全くしていなかったことを恥じ入るばかりです。
非常にわかり易く、丁寧に解説していただきありがとうございました。
hun
研究室内のほぼ理想的な環境下で完結する基礎研究におけるPCRと、様々な交絡因子が影響する医療現場におけるPCRを混同しておられませんか。
理想に近い環境ではPCRの感度・特異度はともに理論通りほぼ100%になりますが、実際の医療においては、特異度はともかくとして感度はどうしても低くなってしまいます。
臨床医学において、標的のウイルスに対するPCR検査の感度を下げる要因は主に2つあり、検体採取・保管・運搬の手技上の問題と、採取部位のウイルス量の問題です。
手技上の問題については認識しておられるようですが、より重要なのは採取部位のウイルス量だと思います。
COVID-19肺炎に限った話ではありませんが、患者側の状態(感染が成立した部位、発症からの時期、重症度、免疫異常の有無など)により、検体採取部位のウイルス量は容易に変化し得ると考えられています。
ウイルス量が少なければ、当然PCR検査で偽陰性となる可能性が高くなります。
COVID-19肺炎の病態から考えて最もウイルス量が多いと推測される部位は末梢気管支~肺胞ですが、実際に気管支肺胞洗浄液を検体としたPCR検査でも15例中1例は陰性だったとの報告があります(Pubmedで”Detection of SARS-CoV-2 in Different Types of Clinical Specimens”を検索して下さい)。
現在PCR用の検体を採取する部位として推奨されているのは鼻咽頭ですが、ここは採取はしやすいものの末梢気管支よりもウイルス量が少ない(と推測されている)ため、当然気管支肺胞洗浄液を使った場合よりも感度が低くなると考えられます。
複数の論文をまとめた報告も出ていますが、鼻咽頭ぬぐい液を検体としたPCR検査の感度が70%を大きく超えることはないようです(同”Overview of COVID-19 Testing and Implications for Otolaryngologists”)。
そのため、日本ではPCR検査前にある程度の絞り込みを行って検査対象者を限定し、PCR検査で陰性だった患者には必ず複数回行うことで感度の低さを補っています。
このように、理論上の数値と実際に測定された数値が大きく乖離することは臨床の現場では日常茶飯事であり、その乖離がなぜ生じるのかを論じることが重要です。
iina-kobe
その論文は2020年1月ごろの、「RNAを壊さずに抽出できていなかった武漢のプロトコル」でやられたものですね。
現在では、RNAが壊れていたために検出できていなかったことが明らかとなっております。
感染研のプロトコルではきちんと検体採取も検出も90%以上の精度でなされております。
あいんす
失礼ながら、今が90%であろうと95%であろうと本質的な所は変わりません。
貴方が理論値と実測値を故意に(故意にですよね?)混同させるような理論展開をして、実測値を元にした発言をデマ呼ばわりした事実は変わりません。
理論値と実測値の違いに気が付かなかったというなら仕方ありませんが、いずれにせよデマ呼ばわりした方々に謝罪した方が良いのではないでしょうか?
「現在のプロトコルなら90%の精度だから」などと逃げを打つのではなく。
真摯かつ分別のある振る舞いを期待します。
iina-kobe
残念ながら実際には精度は90%以上なのですよ。
もし仮に精度が70%なら、もうそんな検査は使い物にならないのです。
現実にはたくさんの国で使用されており、精度も十分に保たれております。
きちんと勉強なされたほうが良いです。
新型コロナウイルスのRTPCR検査の感度と特異度と精度の違いを簡単に説明してみた
hun
「90%以上の精度」とは、感度のことでしょうか?
精度というあいまいな定義の言葉を使うのではなく、感度や特異度、陽性的中率などの学問的な用語を使用していただけると助かります。
「感染研のプロトコルでは~」という話の根拠となる報告や、90%以上の感度を示した報告もご教示願えませんか。
また、前回書き忘れたことが二点ありますので追記します。
まず、感染や発症からの時間経過によるウイルス量の変化について考慮しておられないように思います。
日本疫学会のサイト(https://jeaweb.jp/covid/qa/index.html)に引用されていたいくつかの論文(査読前含む)を読む限り、鼻腔や咽頭のウイルス量が最も多くなると推定されるタイミング(発症当日前後)で検体を採取しても、PCRの感度は90%程度に留まるようです。
臨床の場では最適なタイミングで検体を採取できるとは限りませんので、必然的に実際に検査を行った時の感度はそれより低くなります。
もう一点、本文中で触れられている”Sensitivity of Chest CT for COVID-19: Comparison to RT-PCR”という論文の解説において、「感度」という用語の意味を誤解しておられませんか。
最終的に「この論文では、初日の~陽性率は71%だった。~最終的なPCRの感度は100%です。」と述べておられますが、臨床医学において使用される「感度」という用語は、「1回の検査」で示される数値です。
従って、この論文におけるPCR検査の感度は、36/51(71%)、12/15(80%)、2/3(67%)、1/1(100%)となります。
当然、nが少ない程測定誤差が大きくなりますから、上記の数字で最も信頼性が高いのは36/51(71%)となります。
一方、CTは初回の検査で50/51(98%)で異常所見を認めており、統計学的にも感度に関してはCTが優位であることを示した論文になります。
iina-kobe
>「90%以上の精度」とは、感度のことでしょうか?
ブログをきちんとお読みになってから書き込んでください。
貴方への返答は新型コロナウイルスのRTPCR検査の感度と特異度と精度の違いを簡単に説明してみたに書いてます。
>「感染研のプロトコルでは~」という話の根拠となる報告や、90%以上の感度を示した報告もご教示願えませんか。
これくらい自分で調べたら出てきますよ。。。
ここです。
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200318.pdf
あと、この記事も熟読ください。
RTPCRをしたことのない人の勘違いについて書いてみた
hun
https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200318.pdf
↑こちらは、異なるキット・検体処理方法間における検査結果の一致率を評価したものであって、PCR検査の感度そのものを調べたものではありませんよ。
他の方もおっしゃっていますが、臨床におけるPCR検査の感度(実測値)を規定する最も重要な要素は「感染者から採取した検体の中に検出限界以上のウイルス量が含まれているかどうか」です。
ご自身でもよくご確認ください。
他の点については、誤読しないよう熟読してからまた回答いたします。
iina-kobe
きちんと読んでからコメントしてください。
でないと、スパム扱いしますよ。。。
新型コロナウイルスのRTPCR検査の感度と特異度と精度の違いを簡単に説明してみた
hun
反論に対してスパム扱いするのは、仮にも科学に携わるものとして恥ずべきことではないでしょうか。
「新型コロナウイルスのRTPCR検査の感度と特異度と精度の違いを簡単に説明してみた」を読んでみました。
研究室におけるPCR検査のやり方にはお詳しいようですが、やはり「臨床検体」を用いた検査について知識が不足しておられるようです。
検体採取を行う医師や検体を扱う技師の熟練度については言及しておられますが、そもそも検体採取を行う部位のウイルス量が少なければ、たとえ本当の感染者に対して熟練の医師が検体採取を行ったとしても、偽陰性は免れません。
素人の方は、感染者の感染部位には常に多量のウイルスがいて容易に採取できると誤解されていることが多いですが、臨床においては理屈通りにいかないことが多々あります。
もう少し医療現場や臨床医学についての理解を深められてはいかがでしょうか。
また、上で挙げられた感染研の資料について解説しますと、これは「検体内に一定量のウイルスが含まれているか否か判明している検体(陽性検体と陰性検体)」を対象として、複数の検査キットでPCR検査を行い、その陽性・陰性一致率(正答率といった方が分かりやすいでしょうか)を比較したものです。
つまり、これは「検査キットの感度・特異度」を調べたものであって、「検体採取~cDNA増幅」という検査全体の感度・特異度を調べたものではありません。
繰り返しになりますが、臨床検体を用いたPCR検査の感度は「検体採取」の段階に大きく依存しますので、検査キットの感度が100%であっても、PCR検査の感度が100%にはなり得ません。
なお、コンタミがない限り特異度がほぼ100%であるという点については、私も異論はありません。
iina-kobe
>反論に対してスパム扱いするのは、仮にも科学に携わるものとして恥ずべきことではないでしょうか。
貴方の書き込みは科学的根拠に基づかないものですので、スパムだと申しております。
>そもそも検体採取を行う部位のウイルス量が少なければ、たとえ本当の感染者に対して熟練の医師が検体採取を行ったとしても、偽陰性は免れません。
すでに論文で、どの時期にどの部位にどれくらいのウイルス量があるのかは出ておりますのでそれをふまえてやれば問題ないです。
>もう少し医療現場や臨床医学についての理解を深められてはいかがでしょうか。
それは貴方にそのままお返しします。
すでに、この論文https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.05.20053355v2では、鼻腔からの検体によるRTPCR検査の陽性割合が発症日で94.39%となっております。
RTPCR検査自体の精度が90%以下であるならば、このような数字は出てこないのですよ。
もう少し精度と検査による検出率の違いについても勉強されたほうが良いかと。
ここにもあなたの陥っている勘違いについて書いております。RTPCRをしたことのない人の勘違いについて書いてみた
iina-kobe
>COVID-19肺炎の病態から考えて最もウイルス量が多いと推測される部位は末梢気管支〜肺胞ですが
間違っておりますよ。新型コロナウイルスはSARSとは異なり、鼻にもたくさん見られることがすでに論文で報告されております。
きちんと知見を整理してから絡んできてください。
参照新型コロナウイルスの感染のしくみとお薬などについて書いてみた
あいんす
この記事こそが印象操作の類であると思えます。
PCR検査そのものは100%の精度がある。それはそうでしょう。
ただそれは検体にウイルスが十分含まれていれば100%検出出来ると言っているだけです。
問題はそこでは無いのです。
「正しい手技で行ったとしても喉や鼻から取った検体には検出可能なほどのウイルスが含まれていない可能性がある」
「一度のPCR検査で陰性と判定された患者が数日後に陽性になることがある」
それらから推定される実際の感度が70%程度であるということなのです。
「理論的には100%」これには何の意味もありません。
成功する状況で行えた実験は100%成功すると言っているのと同じです。
現実世界では成功する状況に持っていけるかの不確定性を含めて「成功率」と言うのです。
失礼ながら、現場を知らない人間が陥る典型的な過ちに陥っているように思えてなりません。
iina-kobe
残念ながら、現場でもRTPCRの精度はかなり高いものなのです。
知らないのはあなたが不勉強であることの証左でもあります。
https://europepmc.org/article/med/27243209