新型コロナウイルスの感染のしくみとお薬などについて書いてみた

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新型コロナウイルスの感染のしくみとお薬などについて書いてみた

2020-03-31

新型コロナウイルスにより、志村けんさんがお亡くなりになりました。
著名人が亡くなったことにより、たくさんの人が新型コロナウイルスの怖さを自分の事としてとらえたと思います。
今回は、新型コロナウイルスが、どのように感染していくのか?と、いま話題となっているお薬がどうやってウイルスに効果を発揮するのか?などについて書いてみたいと思います。

新型コロナウイルスの感染の仕組み

感染経路

新型コロナウイルスは接触感染をします。
手にウイルスがついた状態で目や鼻などを触ると感染してしまいます。
これらを接触感染と言います。
新型コロナウイルスはエアロゾル感染もします。
エアロゾルとは、くしゃみなどによって生じた水滴がめっちゃ小さくなったものです。
例えると、雨が水滴。霧がエアロゾルです。
感染者がくしゃみをすると、ウイルスを含んだエアロゾルは数時間(三時間くらい)は空気中を漂い、それを吸い込んだ人に感染していきます。

ウイルスが目に入った場合は、結膜炎を引き起こします。
口や鼻から入ったウイルスは鼻の奥で増えたり、喉の奥で増えていきます。

ウイルスは、自分の分身を増やすために、ヒトの細胞を使います。
なので、ヒトの細胞の中に入り込む必要があります。

新型コロナウイルスの細胞への侵入の仕方

新型コロナウイルスは、ACE2受容体と、CD147を介して細胞に侵入することがわかっております。
侵入方法は、

新型コロナウイルスがACE2受容体にくっつく

TMPRSS2という酵素が新型コロナウイルス表面のスパイクを刺激し、細胞内へ侵入させる

ウイルスのゲノムが細胞の中に入る

というものです。

サーズ(SARS)と新型コロナウイルスの違いはスパイクの構造

サーズも新型コロナウイルスと同じACE2受容体を介して細胞内に侵入します。
ACE2受容体は、鼻やのどにはあんまりありませんので、サーズは鼻や喉ではほとんど増えません
しかし、新型コロナウイルスは、鼻や喉でたくさん増えることが報告されています。
なぜ新型コロナウイルスは鼻や喉の奥でも増えるのでしょう?
その理由は、スパイクの違いにあるようです。
新型コロナウイルスのスパイクと本体の間には曲がる部位があって、それがあるからサーズと違ってかなりACE2受容体にくっつきやすいのではないか?言われています

サーズウイルスは喉や鼻ではほとんど増えないため、鼻の奥や喉の粘液をとってもウイルスはほとんど見つかりませんが、新型コロナウイルスは、喉や鼻の奥でもたくさん増えれるのです。

肺への侵入

新型コロナウイルスは喉の奥や鼻の奥で増えます。

ACE2受容体は、「舌」にも大量にあることがわかっていますので、新型コロナウイルスに感染すると、味覚が無くなることがあります。

鼻や喉で新型コロナウイルスは増えるので、当然風邪のような症状が出ます。

健康な人ならば、鼻や喉で増えるだけなので、無症状、もしくは風邪の症状で終わります。

しかし、喘息を持っている人や、タバコを吸っている人は違います。
ACE2受容体は、「刺激」によってどんどん出現してきます。
もともとタバコや喘息などで炎症があったら、そこにはACE2受容体がたくさん出てきています。
せき込んだりすると、その刺激で肺にもACE2受容体が発現してきます。
せき込んで、たまたま新型コロナウイルスが肺に入り、そこにACE2受容体があると、ウイルスはそこでも増えてしまいます。
これが肺炎を引き起こします。

鼻や喉でウイルスが増える → 健康な人はここで終わる。

咳き込んだ時にウイルスが肺に侵入する。

肺のACE2受容体を介してウイルスが肺の細胞に感染し増殖

肺炎

元々、ACE2受容体は血圧を下げる効果があるアンジオテンシンっていうものとくっつきます。
なので、新型コロナウイルスがACE2受容体にくっついてしまうと、血圧を下げにくくなっちゃいます。
なので、高血圧の人は、血圧を下げれずに死んじゃうこともあります
だから、高血圧の人も要注意です。

新型コロナウイルスの薬は?

現在、新型コロナウイルスの薬がたくさん調べられています。
そのどれもが、新型コロナウイルスが感染しないようにするためのものです。
安倍総理は、たくさんの薬の効果をチェックしていると言っていました。

ナファモスタット(フサン)

ナファモスタットは、ウイルスが侵入する際に使用するTMPRSS2を使えなくするお薬です。

ナファモスタットにより、TMPRSS2が抑えられると、ウイルスのスパイクを刺激できないので、ウイルスが感染しにくくなる。というものですね。

このお薬は、感染させないためのものなので、感染しちゃったあとでは使えません

PCR検査で早期発見できた人が、肺に感染しないように!とかいうときに使えます。

ヒドロキシクロロキン

ヒドロキシクロロキンは、マラリアや全身性エリテマトーデスという病気のお薬です。
全身性エリテマトーデスっていうのは、自分の体の中にあるたんぱく質やDNAやRNAを異物だ!と認識して攻撃しちゃう、いわゆる膠原病の一種です。
自分の体の中にあるDNAを異物だ!って抗体が認識し、攻撃しちゃうので自分の中の抗体をできるだけ抑制する必要があります。
この役割を持つお薬が、ヒドロキシクロロキンです。
作用としては、TLR(トールライク受容体)の機能を邪魔して、抗体を作らせないようにしよう!っていうものです。

新型コロナウイルスがどんどん増殖すると、ヒトの細胞をどんどん壊していってしまいます。
人の壊れた細胞は自分の力で処理する必要があります。
その時に、自分自身を攻撃して排除するという仕組みが使用されます。
これにより、サイトカインストーム、いわゆる、免疫暴走が起きるわけです。
これを抑えるのが、免疫抑制剤であるヒドロキシクロロキンです。
なので、

このお薬は、ウイルスがどんどん体の中の細胞を壊しちゃってるときに、抗体を刺激しないようにするため、感染の後期に使用するものです。

もし、感染してすぐにこのお薬を使っちゃったら、ウイルスに対する抗体ができない状態となり、むしろ症状は悪化すると考えられます。

20200401追記 この記事を書いた後、こんなニュースが出ました。
「深刻な副作用も」 新型コロナ、期待の治療法に警告 仏薬事監視当局

アビガン(ファビピラビル)

新型コロナウイルスが細胞に感染すると、細胞の中にウイルスのゲノムであるRNAを放出します。
そして、そのRNAを鋳型として、自分の複製をたくさん作り、増えていきます。

アビガンは、RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤です。
具体的には、新型コロナウイルスが自分を複製するときに使用される塩基によく似たものを間違って使わせて、ゲノムを使えなくしちゃうというものです。
アビガンは、塩基に似た物質そのものです。

このお薬は、ウイルスの増殖を抑えるためのものですので、感染の初期に投与したほうが効果があります。
重症化した人への投与はあまり意味がないかもしれません。

また、この薬はRNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤ですので、ヒトの体の中のRNA依存性RNAポリメラーゼを使用する作用機序をも阻害してしまう可能性があります。
ヒトのRNA依存性RNAポリメラーゼは2009年に見つかったばかりで、かなり重要な免疫系の機能や寿命をつかさどっていることが示唆されていますので、副作用がかなり心配な薬です。
なお、動物実験において、妊娠時の使用における胎児の奇形や死産なども報告されておりますので、妊婦さんなどへの投与はできません

レムデシビル

レムデシビルはアビガンと同様、RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤です。
新型コロナウイルスのRNAポリメラーゼは、間違っている情報を書き込んでいないかどうか?をチェックする活性(エキソヌクレアーゼ活性)をもってます。
レムデシビルは、新型コロナウイルスが自分を複製するときに使用されるアデニンという塩基によく似ているもので、RNAポリメラーゼが複製情報のチェックをするときに、あれ?間違ってんの?あってんの?って、混乱させちゃうものです。
最終的に、ウイルスRNAの複製が止まっちゃう、もしくはレムデシビルが入った間違った情報のRNAになっちゃうことにより、ウイルスの複製ができないようにするものです。

このお薬は、ウイルスの増殖を抑えるためのものですので、感染の初期に投与したほうが効果があります。
重症化した人への投与はあまり意味がないかもしれません。

また、この薬はアビガン同様RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤ですので、ヒトの体の中のRNA依存性RNAポリメラーゼを使用する作用機序をも阻害してしまう可能性があります。
肝臓を破壊してしまうかも?っていう情報もあるので、使うときは注意です。

カレトラ(ロピナビル、リトナビル)

カレトラはロピナビルとリトナビルという二つの成分が入ってるお薬で、HIVのお薬です。
作用としてはプロテアーゼの阻害をします。
新型コロナウイルスのRNAは、ヒトの細胞内に入ると、ウイルスを複製するために使う部品がたくさんつながったタンパク質を作ります。
そして、その部品のつながったタンパク質は、プロテアーゼによって切断されます
カレトラは、プロテアーゼを邪魔することによって、ウイルスの部品のつながったタンパク質を切れなくさせ、部品を作れなくしてしまう薬です。
なので、最終的にはウイルスが複製できなくなります。

このお薬は、ウイルスの増殖を抑えるためのものですので、感染の初期に投与したほうが効果があります。
重症化した人への投与はあまり意味がないかもしれません。

HIVウイルスに対するお薬ですので、新型コロナウイルスにも効果があるかどうか?は試験をする必要があります。
副作用としては、食欲不振とか下痢、肝機能数値の悪化とかがあります。

オルベスコ(シクレソニド)

シクレソニドは、吸入ステロイド気管支喘息治療薬です。
喘息の治療薬の中で、なぜか、このシクレソニドだけが効果があると言われています。

新型コロナウイルスには、ステロイドはあまり使用しないほうがよいといわれていますが、長年使われてきたこの薬は、お医者さん安心して使えると思いますが、何故効くのか?はわかっておりません。
ほんとうに効くかどうかは、たくさんの人に試してみないとわかりません。
使うなら、感染の初期、肺炎の初期が望ましいと思います。

抗体

中国では、新型コロナウイルスの罹患から回復した人の血から採った抗体を治療薬として使い、効果を上げたとの報告もあります。
日本では武田薬品さんがこれを作ろうとしていますが、この抗体が一番効率がいいと思います。
まあ、日本の場合は、使用できるまでに数年かかっちゃうので、今すぐには使用できません。

DNAワクチン

ウイルスのスパイク部分の遺伝子を少し細工して人間の体の中に入れることで、人工的に人間の体の中でウイルスタンパク質を作り出し、それに対する抗体を作ろう。っていう最新の技術があります。
これはDNA抗体と言われております。
DNAワクチンのメリットは、生ワクチンなどを作る必要性がなく、どんな未知のウイルスに対しても、ゲノムが解読できさえすれば実施可能な点です。
こういう技術を非常事態にバンバン出せるような国になるといいですね。


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コメント


  1. 中村

    素人でも、分かりやすく、これからの対処方法にも役立つと思います。
    シェアさせて下さい。

    Reply



  2. Kumi

    このタイミングでの学校再開についてどう思われますか?
    来週から子供たちは新学期で登校し始めます。
    地方の田舎に住んでいるので感染者は身近にはおりませんが、老父母との同居や田舎の脆弱な医療機関など、一度火がついたら取り返しのつかない事になるのではないかと不安です。
    お肉券や布マスク配布…もう、政府も公的機関も信用できません。

    Reply



    • iina-kobe

      このタイミングでの登校再開は馬鹿だと思いますよ。世界恐慌になるのに、日本だけおかしな事をしていると思います。

      Reply



      • Kumi

        ありがとうございます。
        いいなさんのコメントで安心できました。
        家族の命は、自らで守ろうと思います。

        Reply



  3. あお

    ただの素人ですが、ブログを読ませて頂いて色々疑問だった部分が腑に落ちた気がします。陽性=入院だったので、PCR検査は無闇にできないというのは間違ってないかと思っています。やっと検査できる段階に来たのかと。
    無症状者からの感染の可能性って低い(ゼロに近い)でしょうか。

    Reply



    • iina-kobe

      無症状の人からも普通に感染します。だから怖いんです。

      Reply



      • あお

        ありがとうございます。それなら怖いですね、、医療従事者の方も国民1人1人の協力もみんなで乗り越えたいですね。

        Reply



  4. まな

    平易なことばで図示も多く、とても勉強になります。ありがとうございます。

    Reply


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