史上最大の巨木輸送による世界一のクリスマスツリープロジェクトに完全密着!!  情熱大陸 文字おこし

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史上最大の巨木輸送による世界一のクリスマスツリープロジェクトに完全密着!!  情熱大陸 文字おこし

史上最大の巨木輸送による世界一のクリスマスツリープロジェクトに完全密着!!
情熱大陸
2017年12月17日(日)23:25~番組20年記念!
を、文字おこししました。

このエントリは、「世界一のクリスマスツリー @bekobe150」 さんの文字おこしを基にしております。感謝!!!

ナレ=ナレーション、窪田等氏
葉加瀬=葉加瀬太郎氏
西畠=プラントハンター 西畠清順 氏

東京にて

(葉加瀬太郎さん)のドキュメンタリーから始まる

ナレ:「今日、12月17日、東京で葉加瀬太郎がコンサートを終えたのは午後5時だった。このまますぐに出るのか?休む間もなくその足で向かったのは、神戸。今夜は、もう一つ大切な演奏が控えていた」

葉加瀬:「お疲れっす。」

ナレ:「披露するのはあのエトピリカ

葉加瀬:「まあ、このエトピリカは情熱大陸という番組のおかげで育って行った。やっぱり逆にいうと情熱大陸という番組のおかげで育って行ったのかしらね、僕の手元、親元も離れて、極寒の神戸港で・・・。楽しみですよ、とても。うん」

ナレ:「放送開始から20年。情熱大陸は、葉加瀬がつくったテーマ曲とともに歴史を重ねてきた」

新神戸駅到着

葉加瀬:「寒いですねえ」
車に乗ってメリケンパークのBE KOBE のモニュメント横に到着。

ナレ:「そこに待っていたのは、とびきりの光景だ。」
メリケンパークのヒノキアスナロのツリーが映る

葉加瀬:「わ~、すごい。」

メリケンパーク空撮
ナレ:「高さ30メートルを超える巨大なクリスマスツリー。会場の一角にツリーの仕掛け人がいた。富山県氷見市からこの巨木を運び込んだ男、西畠清順。」
西畠氏がヒノキアスナロの木の肌を触っているところが映る。

ナレ:「カメラは、夢の実現にかける男の姿を見届けた。職業、プラントハンター。その情熱がここにある。富山から神戸までの大輸送。男は、なぜとてつもない困難に挑み、世界最大級のクリスマスツリーのために奔走したのか」

画面が切り替わり、メリケンパークからの生放送へ。ナレーションの窪田等さんの後ろ姿が映る。背景にはクリスマスツリー。

ナレ:「今夜の情熱大陸は、特別アレンジのテーマとともに幕をあける」

葉加瀬太郎氏がクリスマスツリーの前で「情熱大陸」の特別アレンジを演奏。(ちゃちゃちゃーちゃーちゃー ちゃちゃちゃらっちゃっちゃっちゃ~)
葉加瀬太郎さんのバックには神戸市民交響楽団、神大、関学、甲南の交響楽団の皆さん

CM

海外にて

イエメンで活動をしているプラントハンター西畠氏の映像
ナレ:「風雪に耐え年輪を重ねてきた樹木のたたずまいは時に人の人生を感じさせる。遠くはるかな昔から私たちの暮らしは木々や草花に支えられてきた。けれどその恩恵に思いを向ける機会がどれだけあるだろう。人と植物、その仲立ちをするのがプラントハンター、西畠清順の仕事だ。」

西畠:「俺こいつばり大好きやねん」
植物を指差し、植物に抱きつく様子が映る

ナレ:「少年のような風貌。」

西畠:「(植物を撫でながら)最高!」

急斜面の崖を命綱なしで横歩きしていく映像

現地の人:「Wait! wait!」(まて、待て)

西畠:「This is nothing for me.」(こんなん平気やって)

現地の人:「No, no! Crazy! It’s not good, you know?」(あかんあかん、よくない、わかるやろ?)

西畠:「It’s all right. Easy.」(大丈夫やって、平気)

ナレ:「かつてプラントハンターとは、辺境に赴き貴重な薬草や香木などを探し当てて持ち帰ってくる命懸けの職業だった。

カメラは西畠氏が登っている崖の下を写す。下まで50mくらいの断崖
スタッフ:「怖え・・・」

ナレ:「この時、西畠はイエメンの崖に取りつき絶滅危惧種を採取。」

西畠氏、絶滅危惧種をハサミで切断
ナレ:「現代のプラントハンターは希少植物をなんとか守りたいという、現地からの依頼にも応えている。」

画面が黄色い花が咲いている場所へ切り替わる
西畠:「あぁでもハイビスカスみたいな、アオイ科や・・・アオイ科の植物みたいな。」

ナレ:「およそあらゆる植物を偏愛する男。」

黄色い花が気に入った様子でiPhoneのカメラで撮影する様子映る
西畠:「Very nice. Wow. This is wow!」

シャッター音
西畠:「わ~これすごいわ。」

ナレ:「樹木のバックグラウンドにも詳しい。」

インド菩提樹がある農園のようなところの映像
西畠:「インド菩提樹の斑入りや。きれいやなあ。仏教の三代聖木の一つなんです、インド菩提樹。」
スタッフ:「へえ~ そうなんですか。」
西畠:「無憂樹と沙羅双樹とインド菩提樹。それの斑入り。」

画面が切り替わり、オリーブの古木がたくさんある映像。以前に情熱大陸に彼が出演した時の映像?
ナレ:「人が見向きもしなかった古木に新たな価値を与えたことがあった。」

一本の大きなオリーブの樹を見て
西畠:「決まり!アハハハ決まり。」

枝と根をザクザク切っている様子
ナレ:「小豆島から依頼を受け、スペインで買い付けたのは老いさらばえたオリーブの木。この地ではあまり生かす道がないという。西畠は長旅にも耐えるよう適切な処置を施した。一見すると荒療治だが植物のことは知り尽くしている」

西畠:「木、見つけてそれをちゃんと生かしてあげてなんぼやからね。生理的なことを熟知してないといわゆるハンティングというのはできないです。」

オリーブが運ばれていく映像
ナレ:「スペインのオリーブは、今遠く離れた日本に根づき、輝きを取り戻した。」

大阪にて

大阪府池田の現在の拠点の映像

ナレ:「現在の拠点は大阪。実家は150年続く植物の卸業だった。(いいな注:なぜか過去形)彼の農場では内外から集めた3000種類余りの植物が育てられている。プラントハンターとして15年。ここでしか手に入らないものも多いそうだ。

様々な植物、オリーブの大木がたくさんある農場の様子の映像
ナレ:「行政機関の緑化事業や、海外から舞い込む森林再生の依頼など、その仕事は幅広い。数年前、西畠は荒唐無稽な夢を描いた。「めざせ!世界一のクリスマスツリープロジェクト」。植物の偉大さを訴えること。」

2014年1月、富山県氷見市にて

2014年1月、富山県氷見市での映像(提供:そら植物園)
西畠:「お~なるほど!」

西畠氏が作業着を来た氷見の方(おそらく荒井さん)と握手
ナレ:「各地で巨大な樹木を探していた3年前、富山県氷見市から絶好の1本があると連絡が入った。高さおよそ30mのあすなろ(いいな注:本当はヒノキアスナロ)。樹齢は推定で150年を超えるという。

氷見市空撮
ナレ:「森林が市内の6割を占める氷見市は古くから林業に力を入れて来た。多くの巨木が材木として出荷されている。市を通じて森林組合が勧めてくれたのがあすなろの巨木だった。世界一のクリスマスツリー、破天荒なプランが、にわかに現実味を帯びてきた」

西畠:「木を運ぶことでどんだけメッセージ伝えれるかっていうのをずーっとテーマにしてやってるんですけど、どんだけその、土の香りとか木の感触とか、で、自分たちの木陰を作ってくれている木の種類とか、そういうのが少しわかるような有機的な人が増えて。なんか、それが心を豊かになるということやと思うんですよね。で、これを目立つところに植えて、人の心に強~烈に、あの~、植物を植え付けたい」。

2016年5月、富山県氷見市にて

2016年5月の神事の映像。提供:そら植物園
ナレ:「西畠は動き出した。根元ごと運ぶには最低でも1年前から準備しなければならないからだ。」

神主さんがお祓いをしている映像
ナレ:「安全を祈願する神事にはあすなろの持ち主も加わってくれた。」
持ち主の方が恭しくお祈り

木の下でブルドーザーなどで作業をしている
ナレ:「木を運ぶ時、大元の木から生えている根を切っておくと新しい根が伸びて元気になる。根回しという言葉はそこに由来していた。」

根を切る映像
ナレ:「切って運ぶ方がはるかにたやすいが、それはポリシーに反する。樹木の健康を少しでも長く保つのが西畠流。木に対する向き合い方にも驚かされた。自ら幹にしがみつきてっぺんを目指し始める。」

命綱なしで木に登る映像。西畠氏のヘルメットにカメラが装着されていたようで、木の細かい枝の映像が映る
ナレ:「足場の枝は雨に濡れ、滑りやすくなっていた。」

ちょうど木が二股に分かれているあたりに差し掛かる
ナレ:「けれど、こうしてじかに触れないと健康状態も確かめられない。」

西畠氏が素手で命綱なしでどんどん木に登っていく。映像はヘルメットにつけたカメラの映像
ナレ:「幹は次第に細くなっていくが、それでも上へ。」

クレーンから撮影された西畠氏が木に登っている映像
ナレ:「まるで取り憑かれたようだった。植物に寄せる、一途な思い。」

木に登りながら
西畠:「これ以上行くと(枝が)3cmぐらいになるから。」

空撮のあすなろの木の映像
ナレ:「風格を備えた巨木には、いずれ長旅をしてもらうことになる。西畠なりに心を尽くす必要もあったのだろう。」

木の枝に立っている映像
西畠:「やっぱり、どっかで身体がビビってんねやろ。なんかもう、汗がすごい。うわ、これ折れたら掴んでるやつ折れたら死ぬっていう感じがいいっすよね。」

スタッフ:「それがいいんだ???」

西畠:「気持ちいい。」

神戸にて

海側から六甲山方面への神戸の映像
ナレ:「根気強い交渉を重ね、クリスマスツリーの設置先は神戸市と決まった。」

神戸市役所内の会議室で行われた実行委員会の映像
※神戸市経済観光局 観光MICE部 部長の安岡氏、Arigato-Chanの坂野氏など、実行委員会メンバーが映る。

西畠:「場所をお借りするためにずーっと協議を進めて、半年以上。進めてきたんですけど、大切なことは木を届けるということだなあっていうふうなのがあって、まあ、採算とか収支のことは一回ちょっと、計算してたらもう直前までなっちゃうんで、これはもうそんな収支一回置いといて。」

西畠氏が持っている世界一のクリスマスツリープロジェクトのプレゼン資料のようなものが映る。
※「世界一のクリスマスツリープロジェクト」という文字が見えますが、「めざせ」は付いていない)

ナレ:「プロジェクトにかかる多額の費用は無理をしてでも自分がまかなうという。文字通り、損得抜きで取り組んでいた。」

伏木富山港から神戸港へのルート紹介
ナレ:「富山から神戸までは海上輸送でおよそ1000kmの距離。」

メリケンパークの空撮映像
ナレ:「クリスマスツリーは神戸・メリケンパークに立つことになった。だが、30mもの巨木輸送はただ事ではない。」

走る車内の映像

スタッフ:「あと、例えばなんですけど~、(輸送の)警備とかをしっかりやらないといけないって警察から指摘があって。」
西畠:「あ~」
スタッフ:「(木を)動かすときにどこの交差点に(人が)いた方がいいとかも~、交差点のところにいた方がいいとかも。」
西畠:「シュミレーションとかしといた方がええかもしらんなあ。」※シミュレーションとは言ってません。
スタッフ:「やっぱ、先導車?とかも何台もいるんでー」

氷見での交流イベント会場にて

氷見での交流イベント会場
ナレ:「プロジェクトに賛同する氷見市が西畠を招いてイベントを開いてくれた。」

マイクをあごにあてながら

西畠:「まあ、僕は植物が好きで、本当の植物の良さをみんなに伝えたいと思って、日々活動しています。あの、こういう命の大切さ、植物に生かされていることを大切に。そういうのを伝える大事なプロジェクトであるってことを地元のまずみなさん、氷見市の皆さんに知っていただきたいと思ってですね。」

林正之氷見市長:「私共、氷見の市民といたしましても、ぜひ皆さん、応援しようじゃありませんか!ねえ、このプロジェクト!」
拍手起こる

可愛い制服をきた園児たちが出てくる
ナレ:「子供達が披露したのは、あすなろを送り出す地元の人が作ってくれた歌。」

ギターの演奏が始まる。園児たちの歌
子供たち:「ぼくらのまち~から~ おふねにのぉって~ こうべのまち~へと~ およめにいっちゃうよ~ お~きな~ お~きな~」
ナレ:「プロジェクトが成功するか、答えは誰も知らない。」
子供たち:「お~きな~お~きな~ あすなろのき~ ひみのみんなの~」
ナレ:「無我夢中で突っ走る男には、何より嬉しい応援歌だった。」

夜中の氷見にて

夜中の氷見のあすなろ付近の映像
ナレ:「神戸と氷見を頻繁に往復し西畠は幾たびもあすなろと向き合った。あすなろはどこまでも真っ直ぐに伸びる。」

ヒノキアスナロの木の下から、緑や赤の照明が当てられている
ナレ「ほとんど、恋している。」

西畠:「後ろから見ても美人やわ。いや~ほんと、これすごい。絶対みんな触りたいっすよね。」

木に触り、木を抱きしめる
西畠:「こうやってみんなできるようにしたいですね。」

ナレ:「この確かな存在感を一人でも多くの人に伝えたい。」

2017年10月の氷見にて掘り出し

雨の中走っている車内の映像
ナレ:「巨木の掘り出しは10月のことだった。」

車内に女性と子供がいる模様
西畠:「台風が来るまでにやりきってまわなあかん。」
女性:「でも雨降ってきたなぁ。」

作業着をきた人たちの映像
作業員:「おはようございま~す」。
西畠:「おはようございま~す」。
作業員:「台風がねえ、ちょっと大型になってくるから」
別の作業員:「だからもしあれだったら今日倒す可能性が」
作業員:「今日倒そうかって話してるん。」
西畠:「切るのんはね。もちろん・・・」
ナレ:「雨足が強まれば作業にも時間を取られ途中で夜になってしまう。

クレーン車の映像
ナレ:「投入されたのは2台のクレーン車。あすなろの重量は実に24トンもある。」

木とクレーン車2台を用いた解説映像
ナレ:「この日は、幹の中心と根鉢を二つのクレーンでつりあげながら、慎重に掘り出し、一旦横に寝かせる予定だった。」

(氷見市の地図で、木のある場所から港までの道順に線がひかれていく
ナレ:「その後巨木は丁寧に養生を施され、高岡の伏木富山港まで特殊なトレーラーで運ばれる。」

西畠:「じゃあ、みんなで一回集合してやろう。俺ちょっと、怖いねん。うん、だから全員、全員呼んで。」
ナレ:「この場の誰一人、これほどの巨木をまるごとあつかったことがない。寝かせるにしても、どのように?」

作業員:「最終的には木はどう倒すんですか?根っこをこっちなんすか?」
西畠:「いや、今はね~頭からこうやって倒そうか~いう話になってるんやけど~。」
作業員:「一台じゃ無理ですよね~。」
別の作業員:「倒れて木が傷むだけのことや。」
別の作業員:「それを傷まさせんために2台で相吊りしようかっていっとるから~。」
西畠:「あ~、そうかそうか。」
作業員:「だからもし・・」
別の作業員:「一台でやれって言ったらそらわし、やるけどやな~。木が傷まへんっていう保証はでけへん。」
西畠:「だから250トンで上、つまむでしょ~。で、60で下、つまむでしょ~。んで、ちょっとあげるやんか、で、ずらしながら頭やっていったらこっちの方、今あそこに枝がないねやん。」
作業員:「はい。はい。」
西畠:「だから傷まへん、こっちの方が。」
作業員「ほ~。じゃあ、こういう方向で。」
西畠:「もちろん、もちろん。」

雨、そして木の根元の映像
ナレ:「雨が激しさを増す。しかも・・・」
西畠:「風吹いた!はよやらな、風強なってまうわ。」
ナレ:「根鉢の直径は3m近く。巡らせたベルトをクレーンにつなぐ。クレーン2台の呼吸が合わなければ、安定を失って倒れかねない。」

クレーンでつる作業
西畠:「そこからゆっくり、ゆっくり。はい、ゆっくりゆっくり。今、60トンの何トンきいてます?3トン、はい、もうちょいもうちょい。はい、ストップ。危ない危ない。ちょっと1回、やっさん、どけて。ちょっとどけて。それ切るから。ちょちょちょちょ」
ナレ:「バランスを確かめたところで、3方から支えていたワイヤーを切断

パシッ!ロープを切断する音。煙が立つ。

木が山の斜面方向に音を立てながら斜めに倒れていく
西畠:「オーケーオーケー、大丈夫。オーケー。じゃあ、えっと220トン(クレーン)巻き上げよう、巻き上げよう。巻き上げよう・・・。ストップストップ。ちょっとストップ。」
ナレ:「続いて、木を寝かせていく。西畠は慎重な上にも慎重だった。」
西畠:「じゃあ、ゆっくり、旋回、旋回。旋回。60トン(クレーン)伸ばしさげーの伸ばし倒しー、伸ばし倒しー。220トン(クレーン)もついてきてください。60t、伸ばし倒しー、伸ばし倒しー。」
ナレ:「巧みなクレーンのコントロールで徐々に宙に浮き始める24トンの巨木。圧巻だった。」

木が地面すれすれでクレーンにつられている映像
西畠:「220t、いけます~?いける?」
クレーンの人:「もう下ろすしかない」
西畠:「下ろすしかない?」
クレーンの人:「(荷重が)もうオーバーやから」
西畠:「OK、OK、わかった。わかった、わかった。ちょっと待って~。はいはいわかった。OK、OK、これでOKやな」
西畠:「もうこれで限界。60トン、おろして~」
ナレ:「なんとか、夜を待たずに作業を終えることができた。」

夜、車の中でのインタビュー映像
西畠:「とにかく、怖さしかない。怖くて怖くて仕方がないから、でかいと、でかいっていうだけでいっぱいいろんな人が協力、力借りなあかんし、なんか、1個のミスが本当に命取りになったり、おお、大惨事になったり。こんなに、なんかこうリスク感じながらやらなあかんってちょっと想像できてなかったっすね。」
ナレ:「童顔の下で西畠が闘っているプレッシャー。」

室内にてロウソクに火がついた、大きな誕生日ケーキを持った女性の映像
ナレ:「その重みのほどを数日後にかいま見てしまった」
氷見のみなさん:「ハッピーバースデ~ ディアせいじゅ~ん♪」
ナレ:「思いがけず地元の人たちが祝ってくれた誕生日。普段ならきっとくしゃくしゃの笑顔を見せる男が声を殺して泣きだした。」

ナレ:「どれだけの人がプロジェクトに共感し、メッセージを受け止めてくれるのか。スケールが型破りなだけに不安も計り知れない。抑えていた感情があふれ出したのだろう。」

画面が木の映像に変わる。ショベルカーを操作する西畠氏
ナレ:「プラントハンターを支えてきたのはかつての記憶だった。街の中に西畠が咲かせた桜に多くの声が届いた。ありがとう、元気が出た。と。信じているのは植物の力だ。」

CM

2017年11月の氷見にて輸送

横倒しになった木の映像
ナレ:「11月、あすなろの巨木は丁寧に枝をまとめられて旅立ちの時を待っていた。まずは陸路を港へと向かう。この日は輸送業者が集まってルートの確認。」

輸送作業を担当される方々が集まっている
輸送作業者:「実際今、25箇所の障害があります。一つ一つ止まって、おのおのどこに配置をするか、どういう作業をするかという確認を、していきたいと思います。」
ナレ:「山道はカーブが多い。30mほどの巨木を運ぶのは経験豊富な輸送業者にも難題だった。」
輸送作業者:「うん、ここら辺、ここら辺でここにマークしとくんで、チョークで。まぁ、先々導、先導、本体・・・」
西畠:「そやね」
輸送作業者:「で、後ろに貨物車」
西畠:「ってことは出発してからずーっと流れてそこまでは一気に来ちゃう?」
輸送作業者:「そうですね、あの~、確実にがつっと止まるのはそこ。」

氷見市の地図に輸送経路が示されている

ナレ:「ルート上にはいくつかの難所が待ち受けている、中でも運び出して間もなく鋭角に曲がる味川カーブ。この急カーブを果たして巨木は曲がりきれるのだろうか?」


ナレ:「図面上のシミュレーションでは巨木はカーブの内側に大きくはみ出してしまう。市の協力を得て一時的にガードレールを外すことになった。輸送開始は交通量が少ない真夜中だ。」

夜中の映像
ナレ:「当日、あすなろのもとには深夜というのに100人を超える住人たちが集まった。」
西畠:「楽しみやなあ」
情熱大陸スタッフ「いよいよですね~」
西畠:「いよいよやねえ~」
西畠:「えっと、まず作業員の皆さんは必要以上に急ぐことなく安全第一でよろしくお願いします。(氷見の皆さんに向かって)皆さんは無事に行くように、応援を、あの~よろしくお願いします。」
(みなさん、会釈。そして拍手。そらゆめ応援団の旗を持っている。)

ナレ:「午前0時、出発。」
(旗を振って見送る氷見の皆さん映る)
氷見の女性:「これがあのカーブを曲がれるとはねえ。」
ナレ:「巨木を運ぶのは新幹線の車両輸送に使われる特殊なトレーラー。運転席には前後左右の作業員から絶えず情報が飛び込んできた。時速は5キロ以下。」

無線作業員:「ほんだらこれ直線なったら左寄ってくれる?」
無線作業員:「了解」

トレーラーの後輪を覗き込むプロの方の映像
ナレ:「後輪は寄り添って歩く作業員のリモート制御。ベテランドライバーの運転は達者で滑り出しは順調だった。」
作業員:「じゃあバリケード取っちゃいましょう。」
ナレ:「0時53分、最初にして最大の難所、ガードレールの代わりに設置したパイロンが撤去され、トレーラーはあの味川カーブへ。」

ナレ:「巨木を載せた車体は全長40mに迫っている。見守るしかない西畠もぼう然としていた。」
西畠:「うわ~、すっ・・」
ナレ:「わずかでもハンドルさばきを誤ると立ち往生してしまう。」
無線作業員:「オーライ左はオーライ」
ナレ:「トレーラーの先頭が鋭角を描くカーブの頂点にさしかかった。前輪の角度が狂えば後輪のずれは何倍にもなるはずだ。その後輪が側溝を保護する鉄板ギリギリに進む。」
運転手:「右側見とってや~」
ナレ:「直径3m近い根鉢部分。(心臓の音の効果音。ドキドキドキ)絶対に超えてはならない支柱(富山県の文字あり)の20cm手前をなんとかクリアした。」


ナレ:「見下ろす光景はシミュレーションの図面どおり。だが一瞬たりとも気は抜けない。」
運転手:「キレ角度がきつすぎるからよう押さんねんな。」
無線作業員:「了解。ちょっとじわっと行ってみましょうかね。」
無線作業員:「今で30cmぐらいオーライオーライ。」

ナレ:「木の先端が民家の植木をかすめてゆく。」
無線作業員:「あっこれで行きそうですね、ギリギリですわ。このままわーっといっていただいたら。オーライ、オーライ、オーライ、オーライ!このまま左寄せていきますね!」
ナレ:「巨木は無事にカーブを曲がりきった。」

ナレ:「午前1時43分、住宅街に入る手前は道幅が狭まっている。」
作業員:「(周りで見ている氷見の皆さんに向かって)そこもちょっとトレーラー突っ込んできますんで、ここにはいないでください。」

見守る氷見の皆さんが映る
ナレ:「建物を傷つけるわけにはいかない。第2の難所だった。トレーラーは這うように進んだ。枝の膨らみは地上から4m30cmの高さ。運転席をヒリヒリするような緊張感が支配していた。」
無線作業員:「オーライ~、オライ~」

家の屋根とすれすれの枝の映像
ナレ:「左右に膨らんだ根鉢の部分は、民家の壁すれすれだ。」
運転手:「左、左寄せて!左寄せて!もう変わったからセンター変わったから!」
ナレ:「最も狭い道をトレーラーは見事に抜けた。」
西畠:「お見事!いや~ホンマっすねすごいねえ、さすがや。」
ナレ「:新幹線を輸送している熟練たち。チームワークは完璧だった。続く関門は、高速道路の高架下。」

高架下に近づく作業員さん
ナレ:「決してぶつからないように。」
作業員:「じゃあ、行きましょうか~。」

午前2時13分
ナレ:「地上から高架下までは4m80cm。隙間は50cmしかない。作業員が安全を確かめながら高架下を行く。ここもどうにかクリアできた。」
ナレ:「やがてトレーラーは海沿いへ。まるで燐光(りんこう)を放つ生きものだ。真夜中の比美乃江大橋に歓声が上がった。」

西畠氏の顔の描かれた旗を振る住人
住人:「ご苦労さまで~す!お疲れさまで~す!お気を付けて!お疲れさまで~す。」
一同声をそろえて:「そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!」

ナレ:「午前3時3分、南大町交差点通過。3時50分、西條中南交差点通過。午前4時13分、雨晴(あめはらし)トンネルを抜ければゴールの港は目前だった。午前4時39分、最後のカーブを越えて港に入る。伏木富山港到着は午前4時50分。ほぼ予定どおり陸路の輸送は終了。日の出と共に輸送船に移されたあすなろは1,000kmの船旅で神戸を目指した」
船の上に木が乗っている映像

CM

神戸に到着

神戸、メリケンパークの映像
ナレ:「世界一のクリスマスツリーを目指すあすなろの巨木は神戸メリケンパークに陸揚げされた。」
西畠:「デカイなぁ~。やっぱり、いやデカイです!ガリバーみたいや、ほんま。」
ナレ:「ライトアップされる公式なお披露目まであと2週間。その場にはマスコミも駆けつけた。」
殺到するマスコミの映像

メリケンパークで木がつられている映像
西畠:「はい、旋回~旋回~。」
ナレ:「あすなろは特注の鉢に移され、この公園に立てられる。」

空撮メリケンパーク
ナレ:「植物の力。プラントハンター、西畠のメッセージはどれだけの人を集めるだろう。」

ジブチにて

飛行機内の映像
ナレ:「ツリーを設置した翌日、休む間もなくアフリカに飛んだ。」

在日本ジプチ大使館 アライタ・アリ大使登場
ナレ:「ジブチ共和国政府の招きで、森林再生に協力するのだという。」
ナレ:「ジブチの日本大使はかねてから西畠の仕事に注目してきた。首都から車でおよそ4時間。大使は急激に無残な変貌を遂げてしまった森を憂慮していた。」
西畠:「めっちゃ枯れてる!これ全部枯れてます。だってこんな国に落葉樹なんかあるわけなくって。全部枯れてますよね。あ~全部枯れてる。」

西畠:「うわ~、おっそろし。寒気がしてきた、ちょっと。すごい。。。This is a… I have never seen the forest like this.(これは・・・こんな森はこれまで見たことない)」
大使:「Really?(まじか?)」
西畠:「Yeah… So sad!(マジ、悲しい)」
西畠:「Dying,dying,dying.(字幕:ここにあるのは死だけだ)」
ナレ:「30年前までは緑にあふれていたという、デイ・フォレスト国立公園。どうしたら森をよみがえらせることができるか、助言が求められていた。」
西畠:「何かお墓みたいな、森やね、ほんまに。」
ナレ:「遊牧民が持ち込んだ家畜が下草を食べ尽くし、土壌はひどく痩せている。温暖化の影響もあるだろう。墓場のような森を前に西畠は暗たんとしていた。だが・・・」

車に乗っている映像
西畠:「ちょっと、ストップ!ちょっとストップ!」
ナレ:「帰り道でヒントを見つけた。」

車を降りて石がゴロゴロした場所にて
西畠:「ちょと、こういう、こ、こ、すごいわ~。This is a commiphora. It’s very nice plant and have a lot of market.(字幕:このコミフォラはとてもいい植物だ 買い手がいっぱいいる)」

西畠:「If you can send commiphora, one container of this, you have the money. You know volunteer doesn’t stay long. You know? If this project give someone to get money, people continue motivation, yeah. And more green and more money. And more promotion for Djibouti nature. This is how it works.(字幕:このコミフォラをコンテナで送ることができれば あなた達は利益を産むことができる ボランティアでは長続きしない 利益を産むことができれば 人は続けることができる 緑も増えるし お金も増えるし ジブチの自然を伝えることもできる)」

ナレ:「提案は現実的だった。ジブチならではの植物を栽培し、輸出すれば外貨が入る。まずは緑化事業の資金を作り、共に森を生き返らせよう。」

西畠:「You have a treasure!(字幕:ここには宝物があるよ)」

ホテルの部屋でMacの画面を見ている西畠氏の映像
ナレ:「日本からはメールが何通も届いていた。ツリーのお披露目までには彼にしか判断できないことは多い。何せ、西畠一人の肩にプロジェクトの成否が懸かっているのだ。一本の樹木に渾身のメッセージを託した。だが、人の価値観は皆違う。夢追い人の情熱はどこまで届くか。ツリーを見上げる人々の表情だけが答えかもしれない。」

アッサル湖付近
ナレ:「相変わらず胸の奥で渦巻いている不安。励ましてくれたのは、世界屈指といわれる湖の美しさだった。」
西畠:「やば~い、なんか天国的な。すご~い。これも脱ごう!」

Tシャツを脱ぎ、パンツ一丁に

西畠:「いってきま~す!!」
ナレ:「この国の特産品、塩をもたらす塩湖・アッサル湖。希有壮大な試みには想像を超える重圧が伴う。だが、西畠は絶景にしばし我を忘れていた。」

ラクダ登場
ナレ:「出くわしたのは隣国・エチオピアまで塩を運ぶキャラバン。森に樹木と人の営みがあるように、ここにも自然の恵みを享受する人々の暮らしがあった。世界一のクリスマスツリーを目指して。お披露目まではあと10日。プラントハンターの心意気が試される。」

CM

神戸にて点灯式

点灯式の日の映像
ナレ:「12月2日。ライトアップの点灯式を迎えた。夕暮れの会場に西畠が目をみはる。」
西畠:「す~ごいわ、すごいことになってる」
ナレ:「寒風をものともせず、その瞬間を見届けようと集まった人、1万人余り。肩を寄せ合っていた。」
※実際は、槇原敬之氏のコンサートを見に来ていたと思われる。

(カウントダウン)3、2、1、0!花火があがる
ナレ:「堂々と真っすぐに立つクリスマスツリー。沸き起こった喝采に西畠は胸を詰まらせていた。彼にとっては、これが一つの答えだ。」

神戸マダム:「この木を運んでくださった方。」
スタッフ:「そうです、そうです。じゃあ、いきます。」
記念写真を撮影するマダムと西畠氏

ツリーの写真を上に向かって撮っているお客さんの映像
ナレ:「迫力に圧倒されている顔。」

展望台にて木に触る子供達の映像
ナレ:「巨木の磁力に引き寄せられるようにして、肌に触れる幾つもの手。プラントハンター西畠清順が夢見てきた光景だ。」
西畠:「(感極まって)いや~、もう何も言うことはないというか、言葉にならないですね。なんかここまで本当、なんかいろんなことがあると思ってなかったんですけど、でも何か、みんながこうやって喜んでくれたことが、本当になんか、本当うれしくって。」

昼間のメリケンパークの映像
マダムたちが西畠氏にお辞儀をしながら:「ありがとう。すごいの~。ありがとう、失礼します~。」
別のマダム達:「近くで見たら、その、大きさがさすがだなと。すばらしいな~。ねえ~」
若いカップル:「すごく立派な木だったんで、感動して見てました。」
若い女性:「これだけの人が集まって、神戸も捨てたもんじゃないなと思いました。」
外国人観光客:「Great!スゲー!I feel happy to be with my family(字幕:家族と一緒に見られて嬉しい)」

生放送にて

生放送でメリケンパーク空撮
ナレ:「日付が変わり、今、18日午前0時14分。神戸メリケンパークの気温、マイナス0.2度。闇に浮かび上がった1本の樹木は、プラントハンター西畠清順の情熱を宿して、真っすぐに天をさしている。」

ピアノのイントロ、「エトピリカ」の演奏が始まる。バックにツリーの映像
♪~ちゃ~ら~ら~ら~ ちゃらら~らら~(略)
葉加瀬太郎さん、渾身の演奏、バックにはギター、チェロ、ウッドベースも

葉加瀬太郎さんの過去からの映像が流れる。

ナレ:「1998年にスタートした「情熱大陸」は、放送20年を迎えた。見つめてきたのは982の1つとして同じものはない情熱のあり方。驚かされたことがある。励まされたことがある。思わず涙したことがある。あしたへの活力を手にしたことも。私たちは信じている。時代が移りゆこうと、ひたむきに生きる人の姿には誰かを動かす力があると。エトピリカの調べが多くのファンを獲得してきたのも、それが理由に違いない。」

98年からの葉加さんの映像が年ごとに流れていく

エンドロールが流れ始める。

ナレ:「神戸の夜空にエトピリカが響き渡りました。大きなあすなろが重ねた年輪に比べれば、情熱大陸の20年はまだわずか。だから、これからも私たちは、色鮮やかな情熱を伝えていきます。神戸の港から、少し早いけれど、メリークリスマス!」

空撮のメリケンパークのドローンからの映像

(完)

字幕版

情熱大陸20年記念スペシャル【世界一のクリスマスツリー★葉加瀬太郎が生演奏】[字] 2017.12.17
きょう、12月17日、東京で葉加瀬太郎がコンサートを終えたのは午後5時だった。
このまますぐに出るのか?休む間もなくその足で向かったのは、神戸。
今夜は、もう一つ大切な演奏が控えていた。
お疲れっす。
披露するのはあの「エトピリカ」。
放送開始から20年。
「情熱大陸」は、葉加瀬がつくったテーマ曲とともに歴史を重ねてきた。
そこに待っていたのは、とびきりの光景だ。
わ〜、すごい。
高さ30メートルを超える巨大なクリスマスツリー。
会場の一角にツリーの仕掛け人がいた。
富山県氷見市からこの巨木を運び込んだ男、西畠清順。
カメラは、夢の実現にかける男の姿を見届けた。
職業、プラントハンター。
その情熱がここにある。
富山から神戸までの大輸送。
男は、なぜとてつもない困難に挑み、世界最大級のクリスマスツリーのために奔走したのか。
今夜の「情熱大陸」は、特別アレンジのテーマとともに幕をあける。

♪〜
風雪に耐え年輪を重ねてきた樹木のたたずまいは時に人の人生を感じさせる
遠くはるかな昔から私たちの暮らしは木々や草花に支えられてきた
けれどその恩恵に思いを向ける機会がどれだけあるだろう
人と植物その仲立ちをするのがプラントハンター西畠清順の仕事だ
(西畠)俺こいつばり大好きやねん
少年のような風貌
最高・ノーノー!イッツオーライイージー
かつてプラントハンターとは辺境に赴き貴重な薬草や香木などを探し当てて持ち帰ってくる命懸けの職業だった
(スタッフ)怖え…
この時西畠はイエメンの崖に取りつき絶滅危惧種を採取
現代のプラントハンターは希少植物をなんとか守りたいという現地からの依頼にも応えている
あぁでもハイビスカスみたいなアオイ科や…アオイ科の植物みたいな
およそあらゆる植物を偏愛する男
ベリーナイスワオ!ディスイズワオ!
(シャッター音)わ〜これすごいわ
樹木のバックグラウンドにも詳しい
(スタッフ)そうなんですかインド菩提樹
(スタッフ)へぇ〜それの斑入り
人が見向きもしなかった古木に新たな価値を与えたことがあった
決まり!アハハハ決まり
小豆島から依頼を受けスペインで買い付けたのは老いさらばえたオリーブの木
この地ではあまり生かす道がないという
西畠は長旅にも耐えるよう適切な処置を施した
一見すると荒療治だが植物のことは知り尽くしている
木見つけてそれをちゃんと生かしてあげてなんぼやからね生理的なことを熟知してないといわゆるハンティングというのはできないです
スペインのオリーブは今遠く離れた日本に根づき輝きを取り戻した
現在の拠点は大阪
実家は150年続く植物の卸業だった
彼の農場では内外から集めた3000種類余りの植物が育てられている
プラントハンターとして15年
ここでしか手に入らないものも多いそうだ
行政機関の緑化事業や海外から舞い込む森林再生の依頼などその仕事は幅広い
数年前西畠は荒唐無稽な夢を描いた
「めざせ!世界一のクリスマスツリープロジェクト」
植物の偉大さを訴えること
お〜なるほど!
各地で巨大な樹木を探していた3年前富山県氷見市から絶好の一本があると連絡が入った
高さおよそ30mのあすなろ
樹齢は推定で150年を超えるという
森林が市内の6割を占める氷見市は古くから林業に力を入れてきた
多くの巨木が材木として出荷されている
市を通じて森林組合が薦めてくれたのがあすなろの巨木だった
世界一のクリスマスツリー
破天荒なプランがにわかに現実味を帯びてきた
(笛の音)
西畠は動きだした
根元ごと運ぶには最低でも1年前から準備しなければならないからだ
(祝詞)
安全を祈願する神事にはあすなろの持ち主も加わってくれた
木を運ぶ時大もとの根から生えている根を切っておくと新しい根が伸びて元気になる
「根回し」という言葉はそこに由来していた
切って運ぶほうがはるかにたやすいがそれはポリシーに反する
樹木の健康を少しでも長く保つのが西畠流
木に対する向き合い方にも驚かされた
自ら幹にしがみつきてっぺんを目指し始める
OKOK
足場の枝は雨にぬれ滑りやすくなっていた
けれどこうしてじかに触れないと健康状態も確かめられない
うん!よっ
幹は次第に細くなってゆくがそれでも上へ…
まるで取りつかれたようだった
はぁ…
植物に寄せるいちずな思い
これ以上行くと3cmぐらいになるから
風格を備えた巨木にはいずれ長旅をしてもらうことになる
西畠なりに心を尽くす必要もあったのだろう
やっぱり…
(スタッフ)それがいいんだ
根気強い交渉を重ねクリスマスツリーの設置先は神戸市と決まった
まぁ採算とか収支のことは一回ちょっと…計算してたらもう直前までになっちゃうんでこれはもうそんな収支一回置いといて
プロジェクトにかかる多額の費用は無理をしてでも自分が賄うという
文字どおり損得抜きで取り組んでいた
富山から神戸までは海上輸送でおよそ1000kmの距離
クリスマスツリーは神戸メリケンパークに立つことになった
だが30mもの巨木輸送はただごとではない
(男性)あと例えばなんですけど…あぁ…シミュレーションとかしといたほうがええかもしれんなやっぱ先導車とかも何台かいるんで
プロジェクトに賛同する氷見市が西畠を招いてイベントを開いてくれた
僕は植物が好きで本当の植物のよさをみんなに伝えたいと思って日々活動していますこういう命の大切さ植物に生かされているというそういうのを伝える大事なプロジェクトではあるっていうことを地元のまず皆さん氷見市の皆さんに知っていただきたいと思ってですね私ども氷見の市民といたしましても是非皆さん応援しようじゃありませんかこのプロジェクト
(拍手)
子供たちが披露したのはあすなろを送り出す地元の人が作ってくれた歌
123はい・「ぼくらの町からお船に乗って」・「神戸の町へとお嫁にいっちゃうよ」・「大きな」
プロジェクトが成功するかどうか答えは誰も知らない
無我夢中で突っ走る男には何よりうれしい応援歌だった
神戸と氷見を頻繁に往復し西畠は幾たびもあすなろと向き合った
あすなろはどこまでもまっすぐに伸びる
ほとんど恋している
いやホントこれはすごい絶対みんな触りたいですよねこうやってみんなできるようにしてあげたらね
この確かな存在感を一人でも多くの人に伝えたい
巨木の掘り出しは10月のことだった
おはようございますおはようございますもしあれだったら今日倒す可能性は…今日倒そうかっていう話ししてる
雨足が強まれば作業にも時間を取られ途中で夜になってしまう
投入されたのは2台のクレーン車
あすなろの重量は実に24トンもある
この日は幹の中心と根鉢を2つのクレーンでつり上げながら慎重に掘り出し一旦横に寝かせる予定だった
その後巨木は丁寧に養生を施され高岡の伏木富山港まで特殊なトレーラーで運ばれる
この場の誰一人これほどの巨木を丸ごと扱ったことがない
寝かせるにしてもどのように…
根っこをこっちなんですか?いや今はね一応こうやって頭から倒そうかいう話になってるんやけどあぁそうかそうかだから250トンで上つまむでしょ…で60で下つまむでしょそんでちょっと上げるやんか…でずらしながら頭やっていったらこっちのほうが今あそこに枝がないねやんかはいはいだから傷まへんこっちのほうがじゃあこういう方向でそれはもちろん…じゃあそれではい了解ですはいはい
雨が激しさを増す
しかも…
根鉢の直径は3m近く
巡らせたベルトをクレーンにつなぐ
クレーン2台の呼吸が合わなければ安定を失って倒れかねない
はいそこからゆっくりそこからゆっくりゆっくりゆっくりはいゆっくりゆっくりゆっくりゆっくり今60トン何トン効いてます?3トンはいもうちょいもうちょいはいストップ危ない危ないちょっと一回…一回どけてちょっとどけてそれ切るから
バランスを確かめたところで三方から支えていたワイヤを切断
あぁ!うわっOKOK大丈夫大丈夫じゃあ220トン巻き上げよう巻き上げよう巻き上げようストップ…ストップストップちょっとストップストップ
続いて木を寝かせてゆく
西畠は慎重なうえにも慎重だった
じゃあゆっくり旋回旋回ちょっと60トン伸ばして下げ…伸ばし倒し伸ばし倒し60トン伸ばし倒し伸ばし倒し
巧みなクレーンのコントロールで徐々に宙に浮き始める24トンの巨木
圧巻だった
下ろすしかない?OKOK分かった分かったちょっと待ってはいはい分かったOKOKこれでOK
なんとか夜を待たずに作業を終えることができた
デカイと…
童顔の下で西畠が闘っているプレッシャー
その重みのほどを数日後にかいま見てしまった
・「ハッピーバースデーディア清順」
思いがけず地元の人たちが祝ってくれた誕生日
ふだんならきっとくしゃくしゃの笑顔を見せる男が声を殺して泣きだした
(拍手)
どれだけの人がプロジェクトに共感しメッセージを受け止めてくれるのか…
スケールが型破りなだけに不安も計り知れない
抑えていた感情があふれ出したのだろう
プラントハンターを支えてきたのはかつての記憶だった
街の中に西畠が咲かせた桜に多くの声が届いた
ありがとう元気が出た…と
信じているのは植物の力だ
11月
あすなろの巨木は丁寧に枝をまとめられて旅立ちの時を待っていた
まずは陸路を港へと向かう
この日は輸送業者が集まってルートの確認
一つ一つ止まっておのおのどこに配置をするかどういう作業をするか…という確認をしていきたいと思います
山道はカーブが多い
30mほどの巨木を運ぶのは経験豊富な輸送業者にも難題だった
うんここら辺ここら辺でここにマークしとくんでチョークでまぁ先々導先導本体…そやね…ってことは出発してからずっと流れでそこまでは一気に来ちゃう?そうですね確実にがつっと止まるのはそこそこ
ルート上にはいくつかの難所が待ち受けている
中でも運び出して間もなく鋭角に曲がる…
この急カーブを果たして巨木は曲がりきれるのだろうか
図面上のシミュレーションでは巨木はカーブの内側に大きくはみ出してしまう
市の協力を得て一時的にガードレールを外すことになった
輸送開始は交通量が少ない真夜中だ
当日あすなろのもとには深夜というのに100人を超える住人たちが集まった
(スタッフ)いよいよですねまず作業員の皆さんは必要以上に急ぐことなく安全第一でよろしくお願いします皆さんは無事に行くように応援をよろしくお願いします
(拍手)
巨木を運ぶのは新幹線の車両輸送に使われる特殊なトレーラー
運転席には前後左右の作業員から絶えず情報が飛び込んできた
時速は5キロ以下
(無線:作業員)ほんだらこれ直線なったら左寄ってくれる?
(無線:作業員)了解
後輪は寄り添って歩く作業員のリモート制御
ベテランドライバーの運転は達者で滑り出しは順調だった
じゃあバリケード取っちゃいましょう
最初にして最大の難所
ガードレールの代わりに設置したパイロンが撤去されトレーラーはあの味川カーブへ…
巨木を載せた車体は全長40mに迫っている
見守るしかない西畠もぼう然としていた
うわ〜
わずかでもハンドルさばきを誤ると立ち往生してしまう
(無線:作業員)オーライ左はオーライ
トレーラーの先頭が鋭角を描くカーブの頂点にさしかかった
前輪の角度が狂えば後輪のずれは何倍にもなるはずだ
その後輪が側溝を保護する鉄板ギリギリに進む
直径3m近い根鉢部分
絶対に超えてはならない支柱の20cm手前をなんとかクリアした
見下ろす光景はシミュレーションの図面どおり
だが一瞬たりとも気は抜けない
キレ角度がきつすぎるからよう押さんねんな
(無線:作業員)了解ちょっとじわっと行ってみましょうかね
(無線:作業員)今で30cmぐらいオーライオーライ
木の先端が民家の植木をかすめてゆく
あっこれで行きそうですねギリギリですわオーライオーライオーライオーライこのまま左寄せていきますね
巨木は無事にカーブを曲がりきった
住宅街に入る手前は道幅が狭まっている
そこもちょっとトレーラー突っ込んできますんでここにはいないでください
建物を傷つけるわけにはいかない
第2の難所だった
トレーラーは這うように進んだ
枝の膨らみは地上から4m30cmの高さ
運転席をヒリヒリするような緊張感が支配していた
(無線:作業員)オーライ
左右に膨らんだ根鉢の部分は民家の壁すれすれだ
左左寄せて左寄せてもう変わったからセンター変わったから
最も狭い道をトレーラーは見事に抜けた
お見事いや〜ホンマっすねすごいねえさすがや
新幹線を輸送している熟練たち
チームワークは完璧だった
続く関門は高速道路の高架下
決してぶつからないように…
地上から高架下までは4m80cm
隙間は50cmしかない
作業員が安全を確かめながら高架下を行く
ここもどうにかクリアできた
やがてトレーラーは海沿いへ
まるで燐光を放つ生きものだ
真夜中の比美乃江大橋に歓声が上がった
ご苦労さまで〜すお疲れさまで〜すお気を付けてお疲れさまで〜す
(一同)そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!そらゆめ!
南大町交差点通過
西條中南交差点通過
雨晴トンネルを抜ければゴールの港は目前だった
最後のカーブを越えて港に入る
伏木富山港到着は午前4時50分
ほぼ予定どおり陸路の輸送は終了
日の出と共に輸送船に移されたあすなろは1000kmの船旅で神戸を目指した
世界一のクリスマスツリーを目指すあすなろの巨木は神戸メリケンパークに陸揚げされた
デカイなぁやっぱりいやデカイですガリバーみたいやホンマ
ライトアップされる公式なお披露目まであと2週間
その場にはマスコミも駆けつけた
はい旋回旋回
あすなろは特注の鉢に移されこの公園に立てられる
植物の力…
プラントハンター・西畠のメッセージはどれだけの人を集めるだろう
ツリーを設置した翌日休む間もなくアフリカに飛んだ
ジブチ共和国政府の招きで森林再生に協力するのだという
ジブチの日本大使はかねてから西畠の仕事に注目してきた
首都から車でおよそ4時間
大使は急激に無残な変貌を遂げてしまった森を憂慮していた
めっちゃ枯れてるこれ全部枯れてますだってこんな国に落葉樹なんかあるわけなくって…全部枯れてますよあれ全部枯れてる…うわ…恐ろしい寒気がしてきたちょっとすごい…ソーサッド
30年前までは緑にあふれていたというデイ・フォレスト国立公園
どうしたら森をよみがえらせることができるか…
助言が求められていた
何かお墓みたいな森やねホンマに
遊牧民が持ち込んだ家畜が下草を食べ尽くし土壌はひどく痩せている
温暖化の影響もあるだろう
墓場のような森を前に西畠は暗たんとしていた
だが…
ちょっとストップちょっとストップ
帰り道でヒントを見つけた
こういう…ちょっとこういうこれすごいいいわモチベーションモチベーション
提案は現実的だった
ジブチならではの植物を栽培し輸出すれば外貨が入る
まずは緑化事業の資金を作り共に森を生き返らせよう
日本からはメールが何通も届いていた
ツリーのお披露目までには彼にしか判断できないことは多い
何せ西畠一人の肩にプロジェクトの成否が懸かっているのだ
一本の樹木に渾身のメッセージを託した
だが人の価値観は皆違う
夢追い人の情熱はどこまで届くか…
ツリーを見上げる人々の表情だけが答えかもしれない
相変わらず胸の奥で渦巻いている不安
励ましてくれたのは世界屈指といわれる湖の美しさだった
やばい何か天国的な…すごいこれも脱ごういってきま〜す
この国の特産品塩をもたらす塩湖・アッサル湖
希有壮大な試みには想像を超える重圧が伴う
だが西畠は絶景にしばし我を忘れていた
出くわしたのは隣国・エチオピアまで塩を運ぶキャラバン
森に樹木と人の営みがあるようにここにも自然の恵みを享受する人々の暮らしがあった
世界一のクリスマスツリーを目指して…
お披露目まではあと10日
プラントハンターの心意気が試される
12月2日。
ライトアップの点灯式を迎えた。
夕暮れの会場に西畠が目をみはる。
すごいことになってる。
寒風をものともせず、その瞬間を見届けようと集まった人、1万人余り。
肩を寄せ合っていた。
3、2、1。
堂々と真っすぐに立つクリスマスツリー。
沸き起こった喝采に西畠は胸を詰まらせていた。
彼にとっては、これが一つの答えだ。
この木を運んでくださった方。
そうです、そうです。
じゃあ、いきます。
迫力に圧倒されている顔。
巨木の磁力に引き寄せられるようにして、肌に触れる幾つもの手。
プラントハンター西畠清順が夢見てきた光景だ。
もう何も言うことはないというか、言葉にならないですね。
ここまで本当いろんなことがあると思ってなかったんですけど、でも何か、みんながこうやって喜んでくれたことが、本当にうれしくって。
ありがとう。
失礼します。
近くで見たら、大きさがさすがだなと。
すばらしいな。
すごく立派な木だったんで、感動して見てました。
これだけの人が集まって、神戸も捨てたもんじゃないなと思いました。
日付が変わり、今、18日午前0時14分。
神戸メリケンパークの気温、マイナス0.2度。
闇に浮かび上がった1本の樹木はプラントハンター西畠清順の情熱を宿して、真っすぐに天をさしている。
♪〜♪〜1998年にスタートした「情熱大陸」は、放送20年を迎えた。
見詰めてきたのは982の1つとして同じものはない情熱のあり方。
驚かされたことがある。
励まされたことがある。
思わず涙したことがある。
あしたへの活力を手にしたことも。
私たちは信じている。
時代が移りゆこうと、ひたむきに生きる人の姿には誰かを動かす力があると。
「エトピリカ」の調べが多くのファンを獲得してきたのも、それが理由に違いない。
♪〜神戸の夜空に「エトピリカ」が響き渡りました。
大きなあすなろが重ねた年輪に比べれば、「情熱大陸」の20年はまだわずか。
だから、これからも私たちは、色
イブの夜…
次回は…
37度目の日本一に返り咲く苦難と人情の物語
2017/12/17(日) 23:25〜00:25
MBS毎日放送
情熱大陸20年記念スペシャル【世界一のクリスマスツリー★葉加瀬太郎が生演奏】[字]
プラントハンター/西畠清順▽全てが前代未聞!人類史上最大の巨木輸送プロジェクトは様々な困難が…壁を乗り越え、彼が本当に伝えたかった事とは▽神戸の街に響き渡る音色
詳細情報
番組内容
富山の山奥に生えいていた1本の“あすなろの巨木”…高さ30mにもおよび、有名なNYロックフェラーセンターの巨大クリスマスツリーをゆうに超えるサイズだ。巨大な重機での掘り取りから新幹線を運ぶ際に使われる特殊トレーラーで陸上輸送に海上輸送。億単位にもなる費用は全て西畠自身が銀行から借り入れをして融通。一体、なぜこんなことを?そこまでする「あすなろの木」との、命をかけたプロジェクト。その全貌が明らかに!
プロフィール
【プラントハンター/西畠清順】
1980年兵庫県出身。幕末から150年続く、花と植木の卸問屋の5代目として生まれる。依頼主の求めに応じて国内はもとより世界各地を飛び回り、希少な植物を収集・発見する「プラントハンター」。 現在は「そら植物園」の代表として、企業や行政機関などのイベントや、ランドスケープデザインなどで年間250万トンもの植物取引を行っており、その手腕が高く評価されている。37歳。
 
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)

 


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