ミサイルが落ちてきたときの被害想定と助かる方法

2017-09-05　2017-09-06

もし、ミサイルが落ちてきたらどうすればよいか？　
2017.8.29に発射された北朝鮮のミサイルはどこを狙っていたのか？の続きです。

Contents

質問がいくつかあったので、それに対するＱ＆Ａを記載しておきます。
随時更新できるので、もっと質問があればどんどんコメントください。

ミサイルの被害の広さは？

もし、ミサイルが飛んできて着弾した場合、どれくらいの範囲に影響があるのか？を書いておきます。
まず、普通のミサイル弾頭ですと、半径15メートルの円くらい、だいたい、700ｍ^２（学校の体育館くらい）が破壊されると予想されます。

リンク：北朝鮮ミサイル　破壊されるのは小学校の体育館1つ分か

弾頭が核で、水素爆弾だった場合は、

ミサイルの落下地点から半径
６ｋｍ圏内が壊滅的な被害
１４ｋｍ圏内　一般家屋が壊滅
２１ｋｍ圏内の木造家屋が発火
３４ｋｍ圏内はガラス粉砕、火傷するくらいの熱さ

ということらしいです。

地図で示すと、
東京に水素爆弾が落ちた場合

名古屋に水素爆弾が落ちた場合

大阪に水素爆弾が落ちた場合

福岡に水素爆弾が落ちた場合

と想定できるようです。
日本に着弾した際の影響より、一部抜粋

原爆の場合は、この影響はめっちゃ狭くなります。

広島に落とされた原爆では、

落下地点から半径
５００ｍ圏内が壊滅的な被害
１ｋｍ圏内　一般家屋が壊滅
１．５ｋｍ圏内で木造家屋が発火
４ｋｍでは被害は軽微

でした。
上記の地図の赤線で囲まれた〇の外では、ほぼほぼ爆風などによる被害はないでしょう。

原発がミサイル攻撃されたら？

そもそも、原発がミサイル攻撃されることは想定していません。
理由は、原発に当たっても被害はそんなに出ないし意味がないからです。

「原発がミサイル攻撃されたら？」なんていう国会議員もいますが、

・原発を狙うのであればピンポイント（通常弾頭で半径１５ｍ以内）で着弾させる精度が必要ですが、そんな精度は弾道ミサイルにはない。
・弾道弾によるピンポイント攻撃が可能なら、軍事施設を狙う方が合理的
・そもそも原発を狙う理由としては、発電施設の停止であるので、稼働している火力発電所などを狙うほうが効率がいい。
・仮に原発に当たったとしても、巡航ミサイルでは原発の厚さは貫けないので、原発が緊急停止するだけで何の影響もない。
・原発を破壊して、放射能汚染を起こさせたいのであれば、普通にどこにでも核ミサイルを撃ち込めばいいだけなので、弾道ミサイルに核を搭載してわざわざ原発を狙うっていうのは、意味がわからない。
・そもそも北朝鮮も締結しているジュネーブ条約第1追加議定書第56条違反。

ジュネーヴ諸条約及び追加議定書の主な内容
2．第1追加議定書の主な内容
（5）文民たる住民の保護（第4編）

（イ）敵対行為の影響からの文民たる住民の保護
○ 軍事目標主義（軍事行動は軍事目標のみを対象とする）の基本原則を確認（第48条）。
○ 文民に対する攻撃の禁止（第51条2）、無差別攻撃の禁止（第51条4-5）、民用物の攻撃の禁止（第52条1）、攻撃の際の予防措置（第57条）等に関し詳細に規定。
（その他の主な規定）
　・文化財・礼拝所の保護（第53条）
　・文民たる住民の生存に不可欠な物の保護（第54条）
　・自然環境の保護（第55条）
　・危険な力を内蔵する工作物等（ダム、堤防、原子力発電所）の保護（第56条）
　・無防備地区（第59条）
　・非武装地帯（第60条）

・ていうか、山本太郎氏曰く、平和憲法の憲法9条があるからミサイルは撃たれないんじゃなかった？

というわけで、通常弾頭で原発を狙うのも、核で原発を狙うのも意味がないのですね。

ジュネーブ条約があるので、もし北朝鮮が日本に核を撃つのなら、ダムとか堤防とか原発がないところに撃たなきゃいけません。
これを破っちゃったら、全世界を敵に回さざるを得なくなり、中国もロシアもさすがにかばえなくなります。
なので、主要都市への核ミサイルでの攻撃もまあ、ないでしょう。。。

もし、核で攻撃されたらどこに逃げればいいのか？

しかしながら、もし、核攻撃されたらどうすればいいのか？は知っておいたほうが良いので書いておきます。

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この世界の片隅にっていう映画では、原爆投下後の広島も描かれています。

Jアラートで頑丈な建物に逃げ込めって言っても、頑丈な建物が無いってツイが回って来るけど、原爆にも耐えた銀行の堅牢さは「この世界の片隅で」で証明されてるから、とりあえず緊急時なら逃げ込む価値はあるんじゃないのだろうか…？ pic.twitter.com/W7RTcHYO17

— 局長@秋季例大祭し‐38＆紅楼夢F-23 (@dk_yukikaze_) August 29, 2017

上記のツイートのように、銀行を含め、コンクリート製の建物は原爆の被害から免れました。

当時、コンクリート造りの建物はそんなになかったため、コンクリートの建物に避難できた人は少なかったようです。

しかしながら、現在の銀行は一面ガラス張りってとこもたくさんあるので、むしろ弱いかもしれません！！！
ある人の話では、保険会社が入っている建物は、安全だから保険会社が入っているということなので、逃げるならば銀行よりも、保険会社の入っているコンクリート造りの建物の地下がおすすめかもしれません。

爆心地から１７０ｍで助かった人

広島県燃料配給統制組合の入っていたコンクリートの建物がありました。
ここから１７０ｍ離れた場所に原爆が落ちました。
普通は即死ですよね。
でも、助かった人がいたんですよ！

緑の屋根のレストハウス（当時の燃料会館）は爆心地から１７０mの近距離でありながら、強固な造りのために、基本的形態はとどめました。
 建物の中にいた３７人の内、野村さんだけが地下室にいたために無事でした。
当時４７歳の野村さんは地上に逃れた後で、残留放射線を浴びたために病気をされながらも、８４歳まで生きられました。　
元安橋とレストハウスより一部転載

というわけで、もし、ミサイルが飛んできたら、弾頭が何か？とか、どうせ飛んでこないだろ？とか思わずに、できるだけ地下に避難してください！

それで生存率が５０％以上上がるそうです。
そのためのJアラートですから！！！

核が落ちたら、どれくらい地下で耐えればいいのか？

もし、地下や、核シェルターに避難できたとしましょう。
普通の弾頭であれば、建物の崩落とかを気にしながら移動しても大丈夫です。
ただし、二発目がないとは限りませんので注意。

で、核弾頭だった場合、落ちた地域一帯と風下は放射性物質で汚染されていると思われます。
その場合、できるだけ密閉した部屋から出ないほうがいいです。
ひきこもっている時間は長ければ長いほど放射線量が減衰するのですが、おしっことか、食べ物とかの限界があると思います。
なので、だいたいどれくらいでどれくらいの線量が減るのか？を書いておきます。

７の法則ってのがあります。

７の法則
•爆発後の時間が7倍経過するごとに、線量率は1/10 に減少する。
•例１：爆発1時間後の線量率を基準とすると、爆発7時間では1/10、さらに7 x 7 = 49 時間（約2日）で1/100, 7 x 7 x 7 = 343 時間（約２週間）後には1/1000に減少する。
•例２：7日目（1週間）では、1日目の1/10 に減少する。
核被害まとめ（pdf)より一部抜粋

これ、実測値とほぼほぼあっているので、有効だと思うんです。
最初の線量が２０Sv/ｈであった場合、49時間で１/１００の２００ｍSv/ｈになる。ってことです。
（詳しくはｐｄｆを見てください）

爆心地の場合

で、実際の広島の原爆の場合はどうだったかというと、爆心地にいた人の被ばく量はガンマ線で約１００シーベルト、中性子線で約１４０シーベルトと推定されています。
これをモロにくらったら死にます。
でも、コンクリートとかで遮蔽してたら、上記の人のように生き残れます（まあ、めっちゃレアケースですけど）。
数日経っても助けが来ない状況だったら、結構やばいレベルの線量な場合があります。
一週間こもれるならこもったほうがいいです。
もうこれ以上こもれない！ってなったら、ダッシュで爆心地から離れましょう。
即死しないレベル、気を失わないレベルの放射線量だったら生き残れる可能性があります。

爆心地から５００ｍの場合

爆心地から５００ｍ地点ではガンマ線で２８シーベルト、中性子線で３１．５シーベルトと推定されます。
この距離だと、外に出たら即死の可能性があります。なので、49時間地下で待って、線量が６００ｍSv/ｈになったくらいに、３０分で４キロ離れましょう。
爆心地から２００ｍ離れるごとに、被ばく量は半分になります。
30分だとだいたい２０ｍSvくらい被ばくするかどうかです。
もうすでにあなたは助かってます。

爆心地から３．２５ｋｍの場合

爆心地から３．２５ｋｍ付近になると、被ばく量は１ｍSvまで減少します。
この距離なら、普通に爆心地から歩いて離れれば全く問題ないです。

時間による被ばくの割合

原爆の場合、その人の被ばく全線量のうち、最初の1時間で半分以上の線量を浴び、そして最初の24時間で８０％、最初の1ヶ月で９５％の線量を浴びます。
なので、最初の一日をできるだけ浴びずに過ごせたら、最終的に浴びる線量はめっちゃ低くなり、助かる可能性が高まります。

福一原発の場合は地上での爆発でしたので、あんまり放射性物質が拡散されずにそのまま地面に落ちたので、なかなか線量が下がりませんでしたが、広島の原爆の場合は地上から６００ｍ上空で爆発しましたので、風で結構拡散され希釈されました。
なので、放射線量がすぐに劇的に下がると思います。

水素爆弾の場合

で、問題は、水爆です。。。

水爆は原爆の千倍も威力が高くて、放射性物質の放出も半端ない！やばい！！！

って思ってませんか？
じつは、そうじゃないんです。
水爆って、核融合爆弾なので、水爆自体では放射性物質はほとんど出てこないんです。
ただ、水素を核融合されるためには、高温（１億度）と高圧（１０００億気圧）にしなきゃなんないんです。
で、どうやってそれを達成するか？というと、じつは、原爆を使うんです。。。

原爆爆発→高温と高圧力ゲット→水素の核融合→水爆　

って流れなのです。
なので、出てくる放射性物質は、原発の爆発の時のものだけです。
なので、威力のわりに、放射性物質はでてきません。

水爆の場合、最初の爆発をなんとかしのいだら、あとは原爆レベルの放射性物質から逃れれば大丈夫なわけですね。
なので、水爆の場合も基本は原爆と同じです。
が、爆発規模が違うので、爆心地付近の場合、助けが来ない可能性がめっちゃあります。
その時は、上記の方法で自力で逃げるしかないです。
まあ、爆心地だと助かっている人が~~このブログを読んでいる人以外は~~ほとんどいないので、寂しいと思いますが、がんばって生き延びてください。

高高度核爆発によるＥＭＰ攻撃の場合

追記：2017.09.06　
北朝鮮は、ＥＭＰ攻撃を示唆しました。

北「電磁パルス攻撃」も可能と主張　日米韓防衛網を無力化
　【ソウル＝桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は３日、金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長が視察した、大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）の核弾頭に搭載する新たな「水爆」について、電磁パルス（ＥＭＰ）攻撃まで加えられると主張した。
核弾頭を地上数十～数百キロの高高度で爆発させ、相手国の防衛網をまひさせる攻撃手段で、日米韓に新たな脅威を突き付けた形だ。
（以下略）

ＥＭＰ攻撃とは、核爆発を４０ｋｍ～４００ｋｍ上空で核爆発を起こさせて、その電磁パルスで電子機器を壊してしまうというものすごい攻撃方法です。

「電磁パルス攻撃」の脅威　上空の核爆発で日本全土が機能不全に
電磁パルスは送電線を伝ってコンピューターなどの電子機器に侵入。その電圧は５万ボルトに達するため、機器はＩＣ（集積回路）の機能停止で損壊し、同時に大規模な停電も発生すると予測されている。 pic.twitter.com/xJ3AmAwrHB

— ken (@ken04095288) August 27, 2017

これ、実は、人体には影響ないと言われているので、物理的な攻撃とはみなされておらず（黒に近いグレー）、いきなり使用されても文句言えない状態にあるっぽいのです。
で、これを日本上空で使用されると、日本全土のＰＣとか電車とか、航空機とか、電気を使用しているものがすべて壊れます。
完全復旧までには３年かかる。とか言ってる人もいます。
まあ、仮復旧は数日で終わると思いますが。

めっちゃ簡単にまとめられていたので、詳しくは　電磁パルス攻撃（EMP）で日本が壊滅する？！防御方法や対策はある？　をご覧ください。

実際に高高度核爆発によるＥＭＰ攻撃されたらどうすればいいのか？
ですが、対処のしようがありません！！！
北朝鮮がミサイルを撃って、日本上空に来た時に爆破させるわけですから、これを完全に防ぐためには日本上空に来る前に撃ち落とさないといけません。
しかし、レーザー兵器でもない限り、それは普通に無理です。
もしくは、北朝鮮の発射基地自体を今からでも攻撃して破壊しておく必要があります。

実際に電子機器はどうなるのかというと、コンセントとかにつないでいたら、ほぼ確実に壊れます。
ただ、コンセントなどにつながっていないものは助かる可能性もあると思います。

ＥＭＰ攻撃ってのは、電子レンジに入れて、チン！ってした状態にするってことですので、もちろん、電子機器は壊れます。
それがすべての電子機器について行われるわけです。
電子制御の車もつかえなくなると思います。
まさに、１００年前の生活に戻るわけですね。。。

まあ、一般の人が気にするのは、自分のＰＣのデータとかだと思います。
光ディスク（ＤＶＤとかＣＤとか）は、電磁パルスには強いので、大事なデーターは、ＤＶＤに焼いておいたほうが良いかもです。
サーバーが海外にあって、データを海外に保存できているんなら、データ自体は助かると思います。
アイクラウドのサーバーはアメリカのネバダ州とかにあると思うので、そこが攻撃されない限り大丈夫でしょう。
ハードディスクは電磁パルスには弱いので、もし、ハードディスクを守りたいのであれば、鉄製の金庫の中にアルミホイルとか鉛とかを巻いて保存しとかないとほぼ壊れるでしょう。

まさに、バルス！