逆転しない正義とは「献身と愛」だ by やなせたかし
2017-08-13
8月15日の終戦日を間近にした今朝、ツイッターがいろいろ盛り上がっているようです。
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特攻に対する人々の反応は様々
朝起きて、ツイッターを見てみると、
悲しく思います。8月15日に靖国神社にきてください。特攻の精神も行為も美しいです。教えます。来てください。 https://t.co/JESiyMls3d
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) August 13, 2017
日本の精神は高須院長が言う様に米国の方が理解してる。
「特攻隊の多くは頭脳明晰なエリート。何よりも大切な家族を守る為、親兄弟を守る為、故郷を守る為に命を投げ打った。米国が攻めこめば、日本の国家も文化も天皇も何もかもが破壊される。彼らはそれを食い止めるべく空の軍神として出撃した。」 pic.twitter.com/yTL5RKx40s— するめのよっちゃん#沖縄は日本だ (@surumegesogeso) August 12, 2017
と、なんだか朝から戦争時の特攻の話で盛り上がっているようです。
8月の15日に靖国神社に行けば、高須クリニックの院長が特攻の精神や行為の意味を教えてくれるそうなので、
「めっちゃ行きたい!」
って私自身は思ったのですが、日本の歴史に対する思いは人それぞれのようです。
「特攻した少年の心を賛美する」という内容のリプがきたのだけど、無理やり特攻させられたのではないのかな。。。
自ら進んで特攻したのだとしても、戦時教育で洗脳された結果だとしたら、そちらの方が恐ろしいです。— 片瀬久美子 (@kumikokatase) August 12, 2017
特攻や玉砕を美しいと言うならば過激派の自爆テロの美しいと言うべきやろな。過激派は自爆テロで死んでいった青少年を同じ理由で同じように美しいと言っているはず。客観的に見ればその位恐いこと。特攻で亡くなった方々も自分達を美しいと崇めるより、二度と同じような犠牲者が出ない事を願ってるはず https://t.co/2RdEFlfnXc
— 非エリート同盟 (@NonEliteDome) August 12, 2017
「特攻なんて」で,また片瀬さんには罵詈雑言が来そうだが,私は叔父二人の玉砕は犬死だったと思っている。犬死させられたのだ。あの世からこの世を見ることができればさぞかし無念であろう。彼らの無念を思うからこそ軍国主義を心から憎む。名誉の戦死などと祀り上げられてたまるか。 https://t.co/4CjZcDv4Yu
— こなみひでお (@konamih) August 12, 2017
毎年、この時期になると、特攻とか玉砕を賛美する連中が湧いてくるけど、根本的に戦闘とは生き残るための行為なのであって、死ぬことを前提とした作戦を立案しないといけない状況になった時点で負けなのだ。
— efuwara (@efuwara) August 13, 2017
特攻は犬死だったのか?
特攻は素晴らしい行為なのか?
特攻は無理やりさせられたのか?
彼らは悲劇のヒーローなのか?
彼らの死は無駄だったのか?
意見はいろいろあるでしょう。
ただ、私が思うに、特攻できた人は犬死じゃあないですよ。
先の戦争では、食料も弾薬もない状態で南アジア諸国に送られ、そのまま何もせずに餓死した人のほうが多かったんですよ。
戦って死んでいった人より、餓えて死んだ人のほうが多かったんですよ。
犬死だとあえていうのであれば、餓死した彼らのほうじゃないですかね。
作戦を見事に遂行し、家族や国の為に命を落とした人に、「犬死にだ」なんて言葉がはける人の精神を疑ってしまいます。
ただ、餓死させたり、特攻させたりせざるを得ないような状況を作り出し、そしてそんな作戦を立案した奴らは、クソですわ。
靖国に行く理由
靖国神社に参るのは、家族や国の為に命を落とした人に感謝をささげるため。
別に指導者を賛美しに行くわけじゃあないんですよね。
そこを混同すると、ややこしくなりますね。
さて、ここで、アンパンマンで有名なやなせたかしさんが死去した時に私が書いたメルマガをご紹介しておきたいと思います。
やなせたかしさん死去 2013.10.18 発行 no.24
アンパンマンマーチに込めた思い
やなせたかしさんが死去されました。
子供たちに勇気と希望を与え続けた人がまた一人逝きました。
やなせたかしさんは、特攻隊員として死んでいった弟の姿をアンパンマンマーチに込めたようです。
それを踏まえてこの歌を聴くと良くわかりますね。
ちなみに、アニメの主題歌となっているものは2番です。
1番はこのアニメにふさわしくないという理由で、2番が使われています。
アンパンマンマーチ
1
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでもなんのために 生まれて なにをして 生きるのか
こたえられない なんて そんなのは いやだ!
今を生きる ことで 熱い こころ 燃える だから 君は いくんだ ほほえんで
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでも
ああ アンパンマン やさしい 君は いけ! みんなの夢 まもるため
2
なにが君の しあわせ なにをして よろこぶわからないまま おわる そんなのは いやだ!
忘れないで 夢を こぼさないで 涙 だから 君は とぶんだ どこまでも
そうだ おそれないで みんなのために 愛と 勇気だけが ともだちさ
ああ アンパンマン やさしい 君は いけ! みんなの夢 まもるため
時は はやく すぎる 光る 星は 消える だから 君は いくんだ ほほえんで
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ どんな敵が あいてでも
ああ アンパンマン やさしい 君は いけ! みんなの夢 まもるため
やなせさんの正義感
やなせさん自身も、戦争にいってます。
戦争では「勝った方が正義」なのですが、彼は、
「本当の正義は、餓えている人にご飯をあげることなんじゃないか?」
と考え、アンパンマンを作ったようです。
最後に、彼の戦争についての発言を並べておきます。
やなせさんの戦争体験
・行軍したり、泥だらけになってはい回ったりするのは、一晩寝ればなんとかなる。
ところが、飢えはどうしても我慢できない
・食べられないというのは、ものすごくきついですよ。
飢えれば人肉だって食べようという気持ちになるんだから。
・仕方がないんで、その辺の野草を煮て食べたりしたんです。
まずいのもあるんだけど、大体は酸っぱいんです
・内地に残っていた銃後の国民のほうがよほどつらい目を見ている。
たとえ、戦火に逢わなかったとしても飢えに苦しんでいる。
・正義のための戦いなんてどこにもないのだ。
正義は或る日突然逆転する。
正義は信じがたい。
・逆転しない正義とは献身と愛だ。
それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。
・自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい。
・正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです。
・ぼくらも非常に弱い。
強い人間じゃない。
でも、なにかのときには、やっぱりやってしまう。
ヒーローというのは、そういうものだと思います。
・困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。
絶対的な正義なのです。
やなせさんから、東日本大震災被災者へのメッセージ
・生きていることが大切なんです。
今日まで生きてこられたなら、少しくらいつらくても明日もまた生きられる。
そうやっているうちに次が開けてくるのです。
今回の震災も永遠に続くことはありません
・アンパンマンは“世界最弱”のヒーロー。
ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。
でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。
そして戦います。
それは私たちも同じ。
みんな弱いけれど、そうせずにはいられないときもあるのです。
・そして、子どもたちへ。
こんな大きな地震は初めての体験だろうし、すごく怖がっていると聞いています。
でも、とにかく元気でくじけないで。
きっとアンパンマンが助けに行くからね。