人はなぜフェイクニュースを信じるのか(前編)
2017-07-25
人は、うわさが大好きです。
フェイスブックやツイッターなどで、知人が「怪しい情報」を信じていたり、シェアして拡散していたりして、なんとも言えない気持ちになったことのある人はとても多いと思います。
Contents
フェイクニュースとは
フェイクニュースとは、虚偽の情報でつくられたニュースのことです。
論理的、科学的根拠のない「ガンの民間療法」や「STAP細胞が再検証で発見された!」っていう比較的わかりやすいフェイクニュースから、「地震で動物園からライオンが脱走した!」っていうひょっとしたらあるかも???って思わせるようなフェイクニュースまで、いろいろなフェイクニュースがあります。
フェイクニュースかどうかを見極めるのは難しい
虚構新聞という虚構な内容で書いた新聞があるのですが、その記事が虚構じゃなくなったりする世の中なので、ほんと、なにが正しくて何が嘘なのか見抜くのは難しいです。
まあ、フェイクニュースかどうか?を見極めるには、それ相応の知識と観察力と常識が必要なので、普通に難しいかもしれません。
しかし、フェイクニュースを流す人は、その他のフェイクニュースにも騙されてしまうことが多いので、そういう人の言ってることは最初から「フェイクニュースかも?」と疑ってかかると見抜きやすいかもですね。
フェイクニュースの問題点
このフェイクニュースですが、何が悪いかっていうと、訂正されずに拡散しちゃうことです。
なんで拡散しちゃうのか?
その理由が明らかとなった調査があります。
友人がニセ情報をシェア、8割は指摘せず放置 理由は「面倒だから」
2017年07月22日
丹治翔友人がニセ情報をシェアしていた時に、8割は指摘せずに放置。
その理由の半数は「面倒くさい」から――。
LINEがユーザーにフェイクニュースに関するアンケートをした結果、こんな傾向が見えてきました。
一度拡散すると、そのまま広がり続けてしまうこともあるフェイクニュース。
調査に関わった博報堂ブランドデザイン若者研究所の原田曜平さんは「『フェイクニュースを載せている』と指摘できるほどの深い人間関係が減ってきている」と分析します。(略)
フェイクニュースに関してはまず、ニセ情報やウソニュースをネットに書き込んだり、シェアしたりしたことがあるかについて聞きました。
その結果は、・書き込んだり、シェアしたことはない…79%
・書き込んだり、シェアしたことがあり、トラブルになったことがある…1%
・書き込んだり、シェアしたことがあるが、トラブルになったことはない…20%でした。
2割の人がニセ情報を書き込んだり、シェアしたりした経験があるようです。
中でも、男性の10~30代は約3割が該当しました。(略)
周りの人がニセ情報を拡散していた場合についても聞きました。
「ネットで友人・知人がウソニュースやニセ情報を信じ込んで他人にシェアしていたのを見たことがあるか」と聞いたところ、・見たことはない…66%
・見たことがあるが、指摘したことはない…27%
・見たことがあり、みんなから見えるところで指摘したことがある…3%
・見たことがあり、みんなから見えないところで指摘したことがある…5%と、およそ3分の1は「見たことがある」と回答。
そのうち79%は「見たことがあるが、指摘したことはない」と答えました。(略)
指摘しない理由を自由記述で聞くと、46%が「面倒だ」に該当しました。
「トラブルに巻きこまれたくない」(男性10代ほか)などといった人間関係の面倒さや、「ニュースがガセか確定することが面倒」(女性30代)などといった事実確認についての面倒さが具体的に挙げられました。【人間関係】
・他人に干渉している余裕はないから(男性10代)
・関係に亀裂が入るのが嫌だから(女性10代)
・わざわざ指摘して口論になったらめんどくさいと考えてしまう(男性20代)
・そのうち気づくだろう、関係ないって思うから(女性20代)
・注意する義理もないから。間違っていることをそのまま信じていても関係ないことだから(女性30代)
・何が正しいか、わからないし、指摘したことで、自分がさらされるのは、面倒だから(女性40代)
・本当にウソのニュースなのか自分にも自信がないので関わらないでおこうと思うから(女性50代)【事実確認】
・そもそも自分の情報が合っているかどうかすら不明瞭だから(男性10代)
・本当にデマか分からないから(女性20代)
・指摘しうるソースが用意しきれない(男性30代)
・ウソかどうかを確かめることに時間を使いたくない(女性40代)
・最終的に何が真実か、その段階ではわからないから(男性50代)
・どの判断が正しいかはわからない(女性50代)
・内容詳細を自分で把握してないから(男性60代)このほかにも、「ウソや偽物に騙されるのも含めてのsns利用だと思うから」(男性30代)、「大した影響がないと思われるから」(男性50代)、「ネタRTかもしれなかったから」(女性10代)、「真意がわからないから」(女性20代)などといった「指摘しない理由」がありました。
ニセ情報の指摘、面倒や忖度を恐れずに
友人や知人がニセ情報をシェアしていても、8割近くが指摘しないという結果に、原田さんは「フェイクニュースを載せている知り合いがいても、それを指摘できるほどの深い関係性が世の中から減っている。
SNSの普及によって、若者を中心に人間関係の数は劇的に増えたが、深い関係を築ける人は減った」と分析します。「面倒だと思っているのかもしれないし、あるいは、相手のプライドを傷つけてはいけないと、忖度しての行動かもしれない」と原田さん。
その上で、「面倒や忖度を恐れず、風通しの良いコミュニケーションが求められるようになっているのでは」と指摘しました。
フェイクニュースが拡散される理由
フェイクニュースについては、8割の人が「見て見ぬふり」をしているようです。
誰もデマを指摘しない(できない)状態にあります。
それは、人間関係の問題が多いようです。
また、指摘したとしても「ブロック」されたらそこまで。っていう現実もあります。
そして、フェイクニュースを流す人は、「自分が間違っているとは考えない」人が多く、「間違いを指摘されてもプライドから訂正しない」人が大半を占めます。
なので、
フェイクニュースを流したり騙されたりする人は、正しい情報のアップデートができない状態となり、フェイクニュースがフェイクニュースのまま拡散されてしまう。という悪循環が生まれる
のです。
フェイクニュースを指摘してくれる人が大事
この悪循環を断ち切るには、
「それデマだから!理由は○○。ソースは○○。」
と説明してくれる人と、
「デマだと理解できたらそれを受け入れられるだけの心の余裕」
が必要となります。
しかしながら、わかりやすく、かつ、正確に物事を教えてくれる人はなかなかいないのが現実のようですね。
追記:2017.8.5
実際に、検証すると、こんな感じですね。ツイッター伝統芸能:一人目「雷が水に落ちるとこうなる」11万RT 二人目「デマです。機雷です。」1万RT 三人目「違います。掘削です。」125RT pic.twitter.com/fvYsdsaVRk
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) August 4, 2017
デマは訂正されにくいわけです。