ウナギがいなくなった本当の理由は?
2017-07-21
今年の夏の土用の丑の日(どようのうしのひ)は 7月25日と8月6日です。
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土用の丑の日
昔から、土用の丑の日には、「う」の付くものを食べると夏バテしないと言われておりました。
そこで、土用の丑の日には梅干しとか、ウナギとかが食べられるようになったんですね。
しかし、生物学的には、天然のウナギの栄養価が高い時期は10~12月で、昔の夏のウナギはそんなに好まれておりませんでした。
が、やっぱり比較的栄養価が高いので、万葉集の時代(7世紀後半から8世紀)でもウナギは精の付くものと言われていたようです。
痩す痩すも 生けらばあらむを 将やはた 鰻を漁ると 河に流れな
大伴家持 巻16‐3854石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ
大伴家持 巻16‐3853万葉集の中に、大伴家持が吉田連老という人に贈った歌がある。
この老という人は、身体がひどく痩せていくら飲んでも食べても、飢えた人の様に少しも肥えなかった。
そこで家持は老を痩(や)す痩(や)すも生けらばあらむを 将(はた)やはた 鰻(むなぎ)を漁(と)ると河に流れなと言ってはやしている。一読すればわかるようにざれ歌である。
「痩(や)す痩やす生けらばあらむを」とは、いくら痩せていてもじっとしていれば生きていられるものを、「将(はた)やはた」もっと元気になってやろうと思って、「鰻(むなぎ)を漁(と)ると河に流れな」うなぎを取ろうと思って川に入り、水にながされるなよ、と忠告している歌である。
自分は痩せこけているからと、太りたい一心でうなぎを取ろうと思い、川に入るのはいいが水に流されては元も子もないぞ、と冷やかしているのだが、この歌から、うなぎを食べると太って健康になるという知識が当時からあった事が解る。
ウナギを食べよう!のキャッチコピー
江戸時代に、土用の丑の日にはウナギを食べると良い。と宣伝をした人がいるようです。
通説(平賀源内説)
鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が最もよく知られている。
平賀源内説の出典は不明で、前述の『明和誌』にあると説明するケースもあるが、『明和誌』には記されていない。
源内説は細かなバリエーション違いがあるが、要約すれば「商売がうまく行かない鰻屋(知り合いの鰻屋というパターンもある)が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の元に相談に赴いた。
源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。
すると、その鰻屋は大変繁盛した。
その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した」というもの。丑の日と書かれた貼り紙が効力を奏した理由は諸説あり定かではないが、一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ、鰻以外には瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようだが、今日においては殆ど見られない。
通説(平賀源内説) より一部抜粋
シラスウナギの数が激減
さて、最近は日本近海でとれるウナギの稚魚(シラスウナギ)が激減しております。
ニホンウナギ、絶滅危険度最高に 個体数急減で台湾政府が指定へ
2017/7/21 17:35
資源量が急減しているニホンウナギを、台湾政府が最新の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で「最も絶滅の危険度が高い種」に指定することが分かった。
関係者が21日、明らかにした。
日本の環境省や国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、いずれも絶滅の危険度は1ランク低く、台湾では状況がより深刻とみられる。
台湾の業者は稚魚を捕獲して養殖し、ほとんどを日本に輸出する。
絶滅危惧種となってもすぐに採捕は禁止されないが、今後、漁獲規制が強まり、供給に影響が出る可能性がある。
ニホンウナギをワシントン条約の対象種とし、国際取引を制限するよう求める声も強まりそうだ。
ウナギの価格は低い
しかし、ウナギの価格は低いんですね。
今年は1割安め=ウナギの輸入がピーク-成田空港
25日の「土用の丑(うし)の日」を前に、中国や台湾から輸入されたウナギ=19日、成田空港25日の「土用の丑(うし)の日」を前に、ウナギの輸入がピークを迎えようとしている。
成田空港の貨物施設では19日、東京税関の職員らが、生きたまま中国や台湾から空輸されたウナギの通関作業に追われた。
ウナギ専門商社の「丸勝」(千葉県成田市)は、この日3.3トン、約1万6500匹と通常の3倍を輸入。
ピークの23日には10トン、約5万匹に達する見込みだ。
(略)
(2017/07/19-16:01)
絶滅寸前なのに、大量にいる理由
獲り続けたら全滅するぞ!って言われてるウナギなのに、価格は安いし、大量に入ってくる。
不思議ですよねぇ。
なんでか???
答えは簡単。
私のメルマガno.10 2013.7.12発行 「ニホンウナギのおはなし」 から一部抜粋しながら解説していきます。
ニホンウナギのおはなしno.10 2013.7.12発行
ニホンウナギ 絶滅危惧種へ検討
ウナギ、おいしいですよね!
さて、最近、IUCN=国際自然保護連合のレッドリストにニホンウナギなどの19種類のウナギが登録されるかも?って話が出てますね。
ニホンウナギ 絶滅危惧種指定の危機 IUCNが本格的検討へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130705/k10015840851000.html(リンク切れ)
シラスウナギが取れなくなってきている
日本人はウナギが好きでして、全世界のウナギの消費量の7割を日本で占めているようです。
近年、日本で、シラスウナギが取れなくて困ってますね。
1960年代の初め、「日本の」シラスウナギの漁獲高は230トンです。
1980年代には「日本の」シラスウナギの漁獲高は100トンに減少します。
1990年代、「日本の」シラスウナギの捕獲量は25トンにまで減ります。
で、日本はどうしているか?
シラスウナギを中国から50%ほど購入してるんですね。
そして育ててます。
育ったウナギも、中国・台湾から輸入してます。
日本で食べられているウナギの実に50%以上は中国産・台湾産なんですね。。。
シラスウナギの捕獲量が減った理由
さてここで問題です。
ニホンウナギの稚魚、シラスウナギの捕獲量が減ってきたのは何故でしょう?
儲かる話には中国が絡んできます。
中国・台湾は、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)を大量に捕獲し、日本に売るようになりました。
また、養殖も始め、成魚も日本に売るようになりました。
これが、実は、1960年代からなんですね。。。
上記に挙げた数字は、「日本での」シラスウナギの漁獲高です。
中国、台湾がシラスウナギを大量に獲っている
さて、中国、台湾は、シラスウナギをどれだけとってるんでしょうか?
ニホンウナギは、マリアナ海溝沖で産卵します。
その後、ふ化したシラスウナギは、マリアナ海溝(日本の南)で産まれ、海流に乗って、インドネシア方面へ移動し、台湾、中国の海辺を通って、黒潮に乗って日本にたどり着きます。
そして日本の川にのぼり、成長します。
大きくなるまで10年以上かかります。。。
そして、産卵するためにマリアナ海溝に帰っていくわけです。
でも、日本に来る前に、中国付近の海で稚魚であるシラスウナギがほとんど獲られてしまったらどうなるでしょう?
最終的には産卵するウナギの数も激減するんです。
中国は日本に売るためにシラスウナギを乱獲し、シラスウナギを高値で日本に売り、さらに養殖して、成長したウナギも日本に売る。
これを繰り返しているんです。
儲けるために。
ウナギの値段が下がった理由
なんでシラスウナギが減っているのに、ウナギの値段が下がっているのか?
中国がめっちゃたくさん養殖しちゃったから、売らないと損するからです。
(略)
また、ウナギが減っているから!とは別に、中国産のウナギは、あんまり食べないほうがいいです。
身体に良くないものが混ざってる可能性大です。。。
中国産養殖鰻のマラカイトグリーン検出について
中国が食べもしないウナギを大量に養殖する理由
なんで中国がシラスウナギを大量に獲って、ウナギを養殖して日本に売るのか?
答えは、日本人が買うから。です。
やっすい中国産ウナギを買う。という行為をする日本人が、結果的に日本ウナギを絶滅に追いやっているわけですね。
日本が乱獲してるんじゃないんですよ。。。
日本は、日本がとる量だけで、「商売としては」充分やっていけてたんですよ。。。
それを、庶民が安い値段でウナギを食べる文化ができてしまって。。。
ぶっちゃけ、高級店以外でウナギを食べなけりゃ、中国も儲からないので撤退し、ウナギは絶滅せずに済みます。
ウナギは天然ものがよい
ウナギは、高くても、日本の天然物を食べましょう。
ウナギが減っているから!って、天然物も食べなかったら、むしろ、ウナギ屋さんが破産し、返って逆効果なんです。
マグロやウナギが食べたいんなら、稚魚乱獲してる中国とかに文句言うのがはやいですね。あれは環境とかじゃなく、乱獲の問題ですから。いくら日本が規制しても無駄です。 https://t.co/E4LfyFBOkn
— いいな (@iina_kobe) September 14, 2016
ウナギが減ってるのは、シラスウナギが日本近海に入るまでに中国や韓国沿岸で採り尽くされてるからであって、そこを知らずに量が減っている!とかいうのはおかしい。
日本が中国から買うから、中国は獲るのであって。。。— いいな (@iina_kobe) May 10, 2015
追記2018.6.6
ウナギもあと数年すれば大量にわいてくるんじゃなかろうか。
— いいな (@iina_kobe) February 7, 2013
毎年同じところで獲ってるんでしょうね。 RT @uni_2030: 海流が変われば、たぶん RT @iina_kobe: ウナギもあと数年すれば大量にわいてくるんじゃなかろうか。
— いいな (@iina_kobe) February 7, 2013
私も、ニホンウナギは違うところに行ってるだけだと思う
— いいな (@iina_kobe) July 9, 2013
ニホンウナギがとれなくなったのは、海流の変化と乱獲だと思うよ。絶滅はしないんじゃないかな。
— いいな (@iina_kobe) July 30, 2013
シラスウナギがとれない!ってのはただたんに海流とかで北上経路が変化しただけで、個体数は変わらんと思うよ。
— いいな (@iina_kobe) February 2, 2018
と、乱獲と海流のせいなんじゃないのか?という話をしていたんですが、最近、それが裏付けられました。
6/4(月) 10:00配信 産経新聞
ニホンウナギ(上)は稚魚の不漁が続き、うな重などの価格は高騰の一途だ(水産研究・教育機構などの資料を基に作成)
ニホンウナギの不漁が続いている。
今年の原因は稚魚の「シラスウナギ」が減ったからではなく、日本沿岸を訪れる時期がずれ込んだためらしい。最近の研究で稚魚が生まれる場所や、回遊ルートに及ぼす風の影響などが判明し、謎だった生態の一部が見えてきた。(伊藤壽一郎)
【見えてきた旅路の謎】 不漁と豊漁…ニホンウナギ稚魚増減の理由
日本の河川で育ったニホンウナギは産卵期が近づくと、太平洋を南下しマリアナ海溝付近で産卵する。
孵化(ふか)した幼生は北赤道海流に運ばれて西へ向かい、フィリピン沖から台湾沖へ北上。
その後は黒潮に乗り、稚魚のシラスウナギとなって日本に戻ってくる。日本の養殖ウナギの大半は、沿岸にたどり着いた稚魚を12~4月の漁期に捕まえて、養殖池に入れて育てている。
昨年12月の池入れ量は前年同月比97%減のわずか0・2トンにとどまり、今期は空前の不漁が懸念されていた。
だが漁獲量は徐々に増え、4月末までの池入れ量は計14トンに。
水産庁によると2003年以降では13年に次ぐ少なさだが、前年の7割程度を確保でき、かば焼きが食べられなくなる事態は回避された。この理由について、水産研究・教育機構中央水産研究所の黒木洋明グループ長は「稚魚の量が急減したというより、日本近海に来る時期が遅くなったことが原因の一つだろう」とみている。
確かに過去2年間の池入れ量のピークは12~1月だったが、今期は3月と大きくずれ込んだ。
国内で禁漁となる5月以降も、日本沿岸にかなりの稚魚が来遊していることが水産関係者から報告されているという。日本に戻ってくるウナギは全て稚魚で、幼生のまま来ることはない。
幼生がどこで稚魚に姿を変えるかは謎だったが、同研究所は台湾の東方沖で稚魚に変態する途中の個体を多数採取。変態中のウナギが同じ海域で大量に見つかった例はなく、ここが稚魚の古里らしいことが分かった。この海域には直径数百キロの大きな渦がいくつもあり、自ら泳ぐ力がない柳の葉のような形の幼生(レプトセファルス)を取り込んでいく。
福田野歩人(のぶと)研究支援職員は「幼生は渦の中で変態し、稚魚になって泳ぐ力がつくと渦を抜け出して黒潮に乗るのではないか」とみている。稚魚は黒潮の早い流れにいったん乗ると、最速約1週間で日本近海に到着する。
日本への到着時期が数カ月も前後するのは、いつ台湾沖を訪れ、渦を脱出するかが鍵を握っている可能性がある。
産卵時期や成長速度、海流の向き、渦の強さなどで変動すると考えられるが、詳しい研究はこれからだ。一方、稚魚が減少する新たな要因も分かってきた。
1950年代に年間200トンを超えていた国内の漁獲量は昨年、15・5トンに落ち込んだが、この長期的な減少は太平洋の風が影響していることを海洋研究開発機構と日本大の研究チームが突き止めた。チームは気象や海洋の観測データに基づき、93年から約20年間のウナギ回遊ルートの海流変動を模擬解析した。
その結果、回遊ルートの内側を時計回りに吹く風が弱まる傾向にあることが分かった。風が弱いと北赤道海流は南方に移動するため、幼生の多くは台湾沖に向かわず、フィリピン沖を南下する別の海流に乗ってしまい、日本に来る個体が減って不漁になるという。
マリアナ海溝付近で1万8千個の卵が孵化したと仮定し、約8カ月で稚魚がどこまで到達するかも解析。
風が弱い年は日本にほとんど届かず、強い年は大量にやってくることが判明し、実際の漁獲量ともほぼ一致していた。風の強さは長期的に変動することも分かった。
もし今後、強い時期に転じれば日本近海の稚魚が増える可能性もある。
海洋機構の宮澤泰正グループリーダーは「ニホンウナギの大回遊と資源量の変動には数多くの謎が残っている。さらに解析の精度を上げて解き明かしたい」と話している。
コメント
H Suzuki
天然うなぎの減少した隠れた事実 『 鵜 』が食い荒らしています。(本当ですヨ) 机の前の学者及びそれに準じた人々 昼ま 川辺に行き『鵜』の行動を観察して見たら、了然です。
ASMR
記事を読んでいて思ったのですが
結局、日本人がそのほとんどを食しているのに「ウナギが減ったのは中国・台湾が乱獲してるのが原因!」という結論はすごく違和感があります。
日本は善意の消費者とでも言うのでしょうか?
だったら売買春は、性を売る女性が悪くて、買う男性は善意の消費者だから悪くないのですか?
iina-kobe
最近は、日本人がウナギのほとんどを食しているわけではありません。
中国は最初は日本のために乱獲していたのですが、中国人も食べ始めるようになり、さらに乱獲する量が増えました。
現在では日本よりも中国のほうが数倍ウナギをたくさん消費しています。
中国がいくらでも獲ってしまうので、日本だけが漁獲量を規制しても無駄なんですね。
自然への敬意が足りない
中国や台湾が鰻乱獲で自然を破壊してるのは明白。
それを四の五の言ってごまかそうとする奴らは本当に誠意が無いと思います。
めいこうたろう
うなぎ食べたい