安田純平氏にカタールが身代金を出したその意図は?

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安田純平氏にカタールが身代金を出したその意図は?

2018-10-25

シリアで行方不明になっていたフリージャーナリストの安田純平さんが2018年10月23日に解放されました。

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4回の拘束と解放

安田純平氏はフリージャーナリストで危険なところへ行ってそこの取材をしその情報を日本に伝える。という大変重要なお仕事をしております。
しかしながら、彼はジャーナリストとしてはあまり出来が良くなく、なんと4回も拘束されております。

1回目:2003年イラク軍に拘束される
2回目:2003年イラク警察に拘束される
3回目:2004年バクダットで武装勢力に拘束される
4回目:2015年ヌスラ戦線に拘束される

そして、そのたびに、日本政府などに助けてもらっております。
2004年の時は、こんな感じ。

解放の安田さんらに航空運賃など請求(リンク切れ)
2004/05/17
イラクで武装勢力に拘束された後、解放され、先月、帰国したフリージャーナリストの安田純平さんと、NGO活動家の渡辺修孝さんに対し、外務省が航空運賃など合わせておよそ500ドルを請求していたことが分かりました。
安田さんによりますと、請求は12日、邦人保護課からファックスで届いたということです。
安田さんは「元々、実費は払うつもりでいた」と話していますが、渡辺さんは「支払いに同意した覚えはない」などと、 言っていたということです。

今回、2018年の解放ではこんな感じです。

解放へ「カタールが身代金3億円」…監視団体
2018/10/24(水) 17:20配信

 【イスタンブール=倉茂由美子】シリア内戦を調査している在英の民間団体「シリア人権監視団」のラミ・アブドルラフマン代表は23日、読売新聞の取材に応じ、ジャーナリストの安田純平さんとみられる人物が解放されたことについて、カタールが身代金300万ドル(約3億3700万円)を支払ったと主張した。

 アブドルラフマン代表は、複数の信頼できる情報筋から得た情報とした上で「カタールは、日本人の人命救助への貢献を国際社会にアピールするためだった」と話した。
「日本政府はテロ組織への身代金支払いは拒否した」とも指摘した。
 安田さんは2015年、シリア北西部イドリブ県で当時のヌスラ戦線に拘束された後、別の過激派組織に引き渡されたとみられる。イドリブ県の反体制派組織と関係の深いカタールとトルコが交渉し、19日頃に解放が決まったという。

日本政府が身代金を支払わない理由

日本政府は、「テロには屈しない」という方針の元、テロリスト集団には金銭を与えないこと、つまり、たとえ人質となった日本人がいても、身代金は支払わないことを明言しております。
よって、今回の解放においても、「日本政府はテロ組織への身代金支払いは拒否した」と書かれている通り、身代金は支払っていません。

日本人が拘束されているのに日本政府はなんて冷たいんだ!って思う方もいらっしゃるかと思うのですが、実は、身代金を支払うということは、武装勢力に資金を提供し、そのお金で武装勢力が武器や弾薬を買って、罪のない人が何人も殺害される。ということを意味しているのです。

ですので、2015年にも、「イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」が日本政府に対し、2億ドル(約236億円)の身代金を支払わなければ人質としている邦人2人(湯川遥菜さんと後藤健二さん)を殺害する」と脅迫された時も、身代金を支払っておりません
後に二人は殺害されたとみられます。

参照:日本は「テロに屈しない」菅官房長官、イスラム国脅迫後会見
2015年1月20日 17:47 発信地:東京
(略)
菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は20日午後の記者会見で、政府として「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」姿勢に変わりはない、と述べた。
(略)

シリアは退避勧告が出されている地域

そもそも、シリアは、退避勧告がなされている地域です。

外務省 海外安全ホームページより

日本政府はシリアやイラクの大部分に対しては、
「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」という退避勧告を出しております。
当然のことながら、安田氏の渡航に対しても、政府は渡航をやめるように指示しています。
しかしながら、安田氏は、Twitterで、

戦場に勝手に行ったのだから自己責任、と言うからにはパスポート没収とか家族や職場に嫌がらせしたりとかで行かせないようにする日本政府を「自己責任なのだから口や手を出すな」と徹底批判しないといかん。

と、自己責任で行くんだから、日本政府は邪魔するな!といっています。

そして、強行して行って、捕まったわけです。

武装集団はなぜ日本人を拘束するのか?

武装集団が日本人を拘束するのは、「武器や弾薬を買う金が欲しいから」です。
なので、安田氏は日本政府に「助けてください」とお願いを強要させられます。

こうすることで、日本の人たちに「かわいそうだから助けてあげて!」という同朋意識を芽生えさせようとするわけです。

しかし、よくよく考えると、
・政府が渡航するなと言っているところに「自己責任」で行き、
・むざむざ捕まり、
・日本に「武装集団の武器や弾薬の資金となる金」を出せと要求した

わけです。

彼、武装集団の一味なんじゃないの?

それどころか、かつて安田純平と共に救出された渡辺修孝は、日本政府に500万円の損害賠償請求を起こしていたりするんです。
安田純平と共に救出された渡辺修孝、日本政府を逆恨みして500万円の損害賠償請求を起こしていた
いったい、彼らはなにがしたいのか。。。

カタールが安田氏の身代金300万ドルを支払った理由は?

さて、今回、日本政府の代わりにカタールが安田氏の身代金を支払いました。
カタールにいったいどんなメリットがあるのでしょう?
いいなが予想してみます。

実は、カタールは、現在、サウジアラビアなどの周りの国と国交を断絶し、経済制裁を受けております。
参照:中東の覇権争い収束遠く、サウジ・カタール断交1年
理由は、2017年6月5日、サウジアラビアなどの4カ国が、「カタールはテロ組織支援やイランとの親密な関係にある。」と断定したからです。
なのでその後、カタールからたくさんの国の企業が撤退しました。

しかし最近、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で死亡するという事件が起こり、サウジアラビアが大ピンチとなっております。
たくさんの国が、サウジアラビアから手を引こうとしています。
その矢先、カタールは3億円を払って日本人の安田氏を解放したのです。
こうなると、日本はカタール支援を約束せざるを得ません
サウジアラビアから買っていた石油もカタールから買うことになるやもしれません。

カタールにとっては、人質解放の3億円など安いものでしょう。

というわけで、サウジアラビアと敵対するカタールは、まんまと世界中の注目を浴び、「良い国だ」という印象を付け、かつ、日本からの支援もゲットできたわけですね。
安田さん解放 首相、カタール、トルコに「感謝したい」

ちなみに、今回の解放劇は、身代金を出せない日本政府がカタールに仕掛けた外交だと思っております。
日本政府はなんもしていないじゃないか!っていうのは、ちょっと違うと思いますよ。
カタールに、手厚い補償を持ち掛け、日本人を解放に導いたのは、日本政府だと思います。


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