かけ算に順序なんてあるの?

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かけ算に順序なんてあるの?

かけ算に順序なんてあるの?
っていう話題がまたぶり返しているようです。
私も2013年11月22日に、 

掛け算に順序なんてあるの?

というタイトルのメルマガを書いておりましたので、かけ算の順序問題について、このブログにも書き残しておきたいと思います。

解答がXになった例

今回の事の発端は、このツイートでした。


この図の通り、
6個が1パックになったタマゴが5パック、計30個あります。
この卵の個数を計算するのに、
5x6=30
5(パック)x6(個)=30(個)として答えを出したら、不正解となった。ということです。

さらに、
3センチのテープが7つ続いたテープの長さを求める際に、
7x3=21
7(本)x3(センチ)=21(センチ)として答えを出したら、不正解となった。ということです。

普通の社会人なら、

どっちも正解やろ?

って思うと思います。
しかし、

小学校の最初に習う算数のかけ算では、一つしか正解ではないんですね。

掛け算に順序なんてあるの?

そんなの常識的におかしいだろ!っていう人のために、メルマガ「生物学博士いいなのぶっちゃけていいっすか?」のno.29「掛け算に順序なんてあるの?」(2013年11月22日発行)から、一部抜粋してみます。

以下メルマガよりコピペ

発端のブログ

掛け算に順序があるのかないのか?っていうのが話題となっていますので、ちょっと整理してみます。
発端はこのブログです。
6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性

引用します。

★僕にも解けない算数の問題
僕はブログにはプロジェクトワーク以外のことは書かないことにしていたのだが、あまりに憤慨したのでちょっと聞いて欲しい。
写真は、娘(2年生)の算数のテスト。

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。
ご覧のように、「8×6」だとバッテンで、「6×8」だと正解らしい。
何じゃこりゃ。
僕がテストを受けたとしても「8×6」と書く。
だって問題文はその順番に書いてあるから。

さらに答の48本もバツ。丁寧に赤ペンで48本と直してくれている。
さらに意味不明。

★娘にヒアリングしてみた
「何でバッテンだったか、先生説明してくれた?」
単位が違うと、式の順番が違うんだって」
「? 意味分かる?」
「全然分かんない」
「じゃあ・・ウサギには2本の耳がある。ウサギは4羽いる。耳は全部で何本?」
「ずつ、が入ってないからどっちが先か分かんない。答えは8本だけど」
「じゃあ・・ウサギには2本ずつ耳がある、だったら?」
「それなら、2×4=8本」
「ずつ」がある方を先に書く、と覚えている訳です。
うーむ、教育上じつによろしくない状況ですな。

★かけ算では書く順番が大事??
不思議に思って「かけ算 順序」などでWebを検索してみたところ、状況が見えてきた。

・どうやら今の小学校では、かけ算の記述順にこだわりがあるらしい
・こだわりの順序とは逆に書くと、×にする教師が多い
・当然ながらそれについては論争があり、×にすることに対してナンセンスという意見もある。

赤ペン先生で有名なベネッセが「かけ算の順番が逆だったらバツにすべきだよ派」らしいので紹介したい。

かけ算の式は「一つ分の数」×「いくつ分」の順に書く約束になっているので、問題文から正しく読み取って、その通りに式をかけるようにしましょう。
小学校では、式の意味を理解することが大切なので、このような約束があります。

どうやら、
「6×8」と書くと「6本×8人」を意味するのだが、
「8×6」と書くと「8本×6人」を意味することになってしまうのでNG
ということらしい。
僕はこれを読んで益々考え込んでしまった。そもそもこんな約束あったっけ?
わり算だったら、書く順番は大事だ。でも、かけ算にはどうでもよくね?
日々かけ算を使っている僕ら大人が知らなくても困らない「約束」って、存在意味があるのだろうか?
そしてこの「約束」に従って採点することは、数学的にどうなんだろうか??

(以下略)

大切なお約束

はい、引用ここまで。

この人は、

小学校で、一番最初に掛け算を教える時の基本的なお約束である、

かけ算の式は「一つ分の数」×「いくつ分」の順に書く約束になっているので、問題文から正しく読み取って、その通りに式をかけるようにしましょう。
小学校では、式の意味を理解することが大切なので、このような約束があります。

を理解していませんね。

小学校二年生で掛け算を習う最初、ほぼすべての子供が、

かけられる数(一つのかたまりにある数)x かける数(いくつぶん)

と習います。

ただし、世界共通ではありません。

国の言語の文法によって違うみたいです。

日本語での算数のかけ算

ここからは、日本のおはなしだと思ってみてくださいね

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。

という文章題では、上のお約束に従い、
「一つ分の数」(かけられる数)が6本で、「いくつ分」(かける数)が8人ぶんですので、
6x8が正解です。

かけ算は、足し算の後に習います。

ここが重要。
かけ算は、足し算の延長上にあるのです。

この問題の場合、足し算でいうと、6本+6本+6本+6本+6本+6本+6本+6本=48本となります。
9人になったら、6本(一つのかたまりにある数)が、1人分増えるので、6本を足しましょう。
でも、6x9のほうが簡単だよね!
っていう教え方をします。

なので、8x6だと、8人のかたまりが6本分=48人となってしまうのです。
足し算でいうと、8人+8人+8人+8人+8人+8人=48人となります。
9人になったら、9人(一つのかたまりにある数)が、1本分増えるので、8を足しましょう。
となっちゃいます。

日本語的におかしいですよね。
なので、8x6だと「文章題の式としては」バツなのです。

しかし、このブログ主の娘さんのテストでは、答えが「48本」でバツになってますね。
これは、先生がおかしいです。
この場合、式がバツ、答えは正解のはずです。

しかもこの先生、式がバツなのはなぜ?
という問いに対して、きちんと教えていない模様です。
普通の先生なら、上に書いたように、

きちんとかける数とかけられる数の概念を教え、「乗法(掛け算)のやり方」を説明し、子供に、あっ!そうか!と納得させるのです。

しかし、この先生はそれをやっていない。
これに対して怒るのは、親としてごもっともです。

日本の教育指導要領に基づいた指導法

乗法のやり方の指導法は、

かけ算の式は「一つ分の数」×「いくつ分」の順に書く約束になっている

ので、これに従わないと少なくとも、日本でかけ算を習った直後ではバツになります。

このブログの筆者がそれを習っていないというのであれば、それはブログ主の先生にも問題があったのでしょう。
戦後の義務教育では、一貫して、かける数とかけられる数の概念は教えているはずです。

この、「かける数とかけられる数の概念」が、
「教育指導要領にのっていない!」
もしくは、
「教育指導要領には掛け算の順番なんか書いてない!」
と怒る人がたくさんいます。
はたしてそうでしょうか。

教育指導要領には、

・「乗法が用いられる場合とその意味」
乗法は、一つ分の大きさが決まっているときに、その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。
つまり、同じ数を何回も加える加法、すなわち累加の簡潔な表現として乗法による表現が用いられることになる

とかかれてます。

つまり、

足し算でもいいけども、その「延長線上の表現に」掛け算があるんだよ。

ということです。

上の例でいうならば、
6本(一つのかたまりにある数)が、1人分増えるので、6を足しましょう。
の部分ですね。

そして、

・乗法に関して乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えるという性質や、
乗法についての交換法則について
児童が自ら調べるように指導する

と明記されています。

「乗法に関して乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えるという性質」つまり、

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで48本いります。一人増えたらあと何本いるでしょうか。

という問題があった時、

6(被乗数、かけられる数)x8(乗数、かける数)+6(被乗数分)=54本
と、
6(被乗数、かけられる数)x9(=8+1、乗数、かける数)=54本

という性質を理解させましょう。

また、

この場合、9人x6本でも同じ「数」になりますね。という交換法則を児童が見つけるように指導しましょう。

ということなのです。

交換法則を用いる前の大前提

なので、交換法則を使用できるのは、「かける数」と「かけられる数」がどっちがどっちなのか?を理解していることが大前提となります。

そして、この、「かける数」と「かけられる数」がどっちがどっちなのか?を理解しているかどうか?
を試すために、

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いりますか?

という、数字的には先に8、後に6が出てくるので、8x6と書きたいひっかけ問題をだしてチェックするのです。
そして、8x6と書いて間違った場合には、もう一度、

乗法に関して乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えるという性質

を説明し、生徒に納得してもらうのです。

ようは、どっちが「かけられる数」で、どっちが「かける数」なのか、を理解してもらうのです。
これが二年生での指導法です。

4年生になっても、この「文章題のひっかけ問題」は出てきます。
そして、間違う子供もたくさんいます。
そして、先生は、「思い出してごらん?かけられる数とかける数を習ったでしょう?」
と問います。
すると、生徒は、「あっ!そうか!」と思い出すわけです。
これは、教師歴40年の先生に聞いたので、間違いないです。

かけ算自体には順序はないが、文章題の場合には順序がある

ということで、何故、掛け算に順序なんてあるの?
なんていう「題」になったのか、わからないんですが、しいて言うなら、

掛け算には順序なんてありません。

しかし、「文章題の場合には」、「かけられる数」と「かける数」が定義されていて、
「乗法に関して乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えるという性質」
を利用してこの問題を解きなさい!というのが問いなわけですから、

そのルールに則って、式を書き、答えを書く。

のが基本となります。
このルールを知らない、もしくは守れない親が、モンスターペアレンツとかになってしまうわけです。

このルールができた理由

このルールがどうやってできてきたのか?に関しては、

昔からこの方法でやってきて問題なかったから

としか言いようがないです。

かけ算で、なんで「はっぱろくじゅうし」っていうの?
っていうのと同じで、それで覚えたほうが速いから。
としか言いようがありません。
もっとも、これ以外にもっといい方法があるよ!っていうんであれば、その方法で教科書を書けばいいと思います。
それが効率的ならば、その教科書を使う学校が増えるでしょう。

学校はルールを守る力をつける場所

学校教育法 
第二十一条  義務教育として行われる普通教育は、教育基本法 (平成十八年法律第百二十号)第五条第二項 に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

一  学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
(以下略)

とありますように、

学校教育は、社会的活動、集団行動を通して、規範意識や判断力を養うためにあります。

定められたルールに従って、立式し、問題を解くのがルールであって、このルールに従って乗法などを理解する工程が出来上がっているわけです。

足し算の後に掛け算を習うのは、この工程を踏んでいくからなのです。
先に掛け算を習う人は違う工程を踏むことになります。

学校では、ルールに従わないならば、バツになります。

これは大人の世界でもそうです。

交換法則を使って数を扱えるようになるのは、あくまでも、
「乗法に関して乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えるという性質」
を理解したうえでのこと
です。

そして、この基礎となる性質を理解しているならば、ひっかけ問題で間違うなんてことはありません。
間違うならば、それは、理解できてないって事なのです。

算数は、数学とは違います。
算数は、国語の要素も含んでいるんです。
数学のように単なる数字を扱うのではなく、日本におけるリアルな生活を元にした数字の取り扱い方を教えるのが算数です。

要は、「かけ算の順序問題」は、数学で言う数字だけの問題なのでなく、もっと大きい意味での「物事の考え方の問題」「日本語の問題」なわけです。

かけ算は、足し算という基礎の延長上にある「応用」です。
足し算を理解してから、かけ算を応用によって理解するのです。


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コメント


  1. 物理屋

    2年で交換法則の説明として「1行あたり5個の3行分」も「1列あたり3個の5列分」も同じ物だということを習うにもかかわらず、文章題で順序が逆だと「1個あたり3行の5個分」であるかのような扱いを受けるのが腑に落ちません。兎が4羽いたら耳の数は右耳4本左耳4本の合わせて8本ではないんですか。

    「ずつの付いている方が先」あるいは「答えと単位が同じ方が先」というルールがあると習っている人達が沢山います。これは、”意味を考えずに順序だけ約束通りにするため”のテクニックが広まったものです。あなたも書いているように、バツなのは何故という問いに対してきちんと教えることをやっておらず、ルールだけ守らせています。発端のブログもそうです。元々の由来がどうであれ、この状況で保護者に対して「意味を理解することが大切なので約束を守らせる」と言っても説得力がありません。この方法で問題が無かったのは、もはや過去の話です。

    一つ分の数・幾つ分は教えているはずですが、順序が全国で一貫して教えられてきたわけではありません。手段は各々の学校に委ねられています。指導要領に累加の簡潔な表現として用いられるとは書いてありますが、一つ分の大きさが先で幾つ分が後でなければならないとまでは書いていません。順序が定められているという解釈について、文科省は「深く考えすぎだと思う」と言っていたそうです。

    本筋からは外れますが、本来「掛けられる数・掛ける数」とは単に「×の前に書かれている数・後に書かれている数」のことを指します。掛け算順序は、掛けられる数を先に書く指導ではなく、一つ分の数を掛けられる数にする指導です。

    数学の目的が「答えの数値を出す」というのは大きな誤解です。証明問題に代表されるように、算数以上に思考能力が重要で、文を組み立てる力も必要です。「ソクラテスは人だ。そして、人とは死ぬものだ。」が算数だとすれば「人は動物だ。そして、動物とは~」とより大きな括りについて考えるのが数学です。数字や四則演算が人、定数・変数や関数が動物に相当します。ソクラテスと人の繋がりは理解できている前提で、ソクラテスのような個々のリアルなケースに直接は触れないのが誤解の元でしょうね。しかし、科学や経済などの複雑な数字の取り扱いには算数では力不足です。

    Reply



    • iina-kobe

      コメントありがとうございます。
      現状、教科書はほとんどがこのブログで書いたような表現方法を使用してます。学校では沢山の子供に教えないといけないため、学校で習うやり方通りにしないとバツになります。
      最近の学校の先生は、かなり質が落ちていまして、きちんと教えるためのスキルを有してません。
      これは沢山の熟練の先生達が嘆いています。
      だからこそ、家庭や塾などでの教育が必要となってきております。そして、学校以外の教育を受けれない子供達との格差がどんどん開いていっております。もうこれは時代の流れなので仕方ないのです。
      数学と算数は違う。というのは、小学校レベルの話です。強いて言うなら、単位のある文章問題と数値だけのかけ算の違い。という意味です。

      Reply



  2. 物理屋

    私が通っていた公文式もそうですが、家庭や塾は必ずしも教科書に書いてある学校で習うやり方を教えるわけではありません。そんな中、きちんと教えるスキルも無く、手が回らないのでやり方が違うとバツでは、不満の声があがるのもまた仕方ないことでしょう。「習っていない漢字を使ってはいけない」という指導も同じように問題になっていますね。

    小学校レベルの話で数学を持ち出すのは、ちょっと意味が分かりません。(助数詞ではなく)単位のある問題なら、厳密にはm×m=㎡やm/秒×秒=mのような文字式が必要になるところを、場面毎に公式を用意し、数値だけ取り出して計算させるのが算数です。

    Reply



    • iina-kobe

      義務教育では、すべての人に公平に教えることが大事です。先に進んでいる人は、「順序なんかどうでもよい」と考えてしまうんですが、それを初めて習う人にとっては、順序は大事なのです。また、賢い子供は、「学校では順序が違うとXになる」ことを知っているので、きちんと正解を出せます。中途半端に知ったかぶりしてる子と、本当に理解していない子が、ひっかけ問題に引っかかるわけです。そして、義務教育では、きちんと理解しているかどうかを確認する必要があるため、こういう問題を高学年になっても出します。これは、戦後、ず~っとこうです。
      小学生レベルの話で数学を持ち出したのは、「算数は読解力を身につけ、かつ、ルールに従って答えを導き出すという教育指導方針である。」ことを理解せず(理解できず?)、順序なんてどっちでもいいじゃないか!という人が多数おられたからです。

      Reply



  3. 物理屋

    得手不得手もありますが、「学校ではバツ」というのは案外理解しがたいものです。先に進むこと以上に。また、理解できても納得できない人もいます。

    答えが単位と同じ方を先に書くと教えられたり、右耳4本左耳4本とも考えられると教えられたり、アレイ図に置き換えれば良いと教えられたりする子がいる一方で、一つ分の数の概念をきちんと教えられない先生がいるのに、順序のルールだけ確認することに何の意味があるでしょうか。順序が大事である理由がなおざりにされ、手段が目的化しています。

    高学年は初めて習う人ではありませんよね。なぜ補助輪を外させないのでしょう。

    Reply



    • iina-kobe

      ブログ、ちゃんと読んでもらえばわかると思います。

      Reply


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