6名が任命されなかった日本学術会議について、私が思うことを書いてみた
菅総理が6名の任命をしなかったことで話題となっている日本学術会議について個人的な意見を書いておきます。
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日本学術会議ってなに?
日本学術会議は、戦後の1949年、日本の発展のために、学者さんの意見を聞いて政治に反映させようと作られたものです。
なので、内閣府の特別の機関であり、210名の会員と約2000名の連携会員で構成されています。
任期
任期は6年間で、3年ごとに半数(会員は105名)の改選があります。
再任は不可となってます。
給料
日本学術会議の会員は、政府に任命はされているけれども、政府の意向を受けない独立した公務員の「特別職国家公務員」となります。
給料は、一回の会議で2万円+交通費程度らしいです。
ほとんどボランティアですね。
しかしながら、
国家からのお墨付きをもらった学者という名誉と権威が与えられます。
なので、そんなに業績は無いけど大学などにしがみつきたい人は欲しい名誉なのかもしれません。※個人的な感想です。
推薦
日本学術会議の会員になるには、会員からの推薦が必要です。
推薦書
会員は、次の会員を推薦することができます。
推薦理由や業績などを推薦人の名前とともに提出し、日本学術会議の選考委員会で選考され、その後、内閣総理大臣によって任命される。という流れとなります。
総理による任命
1983年、当時の中曽根総理大臣は国会で、「政府が行うのは形式的任命にすぎません。したがって、実態は各学会なり学術集団が推薦権を握っている」と答弁しております。
なので、いままでは日本学術会議で推薦された人がそのまま任命されていました。
しかしながら2017年の安倍総理の時、首相官邸は日本学術会議に対して「定員(105名)より多い名簿」を示すよう求め、日本学術会議側はそれに応じ、5名程度多い110名程度の名簿を提出していました。
安倍総理はその名簿の中から105名を任命しました。
要するに、過去にも、5名程度は任命されていなかったということですね。
安倍前政権が2017年の日本学術会議の会員選考過程に関与 定員超える名簿を要求
菅総理が6名の任命をしなかった理由
学問の自由の侵害なのか?
菅政権が発足して1か月ででてきたこの任命問題。
マスコミなどは「6名もの学者を排除してけしからん!学問の自由の侵害だ!」と言っておりますね。
三浦瑠麗氏インタビュー「日本学術会議はちぐはぐな組織。それでも、パンはパン屋の言うとおりに作らせておくのが『保守の知恵』です」より
しかしながら、別にこの会議のメンバーにならなくとも学問はできますし、なんら学問の自由は侵害されていないと私は考えます。
なぜそんなにこの会議のメンバーになりたいのかがわかりません。
まあ、どうせ、名誉や権威が欲しいだけでしょうけども。
こんなボランティア、真剣に学問をしている人たちなら時間がもったいないので誰もしたくないんですよね、実際は。。。
したい人=なんらかの利益がある人 もしくは 嫌々ながらやっている としか思えません。
会員数が少なすぎるのでは?
そもそも、学問の各分野の代表として任命されるべき人を日本学術会議が推薦し、そのすべての人を任命するという時点で時代錯誤な気がします。
この日本学術会議を選ぶ分野は、私が数えた限り321分野ありました。
これは、科学研究費助成事業の「審査区分表」と同じだと思います。
日本学術会議が日本を代表する学者の集まりであるのであれば、私は、321の分野から各分野の推薦で一名づつ計321人を推薦し、その人らを任命してやるべきだと思います。
それを210名で行うっていうのがそもそもの日本学術会議の趣旨に相応しくないですね。
分野が偏っているから除外?
2020年10月1日に出された第25期の日本学術会議会員名簿によりますと、分野の偏りが見られるように思います。
例えば、生物学の分野に関しては、理学部の生命科学や生物学などの分野に理学部ではなく、医学部の人がたくさん選ばれたりしております。
もちろん、理学部の生物学の人(理研時代に隣の研究室だった杉本さんとか、前会員だった塩見さんとか)も選ばれておりますが、学問の分野ごとにばらけているか?となると、そんなことはなく偏っているように思います。
今回任命されなかった6名も、分野がかなり偏っております。
政府が学者提言機関に異例の介入 学術会議の新会員候補、6人の任命を拒否より
そもそも、キリスト教学なんか分野一覧には無いですし、政治学ではたくさんの人が任命されております。
いったい、どういう分野でどのような推薦者がどのような推薦文を書いたのでしょうか?
ものすごく見たいです。
業績による判断?
このサイトによりますと、
学術会議任命拒否された6人 彼らの「h-Index (研究者の評価指標のひとつ)」が、加藤陽子氏は2、他の5人はゼロだったことが判明
生命科学分野では25~30が優れた論文業績の目安
ノーベル物理学賞の受賞者の平均値は40~
と、具体的な業績に触れてます。
文系の業績はなかなか目に見えないものもありますが、業績のない人を任命した場合、任命者には任命責任が生じる場合があります。
菅総理がしなければいけないことは?
そもそも、105名を推薦して、その全員を任命してもらうっていうシステムが利権である可能性があります。
少なくとも、安倍総理がやったように、110名を推薦してもらい、5名を任命しない。というようなシステムにしないとダメな気がしますね。
前例からいうと、菅総理は105名を推薦してもらい、99名を任命したのだから、正当に任命認定を果たしたと思われます。
現状、「6名を任命しなかったのは学問の自由の侵害だ!任命しなかった理由を説明せよ!」と立憲民主党などが言っています。
共謀罪などの政府の指針に反対したからではないのか?という意見も多いので、この件を収束させるために、菅総理はその理由を説明する必要があると思います。
理由付けは簡単で、
・業績の問題
・分野の偏りの問題
など、いろんな理由が「後付けでも」つけれます。
また、この6名を推薦した人と推薦理由を公開する必要もあるでしょう。
個人的には、このような偏った学術会議は不必要であると考えます。
学術会議自体の再編も考慮して欲しいと思います。
コメント
たぬぽん
日本学術会議の要・不要論はともかく、
新政権の発足間もない時期に、ある意味でどうでもいい問題を政治問題化させてしまったのは、あまりに愚かだと思う。こんなの、フツーにスルーして任命しておけばよいのに。
菅総理にある程度期待していたが、優先順位を考えないようでは、期待値を大きく下げざるを得ない。