ホタルの幼虫を飼ってみた その1
2019-04-01
2019年4月1日、新元号が「令和」となりました。
なんと、万葉集が出展らしいですね!
さて、昨日の3月31日、ヘイケボタルの幼虫が20匹届きました
全員くっついて丸まってボール状になってます。
何匹いるのかすらわからないですね。。。
といういわけで、ヘイケボタルの飼育を始めることにしました。
Contents
事前準備するものは、
1.餌となるカワニナ
2.ホタル水槽
3.知識
です。
餌となるカワニナ
カワニナとは
ホタルの餌となるカワニナは巻貝の一種です。
ヘイケボタルは巻貝なら結構何でも食べるようですが、ゲンジボタルはカワニナしか食べません!!!
しかも、ふ化後のホタルの幼虫(1~2mm)は小さいカワニナの稚貝(2~5mmくらい)しか食べれないと書いてある本が多いです。
※3cmくらいのカワニナを物理的に潰して与えたら食べるようです。
3cmくらいのカワニナでも、貝のフタの隙間から食べることができるって書いてある本もあれば、フタに挟まれて死ぬって書いてある本もあります。。。
※タニシは貝殻とフタの隙間が無いのですが、カワニナには少しだけ隙間があり、身が見えているので、2mmのホタルの幼虫なら入り込むことができると予想します。
色々試してみたいので、とりあえずカワニナの養殖を始めることにしました。
ホタルよりもまずカワニナを育てることになりました!
カワニナの育て方
カワニナ水槽は、普通の熱帯魚とかを育てる水槽で大丈夫です。
とりあえず、1kgくらい買います。
川の中にいるカワニナは落ち葉や虫や魚の死骸を餌としています。
水槽の中では、キャベツ、小松菜、ジャガイモなどが好物です。
稚貝の産ませ方
稚貝をたくさん産ませるには、たんぱく質とカルシウムが必要ですので、ペレット用のエビの餌とか、ボレー粉、卵の殻を洗ったやつなどを入れとくといいです。
カワニナはオスとメスがいて、交尾をします。
春と秋に交尾をして、メスは稚貝を胎内で産み育て、毎日2~30匹の稚貝を放出します。
だいたい一匹につき200~300匹放出します。
稚貝の放出時期は春が多く、夏にはホタルの卵がふ化してホタルの幼虫(1~2mm)がちょうど食べやすい大きさの稚貝(2mm)に育ちます。
自然はうまくできていますね!
生まれてきた稚貝は一年で1cm以上になり、二年目からは交尾して子供を産めるようになります。
交尾のコツ
交尾を効率よくさせるには、広い水槽で飼うのではなく、500mlペットボトルを半分に切ったものを使うといいです。
ペットボトルの側面には水が通る穴をあけておきます。
春になってから8匹くらいをペットボトルに密集させ、ボレー粉とエビの餌やジャガイモと一緒に2~3日入れておくと交尾をすると思います。
稚貝がたくさん増えたら、やっとホタルの幼虫に与えるエサができたということになります。
赤がカワニナの親貝(30mm)、水色がカワニナの稚貝(2~3mm)、黄緑がサカマキガイ
サカマキガイは駆除してもどんどん増えてきます。
ホタル水槽
水槽に必要なもの
今回飼育する水槽を紹介します。
用意するものは
・アクリルBOX 蓋つき W315mm×D225mm×80mm
・テトラ (Tetra) マイクロフィルター
・エヴァリス マイクロ ツイン冷却ファン MIC-40
・鉢底ネット
・数個の石
・アクリルBOX(高さは8cmくらい)を水槽として使用します。
・アクリルBOXには水を5cmくらいの深さで入れます。
・水は2Lペットボトル(数本)に水道水を入れて一日置いたものを使用します。
※水道水には塩素が入っているので、そのまま使用するのはダメです。必ず一日置くか、カルキ抜きをしてください。
・そこに、テトラのマイクロフィルターポンプを付け、一日回しておきました。
金魚水槽とかによく使うブクブクじゃなくてポンプにしたのは、ホタルの幼虫は水流がないと空気を取り入れられないからです。
※ホタルの幼虫は水流にのってきた酸素を体内に取り込みます。
特にゲンジボタルの幼虫は水流があったほうがいいようです。
・ホタルの幼虫やカワニナは27度を超えると死んじゃうので、水温を気温より2~4度下げることができる冷却ファンは必須です。
※エアコンを27度くらいに設定しておけば夏場でも22度前後をキープできますので、冷却ファンはおすすめです。
冷却ファンは水槽から水が蒸発する際の気化熱を利用して水温を下げるので、水の減りは速くなります。
・鉢底ネットは、ホタルの幼虫の隠れ家として最適です。
・石の隙間もホタルは大好きです。が、水替えの時とかに潰さないようにしてください。
水質について
水槽をメンテしている人は良く知っていると思うのですが、水槽は汚れます。
それは、
生き物がふんなどの非常に毒性の強いアンモニアを出す
↓
アンモニアを分解するバクテリアが毒性の低い亜硝酸塩に分解する
↓
亜硝酸塩を分解するバクテリアがさらに毒性の低い硝酸塩に分解する
↓
いくら毒性の低い硝酸塩でも水中に溶けて溜まってくると生き物に有害
となるからです。
硝酸塩は水替えによって濃度を薄くするしかないので、水替えが必要となります。
ちなみに、亜硝酸塩や硝酸塩が溜まってくると、水槽内にコケが発生してきますのですぐわかります。
水槽内にバクテリアがちゃんと住み着いていると、アンモニアや亜硝酸塩はほとんど検出されなくなります。
水の中に不純物がどれくらい溶け込んでいるか?っていうのを測るのにTDS(Total Dissolved Solid)メーターっていうものがあります。
水の中に不純物が入っていると、その分電気が流れやすくなるので、その電気の流れやすさで不純物の量を測るというものです。
神戸の水道水はだいたい80ppmくらいです。
冷蔵で来たホタルが入っていた水のppmは57でした。すごくきれいな水のとこに住んでいたようです。
ちなみに南アルプスの天然水は41ppmでした.
一日エアレーションしていたホタル水槽は102ppmでした。
カワニナ水槽は200匹以上のカワニナがいますので、ふんの量がすごいです。
なのでppmは394!(水替えする前は550とかありました)
ホタルはきれいな水のほうがいいと聞きますが、水道水で十分だと思います。
ミネラルウォーターは、鉱物などがいろいろ入っているので、ホタルにはかえって危険だと思いますので、使わないほうがいいと思います。
とりあえず、ヘイケボタルはゲンジボタルより飼いやすいので、水道水を一日置いてカルキ抜きした水を使用し、だいたい150ppmくらいまでで飼いたいと思います。
ホタル水槽にヘイケボタルの幼虫を投入!
水合わせ
クール宅急便で来たので、ホタル水槽の上に袋ごと30分くらいおいて、水の温度を合わせました。
そして、ホタル水槽内の水をホタルの入っている袋の水と同じくらいの量投入して水合わせをします。
これをしないと、急激な水質の変化で死んじゃうものもいます。
水合わせを数回繰り返して、水槽へ投入しました。
大きさ
ゲンジボタルの幼虫は3cm以上あって太くいのですが、ヘイケボタルの幼虫は体長2cmほどで、思ったより小さいです。
ヘイケボタルは卵から産まれた一令幼虫から脱皮を繰り返して、秋には1cmくらいの大きさとなります。
春には4回の脱皮をして5令幼虫となり、体長は2cmほどとなります。
1.5cmくらいのカワニナを投入したら、いきなり襲ってました!
が、食べていないようです。
水換え
翌日、二匹のカワニナさんがエサとなっておりました。
まだ食べている最中なので、水が悪くならないように、とりあえず、汲み置きしていた水道水で半量の水を替えました。
上陸させて、羽化するまでの長い作戦となりそうです。