街おこしに必要なものは

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街おこしに必要なものは

2017-11-06

最近、ちょっとおかしいんじゃないの?っていう税金の使い方や街の活性方法をたくさん見聞きしますよね。
私の過去のメルマガで、町おこしとその問題について書いたものがあったので、ブログにも記しておきます。

Contents

街おこしに必要なものはなにか?

2017.1.27 発行 no.182 「街おこしに必要なものは」

少子高齢化社会を迎えるにあたって、街の活性化地域の活性化人材育成が話題となっており、各自治体はそこに力とお金を注いで、たくさんのイベントを展開しています。
しかしながら、依然としてつぎ込んだお金のわりには街は活性化されていない気がします。
それどころか、

街を活性化しよう!と意気込んでいる人や、やる気があった人のやる気がどんどんそがれていっているような気がします。


なんでこんなことになったのでしょうか。。。
本当に町おこしに必要なものはイベントなんでしょうか?

地方は儲からない「イベント地獄」で疲弊する 現場がボロボロになる3つの「危険な罠」とは

木下 斉 :まちビジネス事業家
2017年01月25日

「何をするか」だけでなく「何をやめるか」も決めているか

2017年も読者の皆さんは、自治体や商工会議所など、さまざまな会議の場で「今年は新たに何をするか」「4月からの新年度は何をするか」ということをテーマにしているかもしれません。

しかし、実は「何をするか」ばかりが議題に上がっている段階で、ヤバイのです。
それは事業が失敗する「予兆」といっても、いいかもしれません。

どういうことでしょうか。
そもそも衰退している地域ではヒト・モノ・カネが慢性的に不足しています。
その中でも、一番の問題は、「人手」です。
モノやカネは国などが支援したとしても、結局地元で真剣に事業に取り組む「人」は、簡単に補えません。

そうした状況にもかかわらず、自治体や商店街などのトップ層は「活性化のためだ」という名目で、新たに事業をプラスすることばかり考えがちです。
「過去にやってきたことを減らす」という発想がないのです。
その結果、午前と午後で、違う組織の違う会議なのに、参加しているメンバーはほとんど一緒、などということも珍しくありません
メンバーは限られているのに、それぞれの組織で「新たにやること」ばかりが決められ、現場で動くメンバーたちはどんどん消耗していくことになります。
たとえば、毎年増えることはあっても、減ることはないものにイベントがあります。
ひとことでいえば、イベント地獄です。

にぎわうだけのイベントは、「精神安定剤」にすぎない

「イベントをやればにぎわいが出る」というようなことで、「月1回」だったイベントが2週に一度、毎週末などと増加し続け、イベントだらけになったりします。

人は来るけど商売は必ずしも伸びないのに、精神安定剤のようににぎわいを求めて、さらなるイベントを仕掛けていきます。
たとえば、温泉街などでは「花火大会をやれば満室になる」ということで商店街の組合主催の花火大会を年に1度から四半期に1度、毎月、隔週末と増やしていったら組合が潰れかけた、なんて笑えない話も耳にします。

ただでさえ資源がないのに、毎年やることばかりを増加させたらどうなるでしょうか。
一つひとつにかけられる人手も資金も手薄になります。
当然、それぞれから得られる成果は乏しくなるわりに、つねに忙しくなってしまい、現場は疲弊していきます。
しかも地域活性化の現場は、本業がある中で、ボランティアとして協力しているヒトがほとんどです。
ある一定の量を超えると「これ以上はもうできない」ということで若手がますます離れ、青年部などは解散という地域も少なくありません
中には、地域活性化事業ばかりに付き合いすぎて、本業が傾いてしまった事業者もいます。
毎年増加する「やること」に現場の人たちが振り回されて、忙しい割に成果もでず、なおかつ地方の経済を支えている本業まで傾いてしまっては、地域が活性化するはずもありません。

読者の皆さんの地域のトップや責任者の方針は、以下の「3つのチェックポイント」に当てはまっていないでしょうか。
もし該当するなら、要注意です。

危険信号1 : 「予算目当て」で事業を増加させる

まず危険なのは、「予算目当て」で事業に取り組むことです。
「◯◯事業をすると予算がつく」といったような情報をもとにして、毎年新たな事業を増加させていないでしょうか。
コンサルタントが「今なら、この事業をやれば予算がつきますよ」といった具合に地域側に売り込みにきて、それに乗っかって「やること」を増やしてしまうのです。
さらに補正予算などが決定されると、予算消化のための「突発イベント」を急にやるなどと言い出すのは最悪です。
予算をもらうことは、目的を達成するための手段にすぎないはずです。
なのに、いつのまにかもらうこと自体が取り組みになっている組織が少なくありません。
結局、すべては予算ありきで事業は進みます。

予算が尽きれば何も残らない

そこにかけた人手も組織予算も、すべて予算をもらうためだけなので地域に何も残らず、事業が終わると、むしろ衰退していくのです。

危険信号2 : 「はやり」に左右されて事業に一貫性がない

地域活性化の分野では、毎年「はやり」というのがあります。
仕事を増やすことばかりを考えている危険なトップは、そうした情報にすぐに左右されます。
新聞で取り上げられる事例、年度末に出てくるさまざまな役所が出していく報告書などに掲載される「先進地域の事例」に、強い関心を示すのです。
そして、トップは「ウチのまちでも、同じような取り組みをやろう!」と言い出し、やることを増やしていきます。

各地域の成功は「地域の課題」「解決に取り組むメンバーの力量」「タイミング」という3つの要素によって成立しています。

本連載で繰り返し指摘しているように、他地域の事例は参考にはしても、自分の地域の状況判断とその解決策の起案は、あくまで地域のトップたちが自分たちの頭で答えを出すしかありません。
課題もメンバーもタイミングも異なるほかの地域でパクっても、成果を再現できるものではないのです。
一過性のはやり廃りでパクリ事業を増加させるトップのいる地域もまた衰退していきます。

危険信号3 :「無駄な数値目標」のために、やることを増やす

最近では、活性化事業の計画に数値目標が設定されることが当たり前になりました。
たとえば「年間で前年比数千人の”観光客”を増加させる」。
一見、とてもよさそうですが、無駄な計画を立てて、自分たちの首をしめることもあるのです。
どういうことでしょうか。
たとえば、インバウンド需要でも重要なのは、人数ではなく「消費総額」です。
しかし、計画で数千人の観光客と目標を掲げてしまえば、人数を達成しなくてはならなくなります。
そうなると、今度はイベントやらモニター募集をやったり、イベント会場を通過した地元の人さえも「日帰り観光客」とするなど、数値目標を無理やり達成しようとします。

本来は人が商品やサービスを使って地域に「経済」が発生することが活性化のはずなのですが、それは二の次になる。

トップが定めた「誤った数値目標」に縛られて、予算を使い、人手を食いつぶす。
こうした、非効率で活性化効果の薄い「やること」を増加させる地域も、当然衰退していきます。

「やめること」を決めることから、始めよう

地域におけるトップの仕事として重要なのは、

限られた資源を有効活用するために優先順をつけること、そして優先順位の低いものについては「やめる決断をすること

です。

何かを始めることは比較的簡単で、これはトップでなくとも起案できます。
しかし、過去に組織的にやってきたことをやめる、という決断はトップにしかできないことです。
新たなことを始めるためには少なくとも2~3つのことはやめ、資源の余裕を作らなくてはなりません。
人手が変わらないまま、やることばかりを増加させるのは、トップとして何の意思決定もしていないのと同義です。
年初や来年度に向け、まずは「今まで取り組んできたことの中で、やめること」について意思決定してほしいのです。

やめることができるからこそ、新しいことが始められる。
実は、この順番を間違わない地域こそ、適切に成果を挙げている
のです。

街を活性化させるのが目的なら、イベントの内容を変える必要がある

このコラムでは、イベントが減らないことを問題視しています。
なるほど、やる気のある人は、「新しいイベントを作り、それを継続していくことが街の活性化につながる。」と考えています。
しかしながら、昔からやってきたイベントも継続して行わなければならないため、人不足、時間不足、金不足となり、すべてのイベントの質が落ちるわけです。

神戸で言えば、ルミナリエなんかが最たるものです。
神戸ルミナリエは、阪神淡路大震災の犠牲者の魂を弔うための「セレモニー」として始まりました。
当初は、鎮魂のために地元の人がたくさん来てくれて、街の活性化につながっておりました。
ところが、近年は、鎮魂するのが目的ではなく、ルミナリエというイベントを開催して観光客を誘致することが目的となってしまっています。
このため、地元の人の心は離れ、本当にルミナリエが必要なのかどうか?が問われるようになってきました。

「街を活性化させるのが目的」なのであれば、継続的に街にお金を落とさせる仕組みを作らなければなりません。
しかし、「イベント」では、一過性のものしか作り上げられないため、持続不可能です。
その割に、人と時間を大量に消費するため、効率が悪いです。

イベントを街の活性化につなげるには、日常の経済活動の延長線上にあるイベントでないとダメなのかもしれません。

しかしながら、既存の自治体は、「成功例だけ」を示し、

あの街がああやって成功したんだから同じようにやればこの街も活性化するだろう

っていう思い込みで、自分の街のことを知らず考えずに補助金を出してしまっているんですね。
これは、政策自体に問題があるんだと思います。

本当に街の活性化をしたければ、その街に根差して商売をしている人を起点にして、その商売の延長線上になるような活性化の仕方をしないとだめでしょうね。

地域活性化の一番の要素である人材をどうやって集めるか?

そして、地域活性化の一番の要素は、人材なんです。
いまはどこも人材が足りてない状態です。

人材がいないのか?っていうと、そうではなく、優秀な人材は埋もれちゃってるんです。

イベントで疲弊して自分の仕事が傾いて埋もれた人や、いくら自治体に協力しても疲れるだけでなんの成果も対価も得られないことに不満を持って埋もれた人や、その土地に魅力を感じなくなって他の街に行ってしまった人など、たくさんの人が埋もれてます。

最近、私はそれにようやく気付きました。

そして、

なにかをしたいけど、何をしたらいいのかわからない若者

もたくさんいます。

こういう人たちを掘り起こして、その才能を如何なく発揮できる場所を提供することで、街おこしというか、人材おこしをしていくのがベストなのかなぁ。と思います。

そういう人材が10人集まれば、たいていのことはできる気がしますね。
これに気付いてくれる人がたくさんいる街は活性化していくでしょうね。
古いものは捨てる勇気。
新しいものは継続する目的が必要となってくるでしょう。

一日だけの音楽イベントや啓発イベントに、数か月の時間と人員を割くのが果たして良いことなのだろうか?

こう考えたとき、

イベントするなら昔からある神社のお祭りや盆踊りなどを発展させるほうが楽なのでは?

って思いました。
盆踊りなんて、必死こいて企画運営しなくても、やぐらさえあれば地域の人たちは来てくれますしね。

そうなると、神社とか自治体とかとの関係性が必要なんですよね。
でも、自治体とかはご老体ばかりになっちゃっていて、なかなか融通が利きません。
自治体は行政とも深い関係があるので、どうしても土地の名士みたいな人がなにもできないのに会長になってたりしてます。
古いものや人を捨てる勇気は、自治体にも必要なんだと思いますね。

どんなにコンセプトがダメで、集客もできなくても、「大成功!」ってなるのが神戸市のいいところであり、悪いところです。
無償ボランティアを使ったオナニーイベントはもうやめたらどうだろう?
その金や労力をごみ拾いに使ったらどうだろう?

とりあえず、私は私にできること、まずは人材集めの拠点として、ink Books & Coffeeを作りました。
はやくも素晴らしい人材がどんどん集まってきてます。
来年が楽しみです。

このエントリは2017.1.27 発行 no.182 「街おこしに必要なものは」を加筆修正したものです。


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