支援物資という善意が無駄になるケース
2017-07-11
ツイッターなどの情報発信ツールの発達により、情報の伝達速度が速くなりました。
それに伴って、情報がすぐに拡散するようになりました。
しかしながら、拡散を止める術がほとんど確立しておらず、一方通行の情報が永遠に拡散するという弊害も出ております。
災害現場では特にそれが如実に表れます。
Contents
一方通行の情報が永遠に拡散する弊害
先日、九州に集中豪雨が降り、災害となりました。
それに伴い、被災地にタオルを!っていうツイートが拡散されました。
それを見た人たちは、タオルを続々と支援し続けました。
被災地は、「もうタオルはいらない!」とメッセージを発信しました。
ところが、その声は拡散されず、どんどんタオルが被災地に送られてくる状態は変わりませんでした。
善意が無駄になったのです。無駄どころか、迷惑となったのです。
まとめがこれ
↓
2017年九州豪雨、床上浸水の被災者が「古いタオル大募集、拡散希望」⇒日本中の善意が大集合!⇒2日後「困っています」
支援物資というのは必要なときにのみ必要
支援物資というのは必要なときにのみ必要なものでして、行政による支援が始まれば次は街の復興へとシフトしなければいけません。
街の復興を促すには、支援物資ではなく、現金が必要です。
その地域で物を買って、その地域の経済を回すことが重要となります。
ある程度の日数が過ぎてからの物資はかえって邪魔になります。
これは、災害の教訓です。
東日本大震災での取り組み
6年前の東日本大震災の時、私たちは神戸元気玉プロジェクトっていうものを立ち上げ、被災地支援を行いました。
これは、
行政が動けるまでに2週間くらいかかるので、行政の支援が開始するまでの間に必要な支援物資をなるだけ早く届けよう
っていうプロジェクトです。
Mr.サンデーとかにも取り上げられました。
【KOBE元気玉プロジェクト】
今日の取材は、Mr.サンデー 毎週日曜、夜10時らしいです。 http://plixi.com/p/85122021— いいな (@iina_kobe) March 19, 2011
阪神淡路大震災の経験を元にして支援物資が選別されて集められた
神戸は阪神淡路大震災を経験しています。
もちろん私も20歳の時に経験しています。
当時、私も頭の横に「テレビデオ」が落ちてきて死にかけました。
神戸元気玉プロジェクトで行った支援物資は、一度洗って水を吸収しやすくなったタオルや、子供が遊ぶためのおもちゃや、生理用品や粉ミルクや紙おむつ、ウェットティッシュ、サランラップ、厚底の靴などの
阪神淡路大震災の時にあったらよかったのに!
という市民の声を反映したものに限定しました。
ちなみに、阪神淡路大震災当時の市民の声を集めた教訓絵本も作っております。(もう在庫ほとんどないです)
この神戸元気玉プロジェクトは、当時、市民の手で行われた最速の支援でした。
まだどこの道路が使えるかもわからない状態で、皆さんからガソリン代を支援してもらってトレーラーで合計70トンの支援物資を運びました。
必要な時に必要なものを
支援っていうのは、必要な時に必要なものを送るものなのです。
皆様も、支援はお金にしましょう。
ちなみに当時こんな動画も作りました。懐かしい。
復興した街から復興する街へ