新型コロナウイルスにポビヨンヨード(イソジンなど)は効果があるのか?
2020-08-05
2020年8月4日、大阪府知事の吉村さんが、うがい薬が重症化抑えるかも?という発表を行いました。
この報道により、薬局からうがい薬が無くなるという事態に発展しました。
では、実際にポビヨンヨード(イソジンなど)が効果があるのでしょうか???
この報道を「科学的に検証」してみます。
Contents
はやとちりして批判する人たちが続出
大阪府知事が「ポビドンヨード」成分を含むうがい薬を使ったうがいが、新型コロナウイルスに効果があるとする研究成果を紹介し、うがい薬の使用を呼び掛けました。
2020年08月04日21時09分
大阪府の吉村洋文知事と松井一郎大阪市長は4日の記者会見で、「ポビドンヨード」成分を含むうがい薬を使ったうがいが、新型コロナウイルスに効果があるとする研究成果を紹介し、うがい薬の使用を呼び掛けた。
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大阪はびきの医療センターによると、新型コロナの軽症者41人を対象とした実験で、うがい薬を使用した患者では唾液からウイルスの陽性反応が出る頻度が低下したという。
吉村氏は「ポビドンヨードによるうがい薬でコロナに打ち勝てるのではないか。ぜひうがいを励行してもらいたい」と話した。
誤解なきよう申し上げると、うがい薬でコロナ予防効果が認められるものではありません。重症化を防ぐ効果の検証はこれからです。判明したのは、唾液中のコロナウイルスを減少させ、唾液PCRの陰性化を加速させること。唾液PCR検査は毎朝うがい前。感染拡大防止への挑戦。 https://t.co/uqOZInb4ht
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 4, 2020
これについて、たくさんの医療関係者や関係者が研究の内容を吟味せずに批判をしております。
下記の動画をご覧ください。
名越康文氏はうがいした後に検査していると思い込んでコメントしてますね pic.twitter.com/AujVBPaBEB
— 釋 普徳 (@s_hutoku) August 4, 2020
この人たちは、
うがいをした後なら新型コロナウイルスが減って当たり前じゃないか!
と言っておられます。
今回の報道をみるかぎり分かることはひとつです。
『ポビドンヨードによるうがいをすると、一時的に唾液(つば)の中の新型コロナの量が減るということ』です。
堀向健太 日本アレルギー学会専門医・指導医。日本小児科学会指導医『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説
また、それを賛美する方も。。。
恥ずかしいですねぇ。。。
実際の検証内容
実際には
イソジン等でうがいをした後、就寝
↓
翌朝、うがいをせずに、唾液を採取
というメソッドで研究が行われております。
ポピドンヨードの公表資料です。臨床研究をしたのは松山医師。阪大系の先生で最近まで藤田医科大教授、現在、府立病院機構の次世代創薬センター長。詳細は下記の通りですが、うがい群と非うがい群の毎日のPCR検査は起床時のうがい前に実施。うがい後に検査ではありません。https://t.co/CPOrjUxUmT
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 4, 2020
よって、上記の、うがいをした後だからウイルス量が減って当たり前だ!という医師らの意見はまったく見当違いのものです。
騙されないようにしましょう。
うがいの回数は4回
フリップによると、
41名の患者について、1日4回ポビドンヨードによるうがいを実施したとのことです。
うがいをする前に検体採取
そして、うがいをする前に検体を採取(就寝から起床までの間はうがい無し)して、ポビドンヨードでうがいをした群と、うがいをしなかった群を調べると、ポビドンヨードでうがいをした群の唾液のウイルス量が減っている。という結果が出たとのことです。
ポビドンヨードによるうがいの波及効果
そしてこの
ポビドンヨードうがいによるCOVID-19患者の唾液中のウイルスの低減・消失が加速されたという結果
から、
唾液中のウイルスが肺に入ってしまっておこる肺炎の抑制がおこり、結果として、重症者が減ることで医療負荷が軽減されるんじゃないの?
っていうディスカッションとなっております。
作用機序
水ではなく、イソジンによるうがいの場合のみ口腔内の新型コロナウイルス量が減ったと仮定した場合、
イソジンによるうがいが新型コロナウイルスが感染した舌の細胞を破壊し、その結果、口腔内から新型ウイルスが激減した。
という可能性が考えられます。
問題点
さて、ここまで見れば、ポビドンヨードうがいによって「なぜかわからないけども」ウイルス量が減っているんだなぁ。って思われます。
しかしながら、不可解な点もいくつかあります。
調査した患者数が少ない
まず、調査した患者数が少ないことが挙げられます。
このような日本の経済などにたくさんの影響を与える研究成果の発表は、もう少し正確にやってもらったほうが良いと思います。
この言い訳としては、患者数が少なかったから。というコメントが発表した医師から出ておりました。
比較実験になっていない
本来、このような実験を行うには、ポビドンヨードでうがいをした群と、水でうがいをした群と、うがいをしなかった群の三者を比較する必要があります。
何故なら、ポビドンヨードは関係なく、「うがいそのもの」がウイルス量を減らした可能性があるからです。
ポビドンヨードに効果があるというのであれば、水でうがいをした群と、うがいをしなかった群ではウイルス量の減少は見られなかったけれども、ポビドンヨードでうがいをした群だけでウイルス量が減少していた。という結果が必要です。
もし、うがいだけでもウイルス量の減少が見られたのであれば、ポビドンヨードは関係ない。という結果となります。
この比較対照実験の不備についても、患者数が少なかったとコメントがありました。
初日の患者の状態がわからない
この表には、day0がありません。
つまり、もともと治りかけの人を作為的に選んだから減ったんじゃないの?
っていう疑問がわきます。
day0ではほぼ同じ量のウイルス量だったのに、ポビドンヨードうがいによって減少したんだ!っていう結果を示したければ、やはり初日にウイルス量の違いが見れたらダメだと思います。
しかし、そのデータはありません。
これは恣意的にデータをいじったと言われても仕方ありません。
患者数がわからない
この研究に参加した人数は41名であることは示されております。
しかしながら、その41名が、ポビドンヨードうがい群何名と、うがい無し群何名なのかは示されておりません。
この表からは、ポビドンヨードうがい群と、うがい無し群が何名と何名なのかがわかりません。
計算してみても、n人x0.688、n人x0.75、n人x0.563、n人x0.4になるようなnが見当たらないのです。
4日目の人数が、割り切れないんです。
よって、患者数が変化しているようにも見えます。。。
これらのことより、この検証実験のデータ自体が信じられないものとなっております。
今後の検証が待たれます。
インサイダー疑惑について2020.8.11追記
吉村府知事がイソジン等のポビドンヨードの発表をしたのは午後ですが、その日の午前からイソジンを販売する塩野義製薬の株価が急上昇するという現象が起きたようです。
ここの部分が一番怪しい
前日から知っていた者としか思えない
材料になるニュースなし
日足チャートでは、下げトレンドなのに
こんないっきに買い向かう訳がない pic.twitter.com/2yROxZ0a7g— 血ルチルmichiru (@michiru777neko) August 9, 2020
さらに、サンデージャポンでテリー伊藤氏が、
「実はこの発表をする時にですね~、ミヤネ屋に出てたんですよ。それでこの話をですね、一時間半くらい前に知ったんですね。これは今買っとけばいいなと思って。場合によっては水面下で株を買えるなって一瞬思ったけど止めたんです。これちょっとインサイダー取引になっちゃうからやめたんです。」
と発言されました。
テリー伊藤「実はこの(吉村知事のイソジン)発表の時にミヤネ屋に出てたんですよ。それで実は一時間半前に話を知ったんですね。これは水面下で株を買えるなって一瞬思ったけど止めたんです。インサイダー取引になっちゃうから。」
事前に一般人にイソジン情報漏らしているじゃないか。これ大事件だぞ。 pic.twitter.com/9DVaH9nLaK
— 海乱鬼 (@nipponkairagi) August 9, 2020
さらに、この塩野義製薬、大阪都構想と密接な関係があることがわかりました。
しかしながら、インサイダーがあったにしてはしょぼい値動きなので、実際にはインサイダー取引は無かったんだろうなぁと思います。
でも、売り場からイソジンが消えたのは事実ですので、ダメですね。
大阪府歯科保険医協会も激おこです。