シルクスクリーン印刷でinkの看板を作ってみた
ink Books & Coffee がSAVVYに掲載されました!
Contents
隠れ家的なink
今現在のinkの看板は、ink Books&Coffee っていうカフェ作りましたでもご紹介したように、錆びた鉄板で出来ております。
inkは知る人ぞ知る隠れ家的な存在であって欲しい為、あえてシンプルな看板にしました。
でもスタッフの学生から、「もっとたくさんの人に知ってもらいたいのに、これじゃなんのお店かわからない!」って言われることがしばしばありました。
そのたびに、inkは営利目的ではなく、学生が成長できるような集団の拠点として存在しているということをお話してきたのですが、やはり、学生スタッフとしてはもっとたくさんの人に知ってもらいたい!という気持ちのほうが強かったようです。
そこで今回のsavvy掲載を期に、ファサード(お店の玄関のこと)をおしゃれに変更したいと、スタッフの学生たちが看板作製委員会を結成しました。
inkのファサード案
看板作製委員会に運営側が指示したのは2点。
1.おしゃれであること
2.隠れ家的な要素を残しつつ、斬新なものであること
です。
そして、数々のアイデアが出てきては却下され、最終的にファサードに本棚を作るという、斬新なものに落ち着きました。
具体的には、ファサードの壁にこのように木の棚を付け、
このように本や看板を並べるというものです。
で、この小さい錆びた看板に、
このように白インクで文字を書きたい!ということでした。
ここで問題が出てきました。
このサイズの文字を白インクで鉄さび看板に印刷することは予算的にも物理的にもほぼ不可能で、カッティングシートで作っても細かい文字までは無理っぽい。。。
ってことで、シルクスクリーンで印刷することに挑戦しました!
シルクスクリーンをやってみた
原理
シルクスクリーンというのは、木枠にメッシュの布が貼られたものに、
ジアゾ感光乳剤という、紫外線に当てたら硬化するものを塗り、
紫外線を通さない黒インクでOHPに印刷したものを型にして、黒インクのないところを硬化させることによって版を作るというものです。
何が必要なのかわからない!って人は、版を作るために必要なものが入っているキットを買ってみたらいいと思います。
では、シルクスクリーンのやり方を書いていきます。
スクリーンを洗う
まずは、乳剤をスクリーンにきちんとつけるために脱脂します。
油がついてると、版に乳剤がちゃんとつかないようです。
脱脂と言っても普通に食器用洗剤で洗うだけです!
ちなみに、スクリーンは、倍版(内寸170㎜x240㎜)を使いました。
スクリーンを乾かす
きちんと洗剤を洗い流した後は、ドライヤーで乾かします。
3分もしたら乾きます。
スクリーンにジアゾ感光乳剤を塗る
※これからの工程は暗い部屋で、スマホについてる懐中電灯を天井に向けた状態くらいの明るさで行いました。これくらいの光なら、感光乳剤は固まらないっぽいです。
ジアゾ感光乳剤を作るため、説明書通りにお湯で溶かして準備しておきます。
それをこれくらい、スクリーンにたらします。多すぎたら、後で缶に戻しましょう。
床を汚さないためにも、ごみ袋を下に敷くといいと思います。
そして、白いヘラで下から上にスーッと塗ります。
このヘラはスキージーって言いますが、厚紙でも段ボール紙でも大丈夫です。
全面に下から上に塗ります。メッシュの穴を通して、裏側に乳剤が漏れ出てくるので、裏返して裏も同じように塗ります。
これくらいの量でぴったり塗り終えるか、ちょっと多いくらいです。
塗り終えたら、ドライヤーで乾かします。
手で触ってもつかないくらいに乾かします。
これも3分くらいです。
遮光する
シルクスクリーンのへっこんでるほうに、黒い画用紙をはめ込みます。乳化剤を塗ったところにぴったりとくっつけるようにしないと、光が漏れるので、できるだけ密着させます。
OHPシートを載せる
黒い画用紙を下にして、フラットなほうに印刷したい図柄を黒で印刷したOHPシートを載せます。
この時、印刷したい文字が裏になるように置きます。
そして、その上から透明なガラス板を置き、OHPシートと、乳剤を塗ったスクリーンを密着させます。
薄い透明な板なら水槽のフタでも何でも大丈夫です。
紫外線を当てる
紫外線を当てる方法は
1.日光にあてる
2.ケミカルライト(ブラックライト)をあてる
3.蛍光灯の光をあてる
など、いくつかあります。
今回は、たまたまLEDの紫外線ライト(ブラックライト)を持っていたので、それを使用しました。
まず、このライトでマジで硬化するのか?をチェックしました。
この、ヘラについた乳剤にライトをあてると、色が黄色からオレンジ色に変化しました。
オレンジ色=硬化した と考えていいと思います。
↓
上半分にブラックライトをあてたら、オレンジ色に変化しました。
ブラックライトをあてたところが、透明(オレンジ色)になっているのがわかります。
版全体にライトをあてていきます。
10分間、ガラス表面にライトをくっつけて、ゆっくりと動かしながら、全体にライトをあてました。
黄色かった版が透明になってます。
※この硬化条件は、ライトの強さとかでかなり変わると思うので、条件決定をするのが重要だと思います。
特に、細い文字をやるときは、8分では硬化してないけど、11分では硬化しすぎて、どちらもうまくいきませんでした。めっちゃ微妙です。
どうやっても無理な場合は、線を太くするのがおすすめです。
硬化していない部分を洗い流す
ブラックライトをあて終え、黒い画用紙をとったら、こんな感じになります。
紫外線が当たっていないところが黄色いまま残っているのがわかります。
この黄色い部分を流水で洗い流します。
※画像は違う版です。
きちんと硬化していると、メラミンスポンジで軽くこすっても取れません。
水で洗い流すと、硬化していない部分だけ、乳剤が取れて、スクリーンのところだけ透けます。
硬化していない部分がきちんと取れたら、直射日光でさらに硬化させたほうが良いと思います。
また、ドット抜けがありましたら乳剤をつけて、直射日光に当て、抜けのない版にします。
これで版の出来上がりです。
印刷
印刷にはシルクスクリーン用の絵の具を使います。
新日本造形の油性の白を使いましたが、油性なら何でもいいと思います。
Tシャツくんのものがたくさん出回っていると思います。
また、油性なので、ふきとり&うすめ液も必要です。
これもTシャツくんのやつでいいと思います。
このインクは粘土っぽい感じです。
印刷したいもの(今回は錆びた鉄板)の上に版を載せます。裏表注意!
そしてこのインクを、版にのっけます。
そして、ヘラで一気にのばす!
この時、インクがジワーっとにじまないように注意です!
版を取ると・・・
完成!!!!
失敗したら、ふきとり&うすめ液をティッシュにつけてインクをふき取りましょう!
インクが乾くと版が使えなくなるので、版を再使用したいときはふきとり&うすめ液でインクを取りましょう。
何度か失敗を繰り返しますが、気にしない!
インクがかすれた!ってときも、
ふきとり&うすめ液で拭いて、
リベンジできます!
ファサードの完成
そして、とうとうファサードが完成しました!
なんと、今回は、鉄看板だけじゃなく、防水紙でできたオリジナル本も製本しました!
中身はink店内の紹介となっております!
是非、みなさん、一度ご覧になってくださいね!
看板版のみなさん、お疲れさまでした!