新型コロナウイルスのRTPCR検査を受けるためのお約束をまとめてみた
2020-07-28
最近、Twitterでは
RTPCR検査を受けたいのに保健所の電話がつながらない!
愛知でもなかなか受けさせてもらえないようです。東京では、保健所に電話がつながらないので直接病院に来てしまう人が多く、混乱しているようです。三大都市圏はすでに医療の目詰まりが顕著ですね。
— 二代目世之介 (@yonosukeKS) July 26, 2020
とか、
濃厚接触者なのに保健所から何の連絡も来ない!
日払いのバイト先にコロナ感染者がいましたよってお知らせがきたキュウ。私は濃厚接触者キュウ。コロナ専用ダイヤルも保健所も電話がつながらないキュウ。
— しQちゃん (@sheQchanz) July 22, 2020
職場で新型コロナ感染者が出ました。私は濃厚接触者ですが、PCR検査について、保健所から私のところへ何も連絡はありません。こちらから保健所へ何度電話しても繋がりません。濃厚接触者すらまともにPCR検査を受けさせない。これが大阪市です。
— 友延 秀雄 (@hideotomo) July 26, 2020
とかいう報告がたくさん見受けられます。
新型コロナウイルスは怖いものです。
自分が他人にうつしてしまったらどうしよう?
後遺症が残ったらどうしよう?
ってたくさんの人が悩んでおります。
そこで、RTPCR検査ってなんなのか?いつ受けたらいいのか?精度はどうなのか?偽陰性や偽陽性が出るんじゃ意味ないのか?っていう疑問にお答えするため、
RTPCR検査を受けるためのお約束
を書いておきます。
Contents
上の図は2020年7月17日までの論文などによるウイルス量と検体採取成功率の概念図。
お約束1 症状があればとりあえず保健所に電話を。
何らかの症状がある場合はすぐに保健所に電話して、RTPCR検査を受けてください。
巷では、「RTPCR検査を受けても治療法が無いから無駄。」とか、「偽陰性、偽陽性がでるから無駄。」とかいう医師らの意見がありますが、これは日本独特のデマです。
世界の感染抑制対策は、
・都市ごと封鎖をし、物理的に人と人との接触を断つ。(経済がまわらない)
・大規模なRTPCR検査で感染者を見つけだしてそのひとらだけ隔離。(経済活動は可能)
です。
世界の感染抑制対策は、
1、都市こと封鎖し人の繋がりを断ち切る。
2、大規模検査で感染者を見つけ隔離し、経済活動を行う。
3、両方やる。だったのだが、全く新しい対策ができて、
4、布マスクを配りながら旅行をすすめつつ、検査を最小限にしぼる。
愚策のハーモニーやで~
— Yeon-Jeong Kim, Ph D. (@Sphingoid_K) July 28, 2020
新型コロナウイルス感染が広がったイタリア北部の町ヴォーで実施された大規模検査から感染者の40%が無症状だったことが示され、無症状患者の特定や隔離が大規模な流行を阻止する上で重要である可能性を示唆した。
伊、コロナ感染者の4割が無症状 北部の住民検査で判明
日本はクラスター対策及び緊急事態宣言により、その両方をなしとげ、第一波を防ぎ切りました。
しかし、現在、なんの戦略もないまま第二波に突入しております。
もし、保健所が全く機能しない場合、自費(2万円程度)でPCR検査を行っているクリニックやかかりつけ医に連絡した後、その紹介で医師会設置のPCRセンターに行くのもありだということです。
保健所ルートが基本ですが、機能していない場合は、自費でPCR検査を行っているクリニックやかかりつけ医に連絡した後にその紹介で医師会設置のPCRセンターに行くのもありだと思いまし。
— MasaNaka free (@MasanakayamaF) July 28, 2020
https://twitter.com/kottur_lover22/status/1287186775891304448?s=20
お約束2 RTPCR検査を受ける時期を守ってください。
・症状のある場合はすぐにRTPCR検査を受けてください。
・症状のない場合、感染者との接触があったときから4日後(2日~6日後)にRTPCR検査を受けてください。
検査をうけるタイミングが重要な理由は、ウイルスの量の変化のためです。
90%以上の人が、感染者と接触してから4~6日目にウイルス量が「検査で確認できる程度」にまで増えます。
発症日の鼻咽頭スワブでは94.39%の人がきちんと検出できております。(日本の技術はもっとすごいと思います。)
Estimating false-negative detection rate of SARS-CoV-2 by RT-PCR
ウイルス量と症状の有無は関係がないことがわかっているので、症状があってもなくても2~4日程度で検査で検知可能なウイルス量に達していると思われ、新型コロナウイルスに感染した人が別の人に感染させる時期は、発症の2~3日前から始まり、発症前後に最も感染させやすくなるようです。
なので、
検査を受けるベストタイミングは、発症した直後、無症状の人は感染者と接触後4日後くらいとなります。
ちなみに、既に感染が確認されている同大の20歳代の男子学生と15日、マスク越しに約10分間話した。18日のPCR検査では陰性だったが、22日の再検査で陽性と判明した。などの「検査時にはウイルス量が足りていなかった例」があるため、検査で陰性であっても、症状が出たら、再度検査を受けてください。
お約束3 きちんと自宅待機する
・検査を受けるまでは自宅待機です。
・検査を受けた後は結果が陰性であろうが陽性であろうが最低10日間は自宅待機です。
これは、他人にうつさないようにするためです。
万が一、検査の結果が偽陰性(本当は陽性)であっても、自宅待機をすることで、他者への感染を防げます。
私は2020年の4月からずっと言ってます。
何度も言うけど、PCR検査を受けたその日から陽性でも陰性でも14日間の自宅待機。
これ守らなければ今日陰性でも明日陽性になる可能性があるんだよ?
これを理解してない人が、「偽陰性なら夜の街に繰り出して感染を広げる」とか言っちゃうんだよ。— いいな (@iina_kobe) April 11, 2020
倉持仁氏も言っております。(まあ、偽陰性は30%も出ませんが)
PCR検査で、受診者がコロナ陽性か否かわかる。
偽陰性は30%、10日間の隔離をお願いします。偽陽性の1%は大切な人に感染拡大の恐れがあることを説明して納得いただきます。サンプルを取ることでどんな型のウイルスが広がり、どんな免疫が働いているか研究が進む。もう詭弁や屁理屈こねるな、邪魔するな— 倉持仁 (@UCiS7MEgWj6L7cV) July 26, 2020
お約束4 異変があればすぐに救急車を呼ぶ
自宅待機中にちょっとでも異変を感じたらすぐに救急車を呼んでください。
すぐに呼ばないと手遅れとなる場合があります。
自宅待機中に相次ぎ死亡
Q&A
Q:そんなこと言っても、保健所に電話がつながらないんですけど???
A:現在、新型コロナウイルスは指定感染症のため、保健所を通さないとダメなんです。
これは保健所のキャパシティーの問題ですね。
提案:新型コロナウイルスをインフルエンザウイルスと同じカテゴリーに入れるか、無症状感染者でも感染能力のある感染症として新たなカテゴリーを作り、保健所を介さずともRTPCR検査を受けれる体制にしたらいいと思います。
Q:検査を受けても偽陰性や偽陽性がでて、検査結果が信じられないんでしょう???
A:いいえ。そんなことはありません。適切な時に検体採取を行い、適切なRTPCRを行えば、ほぼ100%陰性か陽性かを見分けられます。
2020年7月17日に出たネイチャーという科学雑誌には、検体採取さえちゃんとやればその精度は100%にまで到達する。とされてます。
The explosion of new coronavirus tests that could help to end the pandemic
Standard RT-PCR tests for the coronavirus take between one and four hours and can be up to 100% accurate — although the accuracy of any diagnostic test depends on many factors, such as when in the course of infection a sample was taken.
Q:Jリーグの選手で、検査で陰性だったのに、あとから陽性になった人がいますが、これは偽陰性が出たということではないのですか?
A:おそらく、【名古屋】濃厚接触者なしと確定。選手2名とスタッフが新型コロナ感染という記事の事だと思いますので説明します。
まず、この図を見てください。
この図には感染からウイルス量がどのように変化するのか?を示してあります。(参考文献はhttps://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.05.20053355v2 感染力はCOVID-19発症の2~3日前から高い など)
お約束2でもお話しましたが、RTPCR検査はその検査のタイミングが非常に重要です。
例えば、まだ感染していない状態で検査を受け、その1日後に感染し、検査結果が陰性であったとしても、その人は数日後の検査で陽性となる可能性があります。
このJリーグの選手の例でいうと
17日にRTPCR検査
↓
20日に全員の陰性確認
↓
24日に発熱し、RTPCR検査し、同日に陽性確認 (名古屋宮原和也がコロナ陽性、J再開後初の感染判明)
ですので、上の図でいうと、感染日は19日前後となります。
よって、17日のRTPCR検査時にはまだ感染しておらず、17~22日頃に感染したと考えられます。
つまり、17日のRTPCR検査で陰性は、偽陰性でもなく、本当に陰性だったことが示唆されます。
下のようなツイートには惑わされず、論理的にRTPCR検査を受けてください。
Jリーグのコロナ感染による試合中止、事前にPCRで陰性が出た選手が、四日後に体調不良から陽性になったっていう話で、完全にPCR検査したら安全になる神話をブチ壊しに来てて良い教訓になってる。
— まさみさん⋈語りたい (@mhiramat) July 26, 2020
Jリーグを
見ればわかると思いますが
無症状者の検査には疑問です検査を治療だとでも?
心配です。 https://t.co/bdqhWuskCp— ほんこん (@hong2010kong) July 30, 2020
追記 2020.7.31
COVID-19 infectivity profile correctionによりますと、感染直後だと思われる症状の出る4日前から他人にうつす可能性もあることが示されました。
普通のウイルスは、1粒子が感染したら16時間後には500粒子くらいにまで増えるので、まあ一日あれば感染可能なのではないか?という推測は納得できるものではあります。
今までは2日前までさかのぼれば98%の感染者を捕捉できていたと考えられていましたが、実際は5日前までさかのぼって97%程度の捕捉率ということになります。
要するに、症状の出た感染者との濃厚接触者は症状の出た5日前までさかのぼってチェックする必要があるということですね。
現状は2日前までしかさかのぼってませんので、40%の感染者を捕捉できていなかったということになります。
その他質問があれば、随時追加していきます。