サルでもわかるテロ等準備罪の解説
2017-07-15
テロなどの組織犯罪を未然に防ぐため、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は2017年6月15日に成立し、2017年7月11日施行されました。
そして、翌日の2017年7月12日、国連事務局長は、日本の国際組織犯罪防止条約(TOC条約)への参加を大歓迎しました。
Contents
日本の国際組織犯罪防止条約への参加を大歓迎
日本のTOC条約締結歓迎=国連事務所、組織犯罪対処へ連携期待
【ベルリン時事】国連薬物犯罪事務所(UNODC、本部・ウィーン)のフェドートフ事務局長は12日、声明を出し、同事務所が所管する国際組織犯罪防止条約(TOC条約)などの締結手続きを日本が終えたことを歓迎した。
日本の動きは「国境を越える組織犯罪や汚職は、国家間のより大きな協力を通じてのみ対処できるという強いメッセージだ」と指摘。
日本との連携に期待を示した。(2017/07/13-06:29)
国連は日本のテロ等準備罪に否定的?
え?なんで?国連は日本のテロ等準備罪に否定的じゃなかったの?
ケナタッチ氏は5月18日付で、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念を表明する書簡を日本政府に送付した。
ほら、「国連のほうから来た」ケナタッチ氏もこういってるじゃん!
って思った皆様のために、私のメルマガno.199「サルでもわかるテロ等準備罪」を加筆・修正して紹介しておきます。
サルでもわかるテロ等準備罪 2017.6.16 発行
国が違えば法律は異なる
久々のサルでもわかるシリーズです!
さて、問題です。
「ピザは野菜ですか?」
日本では野菜じゃないですよね。
でも、アメリカでは、ある条件を満たせば野菜です。
その条件とは、トマトペーストを大さじ2杯入れること。
なんとアメリカでは、大さじ2杯のトマトペーストは、「野菜」という分類なんですね。
なので、それを使ったピザは野菜となります。
面白いですよね。
法律ってのは、国が違えば異なります。
なので、国や法律が違っても同じ仕組みで動けるように、条約っていうものがあります。
国際組織犯罪防止条約に加入していない国々
現在、国連加盟国で「国際組織犯罪防止条約」に加入していない国は11か国です。
イラン、ブータン、パラオ、ソロモン諸島、ツバル、フィジー、パプア・ニューギニア、ソマリア、コンゴ、南スーダン、そして日本です。
なぜ日本は国際組織犯罪防止条約に加入していないのか?
日本も、国際組織犯罪防止条約に加入して、国際的なテロ組織の情報などをゲットしたいですよねぇ。
でも、今まで加入できませんでした。なんでか?
共謀罪がなかったからです。
でも、今回の「テロ等準備罪(いわゆる共謀罪)」の成立でやっと国際的な組織犯罪防止条約に入れる条件を満たしました。
めでたいです。
日本は東京オリンピックまでには確実に入ると思いますよ。
安倍さんが、「オリンピックのためにこの法案が必要なんだ!」って言ってたのは、きっとこのことなんでしょうね。
ちゃんと説明しないからみんな混乱するんだよね。。。
テロ等準備罪の可決、成立後の世間の反応
で、6月15日早朝のテロ等準備罪の可決、成立を受けて、
(衆参議員団会議で)「中間報告」という異常な禁じ手を使っての自民、公明による共謀罪法の強行に強く抗議する!
この暴挙は、法案の矛盾の拡大、加計疑惑の広がり、国民の怒りの高まりに追い詰められての暴挙だ。
この日をスタートに憲法違反の共謀罪法を廃止する新たなたたかいを全国で起こそう!— 志位和夫 (@shiikazuo) June 14, 2017
共謀罪は廃案しかない!
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) June 14, 2017
朝稽古だん。共謀罪は採決されました。この法律によって政府は「気に入らない人間をいくらでも拘束できる法律」を手に入れました。共謀罪に賛成の議員たちの多くが「理想郷」として思い描いているシンガポールに一気に近づきました。
— 内田樹 (@levinassien) June 14, 2017
などなど、朝からツイッターが面白いです。
「テロ等準備罪」新設法 可決・成立 6月15日 7時49分
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は、15日朝、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。
これにより、一定の要件を満たすことを条件に、犯罪の実行前の段階で処罰可能な範囲が広がることになります。(略)
各党の討論で、自民党は「テロ組織はグローバル化しており、世界中どこでもターゲットとなり得る。
テロを現実に差し迫った脅威として認識し、東京オリンピックなどの安全な開催に向けて、万全の対策を講じていかなければならない」と述べました。これに対し、民進党は「『共謀罪』への国民の最大の不安は、権力が恣意的(しいてき)に捜査を行い、内心の自由が侵されるのではないかという点にある。数の力による異例の採決で成立させようとする安倍内閣に執行を委ねたら、どんな運営をされるのかと不安は際限なく膨らむ」と述べました。
(略)
東京の70歳の男性は、
「非常に悲しく、憤りを感じています。市民の運動に対して監視が強まることによって、社会が閉塞化することが心配です。戦前の治安維持法のようにならないように、これからも声を上げていくことが必要だと思います」
と話していました。また、千葉県の63歳の女性は、
「国会の審議の進め方はいいかげんで本当にひどいと思います。法律の対象犯罪にはテロとは関係のないものが多く含まれていて理解しがたく、政府は国連の特別報告者がこの法律に懸念を示していたことを真摯(しんし)に受け止めるべきです」
と話していました。街の声は
東京・渋谷で話を聞きました。
40代の男性は、
「法律に賛成なのでよいことだと思います。安全のためにやりすぎの面もあるかもしれませんが、犯罪が少しでも減ればいいと思います」
と話していました。55歳の会社員の男性は、
「未然に犯罪を防ぐことは必要だと思うので法案には賛成ですが、国会で数の論理で押し切り議論が尽くされていない気がして、成立の経緯には納得がいかない部分があります」
と話していました。一方、70代の男性は、
「労働組合や原発や沖縄の基地に対する反対運動が監視の対象になるかもしれません。今の政権がやることに反対することは許さないという考えが表れていると思います。良心的な反対の声もある中で、強行に押し切ったことには、そこまでやるのかと思いました」
と話していました。また、40代の男性は、
「基本的にあまり関係ないというか、よくわかりません。場合によってはこの問題が身近になることもあるかもしれませんが、ちょっと別次元の議論のような感じがします」
と話していました。(略)
テロ等準備罪をめぐる国会審議の論点
これまでの国会審議の論点の1つが、心の中で犯罪を考えただけで処罰されるのではないかという点です。
政府は、こうした懸念を払拭(ふっしょく)するために、いわば「歯止め」として、犯罪を計画しても実行に向けた「準備行為」が無ければ処罰されないとしています。
「準備行為」の具体例としては、法律の条文に、資金または物品の手配、関係場所の下見などを明記したほか、犯行手順の訓練や、標的の行動監視なども想定されると説明しています。
これに対して、野党側は、ATMでお金を引き出す行為など日常の活動であっても、捜査機関が犯罪実行のための準備行為と判断しかねず、「歯止め」にはならないと主張しています。
さらに、捜査機関が、行為の目的を見極めるためとして、市民団体などの動きを常に監視するのではないかと指摘しています。
また、「テロ等準備罪」の新設がテロの防止に役立つかどうかも議論されました。
政府は、罪の新設は、日本もすでに承認している「国際組織犯罪防止条約」の締結に不可欠で、条約を締結できなければ国際的な組織犯罪捜査の抜け穴になりかねないと訴えています。これに対して、野党側は、現在の法体系にも、重大な犯罪の実行前に処罰する陰謀罪や予備罪があり、条約の締結は可能だとしています。
(略)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170615/k10011018401000.html?utm_int=news_contents_news-main_001(リンク切れ)
テロ等準備罪は要するに、テロなどの組織犯罪を未然に防ぐための法案です。
この法案に対しては、
「共謀罪成立なんてヤバ過ぎる!断固反対!」
という反対派の意見もあれば、
「テロ対策のためにも共謀罪の成立は必要!」
という人もいます。
反対の人の意見は
・一般人は対象外としているが、誰でも捕まる可能性はある。
・社会の監視の目が厳しくなり、プライバシーが侵害される。
・居酒屋で上司の悪口を言ったり、殴りたいと言っただけで捕まる。
・警察による過剰な捜査が行われる。
・そもそもこの法案がなくても今の法律で対応可能。
などです。
そして賛成の人の意見は、
・そもそも、この法案に反対する人は、テロを起こす可能性のある人たち。
・一般人は対象外なので、普通の人が捕まる事はない。
・地下鉄サリン事件のようなテロを未然に防ぐ事が出来る。
・国際的な取り組みであるテロ対策のためには必要。
などです。
一般人は捕まるの?
ぶっちゃけ、一般人は捕まらないし、テロを起こす準備やその告発がなければ監視の目は厳しくならないし、居酒屋で悪口を言っても実際に事件を起こさなけりゃ捕まらないです。
ただ、この法案がなくても、今の法律で対応可能な「場合」もあります。
が、国際的なテロの場合はこの法案がなけりゃ対応不可でしょう。
法案を審議するための時間がなかった?
たくさんの人が、もっと審議すべきだ!と言っていました。
しかし、この法案を審議するための国会なんですが、実際、こんな感じでした。
自「この改正案よくね?」
野「そんなのどうでもいいから森友」←?
自「いやいや、だから改正案よくね?」
野「そんなのどうでもいいから加計」←?
自「話す気無いなら可決しま〜す」
野「ふざけるな!」←????#共謀罪を強行採決するな— 眠い奴 (@DexiosNikka) June 14, 2017
追記(2017.08.25)上記アカウントが凍結されてるっぽいので、写真も置いておきます。
こんなんなら、国会要らないよね。。。
審議時間が足りない!と言っている野党が、審議時間を全く関係ない話題のために使ってるんだから、もう意味がわかりません。。。
テロ等準備罪の意義
この法案はたとえれば、「北朝鮮のミサイル施設を発射前に破壊してしまおう!」って感じのものです。
この法案で、「テロが100%防げるか?」と言われれば、むりです。
でも、抑止力にはなり得ます。
今回の件で、「民主主義は終わった!」とか言ってる人たちがたくさんいますが、この前も、戦争法案で民主主義は終わった!って言ってましたよね。
民主主義は不死身ですね。
ま、テロ等準備罪が成立したからって、普通の人の人生には何ら影響ないですし、民主主義も死なないので、デモとかしてる暇があるなら働きましょう!!!
実際、日本は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)への参加表明を行い、国連に大歓迎されていますね。
あれ?
国連のほうからきたケナタッチ氏は、テロ等準備罪に反対の立場でしたが、本物の国連が大歓迎しちゃったので、もう立場ないのでは???
追記:2017.8.29 テロ等準備罪の効果が表れ始めました
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170829-00000008-jct-soci” target=”_blank”>シー・シェパードが方針転換 日本の捕鯨船に… リンク切れ
シー・シェパードが方針転換 日本の捕鯨船に8/29(火) 12:34配信
活動団体のシー・シェパードの創設者ポール・ワトソンが、南極海における日本の調査捕鯨に対する妨害活動を中止することを2017年8月28日、公式サイト上で発表した。
団体の活動資金が限られていることと、日本でテロ等準備罪が施行されたことにより、活動の継続が難しくなったとコメントしている。
(略)
【効果すげえw】シーシェパード「安倍のテロ準備罪のせい」で、もう日本で活動できない 捕鯨妨害やめる
41 : 名無しさん@涙目です。[sage] :2017/08/29(火) 19:54:06.85 ID:lD21sREK0.net
結局、金目で動いてただけだな
日本に呼び込んでたのがテロ等準備罪で監視されてるから出せなくなったんだな59 : 名無しさん@涙目です。 :2017/08/29(火) 19:56:21.94 ID:4cFkTlbN0.net
>>41
そしてその裏でカネ出してた奴らが、マスゴミと野党を使って邪魔をしていたと
わかりやすい構図だね