相撲の土俵は女人禁制?どうしてなの?

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相撲の土俵は女人禁制?どうしてなの?

2018-04-14

4月4日、京都府舞鶴市で行われた大相撲の春巡業で、舞鶴市の多々見良三市長が土俵上で突然倒れました。
その救急救命の際、

救急救命を行っている女性に」「女性は土俵から降りてください」と行事がアナウンスした

ということで、土俵上の女人禁制の賛否が話題となっております。
救命女性に「土俵下りて」放送、協会が対応策検討へ 春日野巡業部長「行司は動揺していた」2018.4.5 14:35 

朝日新聞は、

土俵で救命措置の女性、感謝状を固辞「当然のことした」
大久保直樹
2018年4月6日06時27分

京都府舞鶴市で開かれた大相撲の巡業で、あいさつ中に土俵で倒れた同市の多々見(たたみ)良三市長(67)に心臓マッサージをしていた女性たちに、行司がマイク放送で「土俵から降りてください」と求めた対応が批判をあびている。

というふうに、
心臓マッサージをしていた女性たちに、行司がマイク放送で「土俵から降りてください」と求めて救命措置の妨害を行ったかのような記事の書き方をしております。

果たして、救急救命を行っている女性に対して「土俵から降りてください」とアナウンスしたってのは本当なのでしょうか?
では、実際の現場の動画を一緒に見ていきましょう。

Contents

救命措置中の動画を検証してみた

これが現場の動画です。

0:00~ アナウンス「皆様、お座りになりますようお願いします。」

土俵上には数人の男性と倒れた市長

0:05~ アナウンス「皆様、お座りになりますようお願いします。」

0:12~ お座りくださいのアナウンスとともに女性が土俵にあがる。(赤で囲みました。)

0:20~ 土俵に上がった女性が胸骨圧迫を始める。 ※アナウンスは何もなし
同時に、二人目の女性(青色で囲みました)が土俵に上がる。 ※アナウンスは何もなし

0:40~ AEDが到着。(ピンクで囲みました)

0:41~ 赤で囲った女性が胸骨圧迫をし続け、青で囲った女性が交代要員として待機しているところへ、三人目(緑で囲みました)と四人目(オレンジで囲みました)の女性が土俵に駆け寄る。

0:45~ 

三人目(緑で囲みました)と四人目(オレンジで囲みました)の女性が土俵に上がったところで「女性の方は土俵から降りてください。女性の方は土俵から降りてください」とのアナウンスが入る。

この時はまだ最初の女性(赤で囲みました)が胸骨圧迫を続行中。
警察官たち(黄色で囲みました)も駆け寄る。

0:48~ 「女性の方は土俵から降りてください。」のアナウンスの途中で、交代要員として待機していた女性(青で囲みました)が胸骨圧迫を開始する。

0:54~ 女性(青で囲みました)が胸骨圧迫を中止すると同時に、「女性の方は土俵から降りてください。男性へとお渡しください。」のアナウンス。

0:58~ 警察官?(黄色で囲みました)が胸骨圧迫を開始。

1:08~ 胸骨圧迫を行った二人の女性(赤と青で囲った女性)が土俵から降りる。緑とオレンジで囲った女性はまだ降りていない。

1:15~ デカいAED到着(紫で囲みました)。AEDを使用するため、警察官?が胸骨圧迫を終了。

1:18~ 担架が到着する。緑とオレンジで囲った女性が土俵を降りる。

1:54 水色で囲んだ男性から「救急車呼びました!」との報告が入る。

3:00~ 市長が担架で運ばれる。

ここまで見ていただけたなら

女性の方は土俵から降りてください。女性の方は土俵から降りてください」のアナウンスは、救急救命措置を行っている女性に対してではなく、その後の緑で囲んだ三人目とオレンジで囲んだ四人目の女性に対してのもの

だってことがわかります。
そして、

「女性の方は土俵から降りてください。男性へとお渡しください。」のアナウンスは、AEDも到着し、警察官らしき人らも到着し、交代要員もたくさんいる中で、救急救命措置を行っている二人目の女性へのアナウンスだった

ことがわかります。

動画では、
0:20~0:48までは女性が胸骨圧迫を行った。
0:48~0:54までは二人目の女性が胸骨圧迫を行った。
0:58~1:15まで、男性の警察官が胸骨圧迫を行った。
ということがわかります。

最初に救命措置を行った女性と、交代要員として待機していた女性はGJ

ですね。
しかし、3人目と4人目の女性は必要なかったと思いますね。

これらのアナウンス、決して、巷で考えられているような、

救命措置を妨害するような行為ではなかった

ことがわかります。

まあ、日本相撲協会の春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)も、八角理事長(元横綱北勝海)も、アナウンスが不適切だったと認めているので、世間の人々の感情を考えたうえでの謝罪なんでしょう。
新聞の報道を鵜呑みにしてる人が多くて、ちゃんと動画を見て検証した人なんか少ないですからね。
適切な対応だったと思います。

また、市長が搬送された後、大量の塩をまいたのは女性が土俵に上がったから、穢れをとるためだ!みたいなことも言われてますが、そうじゃありません。
相撲では、けが人や死人が出た場合、塩をまくのがしきたりとなっているだけです。

ちびっこ相撲も女児禁止?

今回、大相撲春巡業で、力士が土俵上で小学生らに稽古をつける「ちびっこ相撲」に女子児童の参加が認められなかったことが明らかになりました。
先の救命措置を行った女性の件と合わせて、女性差別だ!ってことで、世間が騒ぎ出しました。
で、なんで女の子がちびっこ相撲に参加できなかったのか?っていうと、下記の記事の中に書いてありました。

2018.4.13 17:19
「ちびっこ相撲」女児不参加は貴乃花親方が提言 横野レイコ氏明かす

 横野氏は「貴乃花親方は伝統を重んじる親方なので、やめたい、女性を上げたくないっておっしゃった」と、貴乃花親方が巡業部長時代に女児を土俵に上げないように決めたと振り返った。
その上で「去年の10月に正式に決めようってことになった」と女児不参加の経緯を解説した。

 日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は12日、安全面の配慮により今回の春巡業から男児のみとしたと説明している。
(一部抜粋)

伝統を重んじるため今回の春場所から、女児が参加できなくなった。ということです。
どうやら、昨年の10月には女児は参加できないことが決まっていて、たまたまこのタイミングで問題化してしまったということのようです。
では、この伝統とは何なのでしょうか?

相撲の土俵上が女人禁制の理由

相撲は五穀豊穣を願う神事

そもそも、相撲は五穀豊穣を願う神事です。
つまり、お米の豊作を願うための神事です。
稲の豊作に関する神様は複数人いるのですが、その中の一人の女神様、古事記では宇迦之御魂神と記される倉稲魂神(うかのみたまのかみ)が相撲に関する神様だといわれております。
この女神様、スサノオと神大市比売(かむおおいちひめ)との間に生まれた女神様で、お稲荷さんとして祀られております。

相撲は、この女神様に男同士の裸の力比べを見せて、女神様に喜んでもらい、お米の豊作を祝うという神事です。

もし、土俵に女性が上がったら、力強い男たちを独占したい女神さまは嫉妬して、凶作になるといわれております。
なので、

女神さまが降臨してから神送りによって帰っていただくまでは、土俵上は女人禁制

となっております。

相撲は、各場所が始まる前日に立行司が祭主となって祝詞を奉上し、場所中の安全・興行の成功・国家安泰・五穀豊穣などを祈念し、神様にお供え物をささげる「土俵祭」によって女神様を土俵にお迎えします。
そして、千秋楽の後、「神送りの儀式」において、女神さまに帰っていただきます。
この間、土俵上は女人禁制となります。

ちなみに、相撲部屋のご飯の支度をする女性、おかみさんも、お神さんからきているといわれておりますけれども、おかみさんも土俵上に上がるのは禁止となっております。

伝統とは非科学的なもの

こんな非科学的なしきたり、だれが決めたんだ!って怒る人もいると思いますが、これが伝統ってもんです。
天皇が毎日日本国民のために祈ってくださってるのも、伝統です。
科学的じゃないからやめろ!なんてことは言えないわけです。
今でも、女人禁制の場所や、尼寺や修道院などの男子禁制の場所はあります。
やはり、宗教関連の場所が多いようですね。
これらは、女性専用車両とかの「社会的な男女の区別」とは全く異なるものですので、同列に語ることはできないと思います。

人の命と伝統、どっちが大事か?

ただ、今回の場合、人が死ぬかもしれない状況において女性が救命措置をしたことについては、科学的には大正解。倫理的にも大正解。伝統的には不正解。という不可解な状況となっております。
もうこれは、相撲協会が、男性医師を臨席させてなかったのが一番の問題点であり、これが相撲協会の一番の落ち度であると思われます。

今回の救急救命措置を行った女性はまさに救急救命措置のお手本のような働きをしましたので、救急救命措置とはこういうものだ!っていう風にたくさんの人が実感したと思いますし、実際に救命しているわけですから、もうこれは本当に素晴らしいことです。
でも、伝統的にはだめだったという、非常に残念な結果となってしまいました。
でもこれ、決して女性差別なんかじゃないんですよね。。。
そもそも、ここで女性差別だ~!なんて言っちゃったら、「女性が相撲を観戦しに行くのを禁止します。」みたいなあらぬ方向へといっちゃう気がしますね。
まあ、そういわれてルールが設定されちゃったら、もうどうしようもないですので、この問題はきちんと考えなきゃいけないですね。

ちなみに、個人的意見では、女神も嫉妬しないくらいの醜女だったら土俵に上がってもいいんじゃない?とか、男性のコスプレをしているのであれば問題なかったのかも?とか思います。
まあ、神様ってのは、非常に心の広い人が多いので、救命時くらいは嫉妬しないと思いますけどね。
また、ちびっこ相撲なんかは、「神事ではない限り、女性も可」にすりゃあいいと思いますね。
そもそも、神様が土俵上におられないときは、女人禁制でも何でもないと思いますよ。
女人禁制にする理由がないですし。


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